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社内レポート

2012年4月11日(水)

Googleが発表した「過剰SEO」サイト対策のアルゴリズム変更について

内容の充実したWebサイトを過剰にSEOされたWebサイトと差別化する目的で行われるアルゴリズム変更について。

インターネット業界の旬な話題を定期レポートするGMO最新ネット業界レポート SEO編を担当するのは、GMOインターネットグループのSEO事業を担うGMO TECH株式会社。独自の分析システムを有し日々変わる検索エンジンの動向を徹底分析、全てをロジカルに数値化したWeb戦略を提案する同社はSEO対策を事業軸としながら、今後ニーズが高まるスマートフォンにおける集客事業の展開にも力を注いでいます。

執筆するのはGMO TECH株式会社SEM事業部マネージャー。SEOのエキスパートから旬な情報をお届けします。

記事INDEX

はじめに

前回は2012年の検索エンジン業界の動向についてレポートしました。
早速2012年3月6日にはgoogle.co.jpにおけるSSL検索の導入が発表され、検索エンジンの動きはますます加速する勢いです。

TwitterやFacebookといったソーシャルメディアの成長や、このような検索エンジンのソーシャル化、パーソナライズ化により、SEOよりもSMO(ソーシャルメディア最適化)が今後重要などと巷では言われることもあります。
しかし、今後もSEOの重要性が変わることはありません。

実際、米GoogleのWebスパム対策チームの責任者、マット・カッツ氏は3月に検索結果の品質の向上を図るため数週間後にアルゴリズムの変更を行うと予告しました(日本での導入時期は未定です)。
今回はこのアルゴリズム変更についての弊社での見解を執筆したいと思います。

予告されたアルゴリズム変更の内容

マット・カッツ氏がSXSWで開催されたセッションの中で明らかにしたこのアルゴリズムの変更は、内容の充実したWebサイトを過剰にSEOされたWebサイトと差別化する目的で行われるものです。この変更は「良質なコンテンツを持っているがSEOができていないサイト」と「あまり良いコンテンツはないがSEOができているサイト」の条件を公平にしようという試みとなります。

参考:Search Engine Land(英語)

「過剰SEO」とサイト管理者がやるべきこと

このような情報が予告されると、すぐにサイトを最新のアルゴリズムに合わせて修正しなければならないのではないかと不安になるサイト管理者の方もいらっしゃるかと思います。しかし何が過剰なSEOにあたるのか、その内容はもちろん具体的に示されているわけではありません。キーワードの詰め込み過ぎ等、ユーザーの利便性を低下させる行為(それはすでにSEOではありませんが)が、ガイドラインに反するということは今回の予告以前より示されています。それではサイト管理者はどんなことを行うべきなのでしょうか。

今回の変更で起こるわかりやすい変化として想定されるのは、「あまり良質なコンテンツはないがSEOができているサイト」よりも「良質なコンテンツを持っているがSEOができていないサイト」が上位に表示されるように順位が調整されるということです。

検索エンジンを使って何かを調べた際に、内容が薄く役に立たないサイトの方がその逆のサイトよりも上位に表示されていたということは多くの方が経験されているのではないでしょうか。これは前者の方がSEOを上手く行っていて検索エンジンからの評価を受けやすかったためということが理由として考えられます。

しかし、ユーザーにとって重要なのはあくまでサイトが自分にとって有益な情報を提供しているかどうかであって、検索エンジンから評価を受けやすいサイトになっているかどうかではありません。今回のアルゴリズム変更はこのような問題を改善し、よりユーザーにとってより利便性の高い情報が掲載されているサイトが検索結果に表示されるようにするために行われるものです。これによってユーザーは検索エンジンで何かを調べる際、役に立つ情報によりアクセスしやすくなるものと思われます。

ここにサイトの管理者が行うべきことの答えはすでに示されています。それはユーザーの役に立つ「良質なコンテンツを提供する」ということです。サイトを訪れるユーザーにとって価値のある、充実したコンテンツを提供していれば、このアルゴリズム変更による悪影響を受けることはなく、影響を受けたとしても良い影響となるでしょう。一方で中身が伴っていないのにSEOだけに注力して取り組んできたサイトについては、悪い影響を受けることがあるかもしれません。

以前このレポートでも取り上げた「パンダアップデート」は、ユーザーにとって利益にならないコンテンツ = 低品質なサイトを排除することを目的としていて、"ユーザーに見てもらう価値のあるコンテンツを提供しているか"が焦点となっているとご紹介しました。今回のアルゴリズム変更も考え方は同じで、特別な変更ではありません。

良質なコンテンツを提供すればSEOは不要?

上記の内容から、逆に良質なコンテンツを提供さえしていればSEOは不要と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、SEOに取組むことの重要性に変わりはありません。Webサイトにはそれぞれ目標や目的があるためです。サイトへのアクセスの増加やサービスの申込みの増加といった目標を達成するために、キーワードを設計したり、サイトの内部・外部を最適化したりするプロセスは、今後もその重要性が失われることはありません。

検索エンジンを通じて自社の商品やサービスを多くの人に知ってもらいたいと考えるならば、それを紹介するサイトの内容を検索エンジンにとってもわかりやすいものにすることはごく自然なことですし、今回のアルゴリズム変更があったからといってSEOを行わなくてもよいということにはなりません。検索エンジンとも上手く付き合った方が良い結果を得られるということは明白です。それを行わなければいくら良質なコンテンツを提供していても、効率よく見込みユーザーにサイトを訪れてもらうことはできないでしょう。

「企業のWeb担当者が意識するべきSEOの6つのプロセス」についてはこちらをご覧ください。

最後に

今回はGoogleが発表したアルゴリズム変更についてレポートを執筆致しました。
アルゴリズムの変更のニュースがある度、順位が下降するのではないかと不安になってしまいがちですが、ユーザーにとって役に立つ有益な情報を提供し、検索エンジンにとってもわかりやすいサイト・ページを構成することができていれば、アルゴリズムの変更に左右されることはなくなり、こういった変更もプラスに作用することが期待できます。テクニック偏重に陥ることなく、良質なサイト作りを心がけて頂ければと思います。

今後も読者の皆様の役に立つ情報をお届けして参ります。





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2012.3.23



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