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社内レポート

2012年12月19日(水)

アルゴリズム変動に左右されないSEO【キーワード選定編】

アルゴリズム変動に左右されないサイト作りのために必要なポイントをご紹介

インターネット業界の旬な話題を定期レポートするGMO最新ネット業界レポート SEO編を担当するのは、GMOインターネットグループのSEO事業を担うGMO TECH株式会社。独自の分析システムを有し日々変わる検索エンジンの動向を徹底分析、全てをロジカルに数値化したWeb戦略を提案する同社はSEO対策 を事業軸としながら、今後ニーズが高まるスマートフォンにおける集客事業の展開にも力を注いでいます。

執筆するのはGMO TECH株式会社SEM事業部マネージャー。SEOのエキスパートから旬な情報をお届けします。

記事INDEX

はじめに

今年も残りわずかとなりました。
日本における2012年のSEOの動向を振り返りますと、最も大きなトピックは、やはりパンダアップデートの日本への導入であったと言えるでしょう。
パンダアップデートは、独自性の高い高品質なサイトをより良く評価するためのアルゴリズムの変更であり、本レポートの執筆時点で、すでに日本語圏への導入後、日本独自のアップデートも含め8回の更新が行われました。
このアップデートによって検索順位が大きく変化したという方もいらっしゃるかと思いますが、このような自らコントロールできない外部要因によりサイトへのアクセス数や収益が変動することは、サイトの管理者としては避けたいところです。

今回からシリーズで、検索エンジンのアルゴリズム変動に左右されないサイト作りのために必要なポイントをご紹介します。第1回目は「キーワード選定」について、基本的な事項の再確認と合わせてご案内致します。

キーワード選定の手順、ポイントは以下のようになります。

キーワード市場を知る

自社のビジネスに関連するキーワードについて知ることが初めの一歩です。
ユーザーがどのようなキーワードを使って検索しているのか、またそれらのキーワードがどのくらいのボリュームで使用されているか知る必要があります。
検索キーワードの状況を知る方法は、以下のようにさまざまなものがあります。

(1) Googleキーワードツール
あるキーワードの検索ボリュームや、そのキーワードの関連キーワードとその検索ボリュームなどを知ることができます。

(2) Googleトレンド
Google検索における特定のキーワードの検索ボリュームの推移(ボリュームの最大値を100とした場合の相対的な値)などを知ることができます。


これらのツールを使用し、自分のサイトと関連性が高いと考えられるキーワードをリストアップします。
ポイントとしては、ユーザーが検索に使用するキーワードにはさまざまなものがあるということを理解し、ビッグキーワードだけではなく検索ボリュームが多くないものも含め、関連性が高いと考えられるキーワードを数多くリストアップすることです。

自分のサイトを知る

次に、すでにサイトを運営している場合は、ユーザーがどのようなキーワードで検索し、自分のサイトを訪れているかを知る必要があります。
サイトへの流入キーワードや順位状況を知る方法は以下のようなものがあります。

(1) Googleアナリティクス
すでに多くの方がご存じかと思いますが、サイトへの流入キーワードやランディングページの状況など、さまざまな情報を確認することができます。

(2) Googleウェブマスターツール
検索結果でサイトが表示されたクエリや検索結果にサイトのページが表示された回数、クリック数、クリック率、平均掲載順位を知ることができます。

(3) 各種検索順位調査ツール
Web上にはさまざまな検索順位を調査するツールが提供されていますので、それらを使用して各キーワードの順位を調査することができます。
ただしこれらのツールは正確に順位を取得できないケースが多くなってきていますので、特に気になるキーワードについては目視での確認も行ってください。


キーワード市場を知り、自分のサイトを訪れる際に使用されると想定されるキーワードや使用してほしいキーワードがわかったら、上記のツールを使用して実際にそのキーワードでサイトへ流入してきているかどうか、また検索結果の上位に表示されているかどうかを確認します。
サイトへの流入キーワードにそれらのキーワードが含まれていなかったり、上位表示できていなかったりした場合は、自分のサイトの中に関連性の高い有益なコンテンツが含まれていないと考えられます。

また、これらのツールを使用すると、検索キーワード市場の調査では抽出できないが、自分のサイトにとっては有益な穴場のキーワードが見つかることもあります。
コンバージョンに結びつきやすい傾向のあるキーワードや新規訪問率の高いキーワードなどがあれば、それらも施策対象のキーワードとして加えます。
パンダアップデートの考え方に沿って見てみると、高い成果が出ているキーワードに対応するコンテンツは高品質なものであることが考えられ、その長所を伸ばすことでより高い成果を得られる可能性があります。
このようにさまざまな観点でキーワードを評価することが大切です。

競合サイトを知る

ターゲットとなるキーワードで上位表示されているサイトにどのようなものがあるか確認し、自社のサイトと比較します。
上位サイトの中でどのようなキーワードが使用されているか調べてみることは、自社のサイトをより良いものにしていく上でも大いに参考になります。

ECサイトのカテゴリを例に取ると、キーワード市場に対応したカテゴリの設計がなされているかという関連性や、検索市場に存在するキーワードを網羅できているかという点などを検証し、上位サイトにはできていて自社サイトではできていない差分をリストアップし、施策対象の候補キーワードに加えます。
その他にも商品の説明文や購入についての説明、よくある質問など、サイト内に比較のための材料はたくさんあるはずです。

但し、当然のことながら自社と他社のサイトの内容は異なりますので、他社が施策を行っているキーワードが自社のサイトに当てはまるとは限りません。
自社サイトに独自性や強みがあり、ユーザーに有益な情報を提供できると考えられるコンテンツに対応したキーワードを選定していくことが重要です。

最後に

これまでご説明したような手順を踏むことによって、検索キーワード市場や競合サイトに対しての自社サイトの位置付けがより明確になります。
そしてどのようなキーワード市場を狙って施策を行うべきなのか、今のサイトが持つ力ではどのようなキーワードで上位表示が見込めるのか、より難易度の高いキーワードで上位表示を達成するためには何が必要なのかという具体的なイメージができるようになり、それに沿って筋道を立ててSEOを実践することによって、より着実に成果を得ることができるようになります。

身の丈に合わない無理な上位表示のための施策(これはSEOではありません)を行うことで、全く成果が得られなかったり、アップデートの影響を受けて大きく順位を落としたりというリスクも、このような取り組みを行うことで下げることができます。

次回は選定したキーワードに対して、どのように内部施策を実施するべきかということについてのポイントをご紹介致します。


今後も読者の皆様の役に立つ情報をお届けして参ります。





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内部施策編


2012.12.7



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