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社内レポート

2013年2月6日(水)

アルゴリズム変動に左右されないSEO【内部施策編】

現状のサイトの中に埋もれた資産を活かす方法

インターネット業界の旬な話題を定期レポートするGMO最新ネット業界レポート SEO編を担当するのは、GMOインターネットグループのSEO事業を担うGMO TECH株式会社。独自の分析システムを有し日々変わる検索エンジンの動向を徹底分析、全てをロジカルに数値化したWeb戦略を提案する同社はSEO対策 を事業軸としながら、今後ニーズが高まるスマートフォンにおける集客事業の展開にも力を注いでいます。

執筆するのはGMO TECH株式会社SEM事業部マネージャー。SEOのエキスパートから旬な情報をお届けします。

記事INDEX

はじめに

前回の本レポートではSEOの最も重要なポイントであるキーワード選定についてご紹介しました。今回はそのキーワードで検索エンジンから集客するための、内部の最適化についてご紹介したいと思いますが、HTMLの最適化についてはさまざまなサイトや書籍などで紹介されておりますので、それはそちらに譲り、本レポートではサイトの改善に対して、まずはどのようにアプローチしたらよいかということについてご紹介します。

パンダアップデートを期に頻繁に「良質なコンテンツが必要」「独自のコンテンツが重要」ということが言われるようになりましたが、その抽象的で大きな課題を前にして、どのように取り組むべきか悩まれているサイト運営者の方が多いためです。

今回はすでにサイトを運営されている方を対象に、現状のサイトの中に埋もれた資産を活かす方法をご紹介します。

「良質なコンテンツ」についてよく寄せられるご相談

パンダアップデートは高品質なサイトをより良く評価するためのアルゴリズム変更です。パンダアップデートに限らず、Googleが行っているアルゴリズムの変更は全てこの目的のために行われていると言ってしまってもよいかもしれません。

それはともかくおさらいとなりますがGoogleのサイトの品質を評価するアルゴリズムでは、以下のようなサイトが高く評価されます。

 ・他のサイトにはない独自の情報を提供している。
 ・内容が濃く、ユーザーの役に立つ情報を掲載している。
 ・ユーザーの興味を引く情報が掲載されている。
  など

このことは極々当たり前のことと言えます。私自身が何かの情報を知りたい時に検索エンジンを利用する場合も、上記のような条件を満たすサイトを探します。しかしながら、このユーザーにとって当たり前のことがサイト運営者にとっては難しく、とても多くの知識や知恵、場合によってはお金を伴うものになります。

実際Googleが考える良質なコンテンツについてサイト運営者の方にご案内しますと、多くの場合以下のようなご相談を頂きます。

 ・「どんな内容の記事を追加したらよいかわかりません。」
 ・「何ページ、何文字増やせばよいのでしょうか?」
 ・「工数がかかりすぎて手を付けられません。」

掲載している情報が少ないサイトであれば、コンテンツを増やす努力ができるとは思いますが、多くのご相談は、できるだけのことはしているつもりなのに検索順位が下降してしまった、サイトへのアクセスが減ってしまった、というものです。

実際、一見豊富な情報を提供しているように見える大規模なサイトを運営されている方からも、多くのご相談を頂いております。

そのような方々に対し、「独自の情報を提供してください」「もっとユーザーの興味を引くコンテンツを掲載してください」というお話をさせて頂いても有効なアドバイスにならないことを実感しています。

このような状況にある場合は、「良質なコンテンツがない、少ない」と考えるのではなく、「現状のサイトが持つコンテンツを検索エンジンに十分理解させられていない」、つまりサイトが検索エンジンに対して優しい作りになっていないと捉える方が正しいと思います。その立場に立って、まずは現状のサイトが持っているコンテンツをしっかりと検索エンジンに認識させ、理解させるように改善を行っていくことをおすすめ致します。

まずは今までの資産の見直しを

現状のサイトが持つコンテンツに対して改善を行う作業は以下のようになります。
サイトの内容を検索エンジンにとっても理解しやすいものにすることによって、その埋もれていたポテンシャルを引き出し、順位を向上させ、アクセスを増やしていくことが可能なります。

また、この作業を行うことによって現状のサイトに不足しているポイントがより明確になり、この作業後に具体的にどんな「良質なコンテンツ」を追加していけばよいのかがイメージできるようになりますので、ぜひ実践して頂ければと思います。

(1) 情報を洗い出す
改めてサイト内の情報をチェックしてみると、全く同じ、または類似したページや、中身の薄い有益な情報が得られないページ、逆に情報を詰め込みすぎて読みにくいページなど、さまざまなものが発見できると思います。

(2) 情報を仕分けする
洗い出しが終わったら、それらを分類していきます。分類は、前回のレポートで紹介した方法に従って選定したキーワードを元に行うとよいでしょう。自身のサイトのコンテンツとユーザーが使用する検索キーワードの市場を対応させる作業です。

(3) 情報を評価し、整理する
内容が薄いページがあればまとめたり、逆にさまざまな要素を詰め込みすぎたページは分割したりします。このような対応ができない低品質と考えられるコンテンツは削除します。
なお、Googleはウェブマスター向け公式ブログにおいて、「低品質なコンテンツがサイトの一部にしか存在しない場合でも、サイト全体の掲載順位に影響を与えることがあるということにご注意ください。」と述べていますので、サイト全体を隈なく確認してください。

(4) サイトの構造を再構築する
ディレクトリやURLの構造を見直し、修正します。資産の見直しによって、実はユーザーの役に立つコンテンツを豊富に有していたと判明したジャンルがあれば、新たにナビゲーションに加えてアクセスしやすいようにしたり、一応用意していたが内容の薄いジャンルは他にまとめたり削除したりします。

(5) HTMLやリンクの最適化を行う
これまでの作業によって大きくサイト内のコンテンツが更新されると思いますので、改めてHTMLやサイト内部のリンク構造の修正を行い、検索エンジンにとっても修正したサイトの内容が理解しやすいように改善します。
その際は併せてページタイトルや内部リンク、URLの構造などについてルールを決めておくのが良いでしょう。

このような作業を行ってみると、一から労力を割いて新しいコンテンツを作り込んでいかなくても、眠っていた素材を活かすだけでサイトの持つポテンシャルを引き出すことが可能になり、今まで取りこぼしていたキーワードでの流入が得られるようになります。 ここまで行ってからであれば、これまでになかったコンテンツを検討することもより容易になることでしょう。

最後に

良質なコンテンツを一からどんどん追加することができるのであれば、それでも構わないですが、継続的にサイトを運営されている方にとっては考えられる情報はほとんど提供しているというのが本音だと思います。

まずは現状のサイトの持つ資産を活かすことから始め、足りないところは知恵を絞って補っていくというのが、日々忙しいサイト運営者の方にとって実践的なサイト改善の方法かと思いますので、参考にして頂けますと幸いです。

次回は外部施策についてのポイントをご紹介致します。


今後も読者の皆様の役に立つ情報をお届けして参ります。





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外部施策編


2013.1.31


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