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IPアドレスとは?クラスとは?仕組みや種類、確認方法を解説

IPアドレスのクラスや種類、割り振られる仕組みについてご存知でしょうか?

IPアドレスとは、インターネット上でコンピュータやデバイスを識別するための番号のことです。

IPアドレスはクラスA〜Eの5つのクラスに分類され、ネットワークの規模や用途に応じて割り当てられます。

また、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの2種類があり、それぞれ利用用途や特徴が異なります。IPアドレスを深く知る上では、IPv4アドレスの枯渇問題への理解も欠かせません。

この記事では、IPアドレスの基本的な仕組みやクラス、種類、枯渇問題について詳しく解説します。

目次

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  1. IPアドレスとは
  2. IPアドレスのクラスとは
  3. クラスA:先頭ビット列が「0」
  4. クラスB:先頭ビット列が「10」
  5. クラスC:先頭ビット列が「110」
  6. クラスD:先頭ビット列が「1110」
  7. クラスE:先頭ビット列が「1111」
  8. IPアドレスが割り振られる仕組み
  9. 動的(可変)IPアドレス
  10. 固定(不変)IPアドレス
  11. IPアドレスの種類
  12. プライベートIPアドレス
  13. グローバルIPアドレス
  14. IPアドレスの枯渇問題|IPv4・IPv6
  15. IPアドレスを確認する方法
  16. プライベートIPアドレスの確認方法
  17. グローバルIPアドレスの確認方法
  18. まとめ

IPアドレスとは

IPアドレスとは、インターネット上でコンピュータやデバイスを識別するための番号のことです。

IPアドレスはネットワーク上の住所のような役割を果たします。例えば、「192.168.0.1」のように、0から255までの数字を4つ並べた形式で表現されます。

この数字の組み合わせによって、世界中のコンピュータを一意に識別することができるのです。

IPアドレスは、「ネットワーク部」と「ホスト部」の2つの部分から構成されています。

▼ネットワーク部とホスト部の役割

  • ネットワーク部:IPアドレスが属するネットワークを示す
  • ホスト部:ネットワーク内の個々のコンピュータを識別する

「192.168.0.1」のようなIPアドレスの場合、前半の「192.168.0」までがネットワーク部であり、後半の「1」がホスト部に該当します。

コンピュータがインターネットに接続するためには、必ずIPアドレスが割り当てられる必要があります。

IPアドレスのクラスとは

IPアドレスのクラスとは、IPアドレスを大きさや用途に応じて分類したものです。クラスA〜Eの5種類があり、先頭ビット列によって区別されます。

クラスA:先頭ビット列が「0」

クラスAは、大規模なネットワークに割り当てられるIPアドレスです。

先頭1ビットが「0」で始まり、ネットワーク部は8ビット、ホスト部は24ビットで構成されています。

クラスAのIPアドレスは、最大16,777,216台のコンピュータを取り扱うことができるため、大企業や政府機関などに適しています。

10進数で表すと「0.0.0.0」~「127.255.255.255」です。

クラスB:先頭ビット列が「10」

クラスBは、中規模なネットワークに割り当てられるIPアドレスです。

先頭2ビットが「10」で始まり、ネットワーク部は16ビット、ホスト部は16ビットで構成されています。

クラスBのIPアドレスは、最大65,534台のコンピュータを取り扱うことができるため、大学や中堅企業などに適しています。

10進数で表すと「128.0.0.0」~「192.255.255.255」です。

クラスC:先頭ビット列が「110」

先頭3ビットが「110」で始まる、小規模なネットワークに割り当てられるIPアドレスがクラスCです。

ネットワーク部は24ビット、ホスト部は8ビットで構成されており、最大254台のコンピュータを取り扱うことが可能です。

最大254台に制限されるため、小規模な組織やホームネットワークに適しています。10進数では、「192.0.0.0」~「223.255.255.255」となります。

クラスD:先頭ビット列が「1110」

クラスDは、マルチキャストアドレスに使用されるIPアドレスです。特殊用途のIPアドレスであり、先頭4ビットが「1110」で始まります。

マルチキャストは、複数のコンピュータに同じデータを同時に送信する技術であり、ビデオ会議やオンラインゲームなどで活用されています。

クラスDのIPアドレスは、通常のコンピュータには割り当てられません。10進数では、「224.0.0.0」~「223.255.255.255」と表します。

クラスE:先頭ビット列が「1111」

クラスEは、実験用に予約されているIPアドレスです。先頭4ビットが「1111」で始まり、将来の使用に備えて確保されています。

現在は、研究機関などで新しい技術の開発に使用されることがありますが、一般的には使用されません。

10進数では「240.0.0.0」~「255.255.255.255」と表します。

IPアドレスが割り振られる仕組み

IPアドレスは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)によって割り振られます。割り振り方には、「動的IPアドレス」と「固定IPアドレス」の2種類があります。

動的(可変)IPアドレス

動的IPアドレスは、接続のたびに異なるIPアドレスが割り当てられる方式です。

インターネットに接続するたびに、ISPのDHCPサーバーから自動的にIPアドレスが割り当てられ、一定期間が経過するとそのIPアドレスは解放され、次の接続時には新しいIPアドレスが付与されます。

この方式は、一般的な家庭用インターネット接続で広く使用されており、ISP側でのIPアドレス管理が容易で、サービスのコストを抑えることができるメリットがあります。

一方で、デメリットとして、同じIPアドレスを維持できないため、リモートアクセスや特定のオンラインサービスを利用する際に不便を感じる場合があります。

固定(不変)IPアドレス

固定IPアドレスは、特定のデバイスに対して常に同じIPアドレスが割り当てられる方式です。

ISPとの契約により、指定されたIPアドレスを固定的に利用することができ、Webサーバーやメールサーバー、ファイルサーバーなど、常時接続が必要なサービスに適しています。

同じIPアドレスを維持することで、リモートアクセスやサーバー運用が容易になり、ドメイン名との紐付けも簡単です。

一方、固定IPアドレスには、動的IPアドレスと比べてコストが高くなる傾向があり、IPアドレスの管理が複雑になる場合があるというデメリットも存在します。

【関連記事】ドメイン名とは?代表的な3つの種類と独自ドメインの取得メリット

IPアドレスの種類

IPアドレスは、「プライベートIPアドレス」と「グローバルIPアドレス」の2種類に分けられます。

それぞれ特徴や用途が異なるため、IPアドレスを使い分けることが重要です。

プライベートIPアドレス

プライベートIPアドレスは、組織内のローカルネットワークで使用されるIPアドレスで、「ローカルIPアドレス」とも呼ばれます。

これらのアドレスは外部のインターネットと直接接続されず、RFC 1918で定義された特定の範囲から割り当てられます。

代表的な範囲としては、「10.0.0.0〜10.255.255.255」「172.16.0.0〜172.31.255.255」「192.168.0.0〜192.168.255.255」が挙げられます。

プライベートIPアドレスを使用することで、グローバルIPアドレスを節約できるうえ、外部から直接アクセスされないためセキュリティが向上します。

ただし、インターネットへのアクセスにはNAT(Network Address Translation)の使用が必要となるデメリットもあります。また、ネットワーク内で識別できればよいため、他のネットワークで同じ番号が使用されることがあります。

グローバルIPアドレス

グローバルIPアドレスは、インターネット上で使用されるIPアドレスで、世界中のデバイスと通信することができます。

このアドレスはISPから割り当てられるか、組織が直接取得する必要があり、他のIPアドレスと重複することはありません。

グローバルIPアドレスを持つデバイスは、インターネット上で直接アクセスできるため、世界中のどこからでも接続が可能であり、ドメイン名との紐付けも簡単です。

しかし、グローバルIPアドレスはセキュリティリスクが高く、適切な対策が必須です。

また、プライベートIPアドレスと比べて、取得と維持にコストがかかるというデメリットもあります。

なお、グローバルIPアドレスは、米国の非営利団体「ICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)」によって管理されています。

IPアドレスの枯渇問題|IPv4・IPv6

近年、インターネットの急速な普及に伴い、IPv4アドレスの枯渇が深刻な問題となっています。

IPv4アドレスには、約43億個のアドレス空間がありますが、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの爆発的な普及により、すでに枯渇状態に陥っているのです。

この問題に対応するため、次世代のIPアドレス体系であるIPv6への移行が進められています。

IPv6は、43億個の4乗(約340澗)のIPアドレスが提供できるため、将来的なデバイスの増加にも対応できる設計となっています。これは、IPv4の43億個のアドレスと比べて、はるかに多くのアドレス空間を提供します。

しかし、IPv6への移行には機器やソフトウェアの対応など、多くの課題が残されているのが現状です。

IPv4とIPv6が混在するネットワーク環境では、互換性の確保や設定の複雑化など、運用面での難しさも指摘されています。

このように、IPv6の導入は将来のインターネットの成長を支えるために不可欠ですが、その実現にはさまざまな技術的および運用上のハードルを克服する必要があります。

IPアドレスを確認する方法

自分のIPアドレスを確認することは、ネットワークトラブルの解決やセキュリティ管理に役立ちます。

プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスでは、確認方法がそれぞれ異なります。

プライベートIPアドレスの確認方法

プライベートIPアドレスは、OS標準のコマンドを使用して簡単に確認できます。

コマンドプロンプトを開き、「ipconfig」コマンドを実行します。「IPv4アドレス」の項目に表示されている値が、プライベートIPアドレスです。

Macの場合: ターミナルを開き、「ifconfig」コマンドを実行します。「inet」の後ろに表示されているのが、プライベートIPアドレスとなります。

グローバルIPアドレスの確認方法

グローバルIPアドレスは、インターネット上で提供されている専用のWebサービスを利用することで簡単に確認できます。

What Is My IP Address」や「IP Chicken」など、アクセスするだけでグローバルIPアドレスを表示してくれるサービスが数多く存在します。

これらのサービスは、自動的にアクセス元のグローバルIPアドレスを検出し、画面上に表示する仕組みです。

また、ルーターの管理画面からグローバルIPアドレスを確認することもできます。

まとめ

この記事では、IPアドレスの基本的な仕組みやクラス、種類、確認方法について解説しました。

IPアドレスは、インターネット通信に欠かせない重要な要素であり、デバイスを一意に識別するための番号として機能します。

IPアドレスのクラスや種類を理解することは、ネットワーク設計や運用管理を行う上で不可欠といえるでしょう。

また、IPv4アドレスの枯渇問題を踏まえ、計画的にIPv6への移行を進めていくことが求められています。

しかし、すぐに完全移行することは難しいため、IPv4アドレスを有効に活用し続けることも重要です。IPv4アドレスの移転という方法もあり、これにより企業は必要なIPv4アドレスを確保し、ネットワークの安定性と信頼性を維持することができます。

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ドメイン名とIPアドレスの関係性について知りたい場合は、以下の記事をご参考ください。DNSの仕組みやルーティングについても解説しています。

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