2011年2月2日(水)
Yahoo!JapanのGoogle検索エンジン採用について Vol.2
Yahoo!のGoogle化に基づく評価要因の分析
記事INDEX
2010年7月27日YahooJAPANは!Googleが提供する検索連動型広告システム、ならびに検索エンジンを自社の提供する検索サービスに採用すると発表したことは、皆さまの記憶にも新しいところではないでしょうか。
その後、様々な憶測が飛び交う中、数あるテストの実施を経て、ついに2010年12月1日にPCの検索結果がほぼGoogleと同一になる日を迎えました。
そこで今回はYahoo!のGoogle化に伴い、再度定点観測を実施し、Googleの評価要因の概要を探ることが趣旨となります。
(1)被調査対象サイト
・検索市場において、検索ボリュームが多いと考えられるビッグキーワード100を選出。
さらに当該キーワード市場におけるGoogleの検索結果1~30位のサイトを被調査対象と
した。
・既に検索エンジンからブランドとして評価されているような大手サイトや
サービス(Amazon、Wikipedia、Yahoo!)を除外。Googleにおけるインデックス数が
30,000以下のサイトを調査対象とした。
・本条件に合致する2,792サイトを被調査対象とした。
(2)調査項目
Googleの評価要因の概要を探る為、以下の基本的な指標を軸にデータを分析
①平均ドメイン年齢
②平均Googleページランク
③タイトル要素へのキーワード平均含有数
④メタキーワードへのキーワードの平均含有数
⑤h1要素へのキーワードの平均含有数
⑥h2要素へのキーワードの平均含有数
⑦ページ内における調査隊用キーワードの平均含有率
⑧被リンク数(米Yahoo!のlink:測定値)
⑨Yahoo!カテゴリ登録の割合
(3)調査結果(2011年1月11日時点)
①平均ドメイン年齢
Google 8.69年
SEOの世界では、ドメインが古いほど、検索エンジンからの信頼性などが 高くなるという考え方に基づき、以前よりドメイン年齢が評価要素として 重要という考え方がある。
データご覧頂ければ分かる通り、上位に表示されているサイトの平均ドメイン 年齢は約8年と古く、確かに評価要因の一要素と捉えて良いと考えられる。
②平均Googleページランク
Google 3.92
以前の定点観測レポートVol.1でもお伝えしたように、ページランクは参考程度にすぎないとはいえ、やはりページランクが3以上点灯しているサイトが上位に表示される傾向にあることが、データからお分かり頂けると思う。
確かに、Googleがツールバー上に表示しているページランクは、過去のある一時点の数値を表示しているに過ぎない為、Googleがリアルタイムで持っている”現在”のページランクを表示している訳ではありません。
しかしながら、過去のデータだとしても、サイトの状態を知る一つの指標と言えるので、サイト管理者ならぜひウォッチして貰いたい項目である。
③タイトル要素へのキーワード平均含有数
Google 1.15
タイトル要素には必ず対策したいキーワードを記述することが不可欠である。
データからもお分かり頂けるように、ほぼ全てのサイトで調査対象キーワードが1つは必ず記述されていることが分かる。
また多くの場合、対策キーワードはページの内容を表す為、ユーザのクリック率(CTR)を上げる点からも重要となる。
是非タイトル要素には、ページのテーマを表すキーワードを記述し、ユーザが検索結果からページの内容を推測できるものにすることをお勧めする。
④メタキーワードへのキーワードの平均含有数
Google 1.39個
メタキーワードは近年、至るところでSEO上効果がないので、記述しなくても良いと言われるようになった要素である。
しかしながら、データをご覧頂ければ分かる通り、ほぼ全てのサイトに1つはキーワードが記述されている。
確かに検索エンジンの薄明期にと比較した場合、より重要な要素が無数に存在する今、特段重要な要素とは言えないのかもしれない。
しかしながらSEOのベストプラクティクスという観点からは、是非ページ毎に固有のキーワードを記述頂きたい。
⑤h1要素へのキーワードの平均含有数
Google 0.59個
データをご覧頂ければ分かる通り、過半数のサイトにおいてh1要素内に調査対象キーワードを記述していることが分かる。
h1要素は本で言うところの大見出しにあたり、検索エンジンにそのページ内で扱われているテーマを伝える為の重要な要素となるので、是非ページの内容を表すキーワードを記述頂きたい。
⑥h2要素へのキーワードの平均含有数
Google 0.79個
h2要素は本で言うところの副見出しにあたる。
データからわかる通り、過半数のサイトにおいてh2要素内に調査対象キーワードを記述していることが分かる。
ただし、サイトの文章構造などにより、必ずしもキーワードの記述がベストとは言えないのでご注意頂きたい。
⑦ページ内における調査隊用キーワードの平均含有率
Google 4%
ページ内におけるキーワードの含有率については、サイト毎に文章量などが異なる為、必ずしも何%含まれていることが必須や何%でなければいけないということではない。
しかしながら、検索エンジンはサイト内に含まれる調査対象キーワードやその周りに派生するキーワード群を見て、サイトやページのテーマを認識している為、是非自然な形で文章を作成し、キーワードを含めて欲しい。
⑧被リンク数(米Yahoo!のlink:測定値)
米Yahoo 3,799,143
今回はGoogleの評価要因を探るというテーマではあるが、Googleではlink:コマンドにより被リンク数を求めたとしても、大半は表示されない。
(Googleは一ポリシーに基づく)
その為、米Yahoo!において、平均被リンク数を算出した。
データを一見すると、途方もない被リンク数ではあるが、BIGキーワードで上位に表示されているサイト群は、この位の被リンク数を集めているという程度にご認識頂きたい。
あくまでも米Yahoo!における認識数である為、Googleが認識している数がイコールではないこと、また同一ドメイン内における複数ページからの被リンクもカウントされていることを付け加えておく。
⑨Yahoo!カテゴリ登録の割合
Google 51%
Google化となった今、果たしてYahoo!カテゴリはGoogleにも効果があるのか?と疑問に感じている方も多いのではないだろうか。
データの示すところでは、Googleから評価されているサイトの過半数がYahoo!カテゴリに登録していることが分かる。
有料ではあるが、Yahoo!JAPANという良質なドメインからの被リンクが得られるということを考慮すると、現在も登録する価値があると言えるのではないだろうか。
今回Yahoo!JAPANがGoogleの検索システムを採用したことに伴い、Googleの評価要因を9つの指標で分析してきた。
しかしながら、本指標はあくまでも概要に過ぎず、検索エンジンがサイトを評価する上で用いる要因は数百に上ることをご理解いただきたい。
例えば本レポートの指標として用いたドメイン年齢を取ってみても、単にドメインが古ければ良いということではなく、その期間の確りとサイトが運用されていたか?などの指標も関わってきます。
SEOは”この施策を実施すれば完璧”というものではなく、日々の調整とバランスが大切です。
また今回は”順位”というの元にデータを分析してきましたが、SEOで最も大切な点は、いかに自社サービスや商品などを探しているユーザを自然検索結果から誘導できるかにつきますので、その点も踏まえてSEOを設計されることをお勧め致します。
今後もこのようなSEOレポートをこの場で実施して参ります。よろしくお願い致します。
NEXT >セマンティックWebで広がる検索とSEOの近未来
2011.1.21
*本文中に記載されている会社名および商品名・サービス名は、各社の商標 または登録商標です。
GMO TECH株式会社
2006年12月に現・GMO TECH株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2009年にGMOインターネットグループにジョインし、グループのSEO事業を牽引。2015年3月からはGMOインターネット株式会社 取締役 グループ広告部門統括としてグループ全体の広告関連事業を統括している。