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執筆するのはGMO TECH株式会社SEM事業部マネージャー。SEOのエキスパートから旬な情報をお届けします。
前回の本レポートでご紹介しました通り、2012年7月18日、Googleは「パンダアップデート」を日本語と韓国語に適用しました。
その後もパンダアップデートは更新を繰り返しており、すでに4回の更新を行っております。
さらに、10月23日には日本語での検索向けに、独自のコンテンツを持つ良質なサイトをより高く評価するための、パンダアップデートと同様の趣旨のアルゴリズム変更を行いました。
今回はこのパンダアップデートに関して多く寄せられている質問とその回答をいくつかご紹介したいと思います。
パンダアップデート以外のものも含めGoogleが日々実施している大小さまざまなアルゴリズムの更新は、より良質なサイトを検索結果に表示し、ユーザーが利便性の高いサイトにアクセスしやすくするためのものです。
Googleが検索結果の順位を決めるためのシグナルは200以上もあり、それらが複雑に絡み合い、しかも随時アップデートされる(2012年に予定されているアップデートは500近くに及びます)わけですから、それを分析し具体的な対策をピンポイントで導き出すことはほぼ不可能なことと言えます。
そのようなことに時間や労力を費やすよりも、サイトをユーザーの利便性が高い良質なものに進化させることを一番に考え取り組んで頂ければと思います。
こちらもよくある質問です。
このような場合は本当に自身のサイトの持つコンテンツが良質であるのか改めて見直しを行って頂きたいと思います。
ユーザーにアンケートを取ったり、周りの方の意見を聞いたりと方法は様々なものが考えられます。
このようなことを実施してみると、意外と自分だけで考えている時には思いつかないような役に立つ意見が得られるものです。
有益な意見が得られたらすぐにサイトに反映させましょう。
なお、Googleも良質なサイトを作るためのアドバイスを公開しています。
参考:Googleウェブマスター向け公式ブログ
ここに記載されている23個の質問はGoogleのアルゴリズムの背景にあるもので、ユーザーがサイトに求めているものについてのGoogleなりの考え方です。
まずはこの質問を元に改めてサイトに改善すべき点がないか検討を行って頂くと良いかと思います。
その際はユーザーの立場に立って見直しを行うようにしましょう。
サイトにより順位が下降した要因は異なると思いますが、弊社が独自で行った1,000サイトの調査では、パンダアップデート後に順位が下降したサイトの傾向として特に以下の4つが見られました。
カッコ内のパーセンテージは順位が下降したサイトの中で、それぞれの傾向に当てはまるサイトの割合です。
1.自動生成系コンテンツを用いたサイト(40%)
人の手を介さずに自動的に生成されたコンテンツを持つサイトです。
2.ルール化されたテキスト内容を持つサイト(30%)
大半のコンテンツ構成が同じで一部のキーワードのみを変更しただけのページが存在しているサイトです。
3.他のサイトの内容を流用しているサイト(66%)
Q&Aや用語集など他のサイトと同じ内容を扱ったコンテンツを持つサイトです。
4.メインコンテンツより広告が多く目立つサイト(30%)
アフィリエイトサイト等、広告のクリックを目的としたと見受けられるサイトです。
上記のように、サイトの各ページが独自性の高い良質なコンテンツを提供していないサイトが順位を下げております。
まずは、サイトがこれらの傾向に該当していないかをご確認ください。
なお、先に紹介したGoogleのウェブマスター向け公式ブログの記事にもあります通り、低品質なコンテンツがサイトの一部にしか存在しない場合でも、サイト全体の順位に影響を及ぼす可能性がありますので、細部に渡ってサイトを検証して頂くようお願い致します。
こちらもサイトによって方法はさまざまなものがあると考えられますが、「4.順位が下降した理由がわらない」の項目で紹介した、1~3の傾向を持つサイトについて、発生しやすいのは重複コンテンツの問題です。
Googleは順位の操作やトラフィックの増加を意図した重複コンテンツを、ユーザーの利便性が低下するものとして評価しておりません。
Googleはウェブマスター向け公式ブログやガイドラインで何度となく重複コンテンツについて取り上げており、私どもがSEOを実施する際にもこの問題に直面するケースが多数あります。
まずはサイト内の重複コンテンツの有無を調査し、それをページごとにユニークな内容にし、それぞれがユーザーにとって価値のあるものになるよう改善して頂ければと思います。
もちろんこの作業は大規模なサイトになればなるほど時間も労力もかかります。
できる範囲の修正から始めるということでも構いませんが、問題点の洗い出しを十分に行い、スケジュールを立て、継続して解消に取り組んで頂ければと思います。
重複コンテンツを解消する別の方法としては、低品質なコンテンツをインデックスに登録しないようにする方法(noindexメタタグの記述)や、重複した内容を持つ複数のURLの中から優先的に表示させたいURLを検索エンジンに伝える方法(canonical属性の記述)もあります。
この場合、サイト管理者の方にとってはインデックスの減少が心配になってしまいがちですが、低品質なコンテンツのインデックス数が順位向上に貢献する可能性はありませんので、躊躇せずに実施頂ければと思います。
パンダアップデートに限らず、日頃から大変多くお寄せ頂く質問ですがこちらについて明確な回答はありません。
数日で順位が戻った例もあれば、何ヶ月も時間をかけて徐々に回復する例もあったり、または次のアップデートのタイミングで一気に回復したりとサイトによって様々です。
検索順位を自由に決定できることはもちろん絶対にありません。
また検索エンジンは常日頃進化を続けており、過去の順位は未来の順位に何の価値ももたらしませんので、常に順位が下降する可能性はあると捉え体制を整えておくことが重要です。
実際に順位の下降によってそれまで得られていたトラフィックが得られなくなった場合は、ひとつひとつの施策に対し過度に期待するのではなく、期限を決めてそれまでに行った施策の見直しと、次の施策の検討と実施を繰り返し行っていくことが大切です。
今回はパンダアップデートに関連してよくお寄せ頂く質問5つとその回答をご紹介しました。
重複コンテンツのように明らかな問題に対しては、それを解消することで対応することができますが、良質なコンテンツを提供するということについてできることはサイトによってさまざまです。
他のサイトを研究したり(内容をコピーするのはもちろんNGです)、アンケートを取ったり、アクセスを解析したり、社内で議論をしたりしながら、良質なコンテンツを作り上げていくのは大変労力のかかる作業ではありますが、そういった努力こそが順位やトラフィックの向上に結び付くものと信じてサイト運営を行って頂ければと思います。
今後も読者の皆様の役に立つ情報をお届けして参ります。
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キーワード選定編
- 【第95回】Googleに評価される記事の書き方
- 【第90回】Googleが推奨するスマートフォンサイトの最適化について
- 【第86回】「ペンギンアップデート」の概要と検索エンジンが考える良質なサイトについて
- 【第81回】Googleが発表した「過剰SEO」サイト対策のアルゴリズム変更について
- 【第74回】2012年検索エンジン業界の動向
- 【第56回】Googleの新アルゴリズム「パンダアップデート」 - 機械によるサイトの品質評価によって、よりユーザーの利益を追求した検索環境へ
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