2011年9月28日(水)
Web担当者が意識したいSEOの6つのプロセス
目標設定やサイトの最適化から効果測定まで
企業のWeb担当者が意識するべきSEOの6つのプロセスについて執筆。
記事INDEX
- 1.SEOの6つのプロセスとは?
- 2.目標設定
- 3.キーワード設計
- 4.ページ単位での最適化
- 5.Webサイト構造の最適化
- 6.外部施策の設計と最適化
- 7.効果測定
- 8.最後に
SEOは簡単に分類すると以下の6つのプロセスが存在します。
1 : 目標設定
2 :キーワード設計
3 :ページ単位での最適化
4 :Webサイト構造の最適化
5 :外部施策の設計と最適化
6 :効果測定
以下項目より順を追ってご説明します。
目標設定が明確でないと、闇雲にSEOを実施することになります。 SEOの目標設定というよりも、Webサイトの目的とゴールをここでは明確にする必要があります。
Webサイトの目標、目的とは何でしょうか?
・ブランディングの向上
・商品やサービス利用者数の増加
・資料請求やお問い合わせ数の増加
などなど、多岐にわたることと思います。
まずはご自身が管理されているサイトの目標を確りと設定することでゴールがより 明確になり、SEOの設計に入り易くなります。
1.で定めた目標を達成するために、自社のサービスや商材のファンとなってくれそうなユーザ層はどのようなものでしょうか?
また、そのユーザが自身のサイトの情報を探す際に用いるキーワードはどのようなものでしょうか?
さらに競合は、どのようなサイトを展開しているでしょうか?
などなど想定し、それに合わせてキーワードを設計する必要があります。 簡単に纏めると以下のような調査に基づく設計が必要です。
(1)現実を把握する
・自社のビジネスと関連性の高いキーワードを選ぶ
・アクセス解析から自社のサイトに来訪しているユーザのキーワードを調査する。
(2)競合の状態を把握する
・同じようなビジネスを展開している競合サイトがどのようなキーワードで対策しているのか調査する。
・競合サイトの外部リンクの獲得状況や、内部の施策状況を調査する。
(3)ニーズを把握する
・実際に選定したキーワードが、検索ユーザのニーズとして存在しているか調査する。
(実際に検索数として市場に存在しているかを調査)
(4)キーワードの考え方を再考する
・ビッグやミドルなどのキーワードなど、ありきたりなキーワードのみで対策するのではなく、自社のサイトに関連した検索市場全てを占有するという考え方を持つ。
・トップページやカテゴリトップページなど、一部のページに偏ったキーワードを設計するのではなく、サイト内の全ページが流入のエントランスとなるように設計する。
以上のような考え方や調査を実施することで、自社のサイトにより合致した流入の得られる効果的なキーワードを選定することができます。
既にご存知の読者もおられると思いますが、検索市場を調査するツールとしてGoogle社が用意している「キーワードツール」で調査することができるので、ぜひご活用ください。
既にSEOというキーワードを知っている読者の方ならご存知の項目だと思うので簡単に記載させて頂くと、ページ単位での最適化には以下のようなものがあります。
<title>要素
<title>要素は検索エンジンの検索結果に表示される項目で、検索エンジンがページテーマを把握するために用いる要素となります。
<meta>要素
<meta>要素にはDescriptionというものとKeywordsというものが存在します。Descriptionにはページの内容を表す説明文を記述し、Keywordsにはページ単位でテーマとなるキーワードを「,」区切りで記述します。
<meta>要素は検索エンジンが重きを置いている項目ではないため、SEO上は重要な点ではありませんが、ユーザの流入という視点で考えた場合に、descriptionは重要な要素となるので、考慮する必要があります。
<hx>要素
<hx>要素とは<h1>要素から順に<h6>要素まで存在する要素で、簡単に言うと各ページの見出しにあたる部分に用いる要素となります。
<h1>要素からページの掛かり受け構造を見ながら、適切なテキストにマークアップする事で、検索エンジンが各ページの内容に対する理解をフォローすることができます。
以上で、簡単にページ単位での最適化について基本的な3つの要素を取り上げましたが、この"基本"が出来ていないサイトをよく見かけるので、ぜひ一度、ご自身が管理されるサイトの最適化状況を把握されることをお勧めします。
Webサイト構造の最適化と言っても、色々あるので今回は1つのポイントに絞ってご説明します。
・ディレクトリ構造を整える
ディレクトリ構造とは、テーマの異なるページ毎にカテゴリを生成しディレクトリを整備するということです。簡単に言うとYahoo!カテゴリのようにテーマに沿ったカテゴリを生成し、カテゴリに沿ったサイト=コンテンツを格納することです。
例えば、東京都23区の物件を扱う不動産情報サイトの場合、渋谷区、新宿区など23区毎にカテゴリを構築し、同区内の物件情報を格納することで、カテゴリ毎のテーマが統一され、結果として検索エンジンがページテーマを理解し易くなるというメリットが発生します。
単にSEOサービス会社に任せるだけでなく、自社で出来る設計があります。
例えば、大手ディレクトリサービス(Yahoo!ビジネスエクスプレス)に登録することや 自社で複数のサイトを展開している場合に、リンクを取り回すなどすることで、効果的なリンクを集めることが可能となります。
なお、効果的なリンクを設計するには以下のポイントを抑えることをお勧めします。
■被リンク元サイトの関連性
→ リンクの供給元となるサイトと供給される側のサイト(またはページ)のテーマに関連性がある場合、被リンクの価値が高くなります。
テーマの関連性と言っても、キーワードの完全一致など色々と議論の余地がありますが、一般常識からして関連性の有り無しを判断すれば問題ありません。
■被リンク元サイトのバリエーション
→ 特定のパターンではなく、バリエーション豊かなサイト群からリンクを受けることで、効果の高いリンクを構築することができます。
(特定のテーマからリンクを受けるのではなく、他テーマを扱うサイトなどからもリンクを集める)
一言で言うと、世間一般で良いといわれている施策に集中することなくバランスを考慮することで、より一層効果的な外部リンクを構築することが可能となります。
1から5の検討から実装が全て完了した段階で、初めて実装した施策の効果検証に移ります。
SEOの効果検証としては、以下の3点を抑えることで次のアクションにつなげることができます。
・対策キーワード全体の順位
→ 施策実施前と実施後の10位以内のキーワード割合を抽出し、順位が取れていないキーワードがある場合に、内部/外部の施策の見直しをする必要があります。
・サイトへの流入数
→ 施策前後で流入が増加しているか、施策LP毎の流入変化を観測します。仮に順位が10位以内に入っているにも関わらず、流入が取れていないキーワードが存在する場合などは、キーワードの設計=ニーズがあるのかについて再度検討する必要があります。
・流入数と目標(成果)の割合変化
→ 目標としていた流入がとれ、かつ目標としていた成果の割合が増加しているのかについて観測します。仮に流入が増加しているにも関わらず成果に変化が無い場合は、
「サイトの使いやすさ=サイトへの流入からお問い合わせなど、成果への動線は分かり易いものとなっているのか?」または、「サイトの情報と流入キーワードの検索意図が合致しているのか?」
など仮説を立てて検討し、ユーザビリティの見直しやキーワードの再設計、さらにはSEOから外れて商品やサービスの見直しなどに踏み込む必要があります。
以上までで、簡単に6つのプロセスに触れてきましたが、本プロセスを施策実施後、毎日順位変化を観測し、できれば2週間ごとに、サイトの流入変化をウォッチします。
そして1~2ヵ月ほどかけて6つのプロセスを回すことで、より精度の高いSEOを実施することができます。
今回は、企業のWeb担当者が意識したいSEOの6つのプロセスと題してレポートを執筆致しました。
SEOというと、どうしても技術などテクニック的なことに目が向きがちで、「木を見て森を見ず」の状態に陥りがちです。しかしながら、SEOをする事が目的ではなく、サイトの目標=成果を上げるための一つの手段として、SEOが存在しているということを忘れてはなりません。
その為には、森である検索市場のニーズ、さらには競合など取り巻く環境、はたまたユーザのニーズなどを深掘りして行き、次のステップとして木や葉となるサイトの最適化に目を向けていくという視点がとても重要です。
今後もこの点については、出来る限りこの場で情報発信して行きたいと思います。
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*本文中に記載されている会社名および商品名・サービス名は、各社の商標 または登録商標です。
GMO TECH株式会社
2006年12月に現・GMO TECH株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2009年にGMOインターネットグループにジョインし、グループのSEO事業を牽引。2015年3月からはGMOインターネット株式会社 取締役 グループ広告部門統括としてグループ全体の広告関連事業を統括している。