2013年10月2日(水)
スマートフォンサイト最適化についてのよくある質問と回答
ユーザーの立場に立ってスマートフォンサイトを構築
そんなGMO TECH株式会社のSEOのエキスパートから旬な情報をお届けします。
記事INDEX
昨年7月、「【第90回】Googleが推奨するスマートフォンサイトの最適化について」というレポートで、Googleが推奨するスマートフォンサイトの構築方法やそのポイントをご紹介致しました。その後、この1年あまりの間にスマートフォンの普及はさらに加速し、対応したWebサイトも急速に増加しておりますが、それに比例してウェブマスターの皆様からの弊社へのご質問・ご相談も増え続けております。
スマートフォンサイトのSEOについては、すでにさまざまなところで情報が提供されているものの、高い頻度で新しい情報が出てくることもあって、その内容を十分に理解できず混乱されているお客様も多いようです。今回は、ここ数ヶ月でよく寄せられていたご質問とその回答を5つご紹介したいと思います。すでにご存知の内容もあるかもしれませんが、この機会に情報の整理にお役立て頂けると幸いです。
canonical属性の記述は、内容が重複するページが複数存在していた場合に、優先するページを検索エンジンに伝える手段としてよく紹介されます。スマートフォンサイトのページがPCサイトのページに比べて情報が少なくデザインも違い、コピーとは言えないことからcanonical属性を用いるのは間違っているのではないかと考えられている方が多いようです。
結論から申しますとcanonical属性を用いることは問題ありません。ウェブマスターの方にとっては重複コンテンツという大きな課題に対する対応策としてのcanonical属性のイメージが強いようで、ページの内容の全て、または大部分が重複している時にしかこれを使用できないと考えている方が多いようです。
PC向けページとスマートフォン向けページの間で使用されるcanonical属性については、意味合いは近いものの上記のものとは別のものとして捉えて頂いた方が理解しやすいかと思います。ここでのcanonical属性の役割は検索エンジンがPCサイトとスマートフォンサイトの関係性を把握できるようにするためのものということになります。さらに、スマートフォン向けページには対応するPC向けページのURLを含めたcanonical属性を記述しますが、逆にPC向けページには対応するスマートフォン向けページを指す「link rel="alternate"」タグを追加します。PCサイトとスマートフォンサイト間のアノテーションではcanonicalとalternateをセットで公式のように覚えておいて頂き、それぞれ適用頂ければと思います。
Googleは2013年8月16日に「スマートフォンの読み込み速度を改善するために」と題してウェブマスター向け公式ブログでスマートフォンサイトの表示速度の高速化のガイドラインを公開しました。非常に個別的かつ具体的な内容であったため、この内容を見て対応を強化したいと考えたウェブマスターの方が多いようです。ページの表示速度はPC向けページにおいても以前より順位を決定する要因の一つとしてアルゴリズムに組み込まれています。但し、要因としては小さなもので、順位決定に大きな影響があるわけではありません。スマートフォン向けページについても同様です。しかしながらページの表示速度の高速化はユーザーにとっては利便性が高まりますし、コンバージョン率にも良い影響を与えるかもしれませんのでぜひ取り組んだ方が良いでしょう。
スマートフォンの検索結果は、基本的にPCでの検索結果と同様です。2で記載した方法でPCサイトとスマートフォンサイトの関係性を検索エンジンに伝えていれば、原則スマートフォンサイトでSEOを行う必要はありません。もちろんレスポンシブウェブデザインでサイトを構築している場合はHTMLソースが同一のものとなりますので検討する必要はございません。
但し、スマートフォンの検索順位については、2013年6月11日にウェブマスター向け公式ブログで「スマートフォン向け検索でのランキング変更について」という発表がありました。これは、誤った設定をしているスマートフォン向けサイトに影響のあるランキングの変更で、誤ったリダイレクトをしたり、スマートフォンサイトでのみエラーを発生させたりしているサイトはランキングが下げられるというものです。なお、この変更はスマートフォンユーザーの検索体験を向上させることを目的としたもので、影響はスマートフォンから検索した際の検索結果画面に限られ、PCから検索した時には関係がありません。
繰り返しになりますが、このランキングの変更は誤った設定をしているスマートフォン向けサイトに対するものですので、正しい設定をしている限りはスマートフォンサイトでSEOを行う必要はありません。
一般論ですが、スマートフォン向けサイトのみでは検索エンジンから高い評価を得ることは難しいと言えるでしょう。多くの場合、スマートフォンサイトはその制約からPCサイトに比べて検索エンジンから評価を得られる良質なコンテンツを提供できる可能性が低く、リンクも十分に獲得できないと考えられるためです。スマートフォン向けのサービスしか提供していなくても、PC向けページを用意しサービスを紹介されることをおすすめします。
この質問は、スマートフォンサイトを用意することによるサイトボリュームの拡大が検索エンジンからの評価向上に結び付くのではないか、という期待からよく頂く質問です。結論としてはそのようなことはありません。単純な回答としては、Googleは全てのデバイスに同じHTMLを配信するレスポンシブウェブデザインを推奨しており、その考え方と矛盾しているためです。単にページ数が増えることで評価が向上するのであれば、レスポンシブウェブデザインを採用しない方が良いということになってしまいます。
より検索エンジンの考え方に沿って考えると、仮にスマートフォンサイトが用意されたとしても、PCサイトの類似コンテンツが増えるだけで、ユーザーにとって新たに有益な情報が提供されるわけではありません。単にページが増えるだけではサイトの価値向上には結びつかず、結果として順位が上がりやすくなることもありません。スマートフォンサイトを構築すべきかどうかは、検索順位目的ではなく、あくまでユーザーにとって有益かどうかを判断基準として頂ければと思います。
今回は、スマートフォンサイトの最適化について、弊社によく寄せられる質問とその回答をまとめてみました。スマートフォン関連の情報はどんどん新しいものが出てきますが、ユーザーの立場に立って考えれば理解できるものばかりです。サイトを利用するユーザーの役に立ち、喜んで頂けるサイト作りを心がけましょう。
今後も読者の皆様の役に立つ情報をお届けして参ります。
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2013.9.24
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