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ハッシュ化とは?活用例や規格、暗号化通信の仕組みについて解説

「ハッシュ化とは何?活用例や規格を知りたい」といった疑問がある方も多いのではないでしょうか。

ハッシュ化とは、特殊な計算方法を用いて、元のデータを不規則な文字列に変換する処理のことです。

元のデータを復号できない一方向な処理であり、主にデータの完全性を確認するために用いられます。

電子署名やメッセージ認証、ブロックチェーンなど、幅広い分野で活用されており、高い安全性を持ちますが、パスワード保護の完璧な対策ではない点には注意が必要です。

この記事では、ハッシュ化の基本概念や活用例、主な規格について詳しく解説します。

目次

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  1. ハッシュ化とは
  2. ハッシュ化の活用例
  3. 電子署名
  4. 電子メール
  5. HMACによるメッセージ認証
  6. ブロックチェーン
  7. ハッシュ化の規格
  8. MD5
  9. SHA-1
  10. SHA-2
  11. SHA-3
  12. パスワードをハッシュ化した際の安全性
  13. まとめ

ハッシュ化とは

ハッシュ化とは、特殊な計算方法を用いて、元のデータを不規則な文字列に変換する処理のことです。

ハッシュ化を施すアルゴリズムのことをハッシュ関数と呼び、ハッシュ関数によって生成される文字列をハッシュ値といいます。

第三者によって不正にパスワードを盗み見られたとしても、ハッシュ化してランダムな文字列に変換しておけば、悪用や漏洩を防ぐことが可能です。

ハッシュ化されたデータは、元のデータを復号することが不可能であるという特徴があります。

一方、暗号化は元のデータを復号することが可能な可逆的な処理であり、データの機密性を保護するために使用されます。

つまり、ハッシュ化は主にデータの完全性を確認するために用いられ、暗号化はデータの秘匿性を担保するために用いられるのです。

ハッシュ化されたデータを復号するのは技術的に非常に困難とされています。

ハッシュ化の不可逆性は、データの改ざんを検知したり、パスワードを安全に保管したりする上で重要な性質となります。

【関連記事】暗号化とは?主な方式の種類や暗号化・復号化の仕組み、やり方について解説

ハッシュ化の活用例

ハッシュ化は、データの完全性を確認するために幅広く活用されています。

ここでは、ハッシュ化技術が実際にどのように用いられているのか、主な活用例を4つ紹介します。

電子署名

電子署名は、文書の完全性と送信者の認証を実現するために、ハッシュ化技術を利用しています。

具体的には、送信者が文書のハッシュ値を秘密鍵で暗号化することで、電子署名を生成します。

受信者は送信者の公開鍵で電子署名を復号し、得られたハッシュ値と文書から計算したハッシュ値を比較することで、文書が改ざんされていないことを確認できるのです。

この仕組みにより、文書の完全性と送信者の認証が同時に実現されます。

電子署名は、契約書やビジネス文書など、改ざんされてはならない重要な文書の保護に広く活用されています。

電子署名の仕組みや必要性について知りたい場合は、以下の記事をご確認ください。

【関連記事】電子署名とは?仕組みや必要性、メリット・デメリットを徹底解説

電子メール

電子メールの送信においても、ハッシュ化技術が用いられています。

送信者と受信者が、メールの内容から計算したハッシュ値を比較することで、メールが送信途中で改ざんされていないことを確認できます。

送信者と受信者のハッシュ値が一致していれば、メールの内容が同一であることが保証される仕組みです。

一方、ハッシュ値が異なる場合は、メールの内容が改ざんされた可能性が高いと判断できます。

このようにハッシュ化を利用すれば、電子メールのセキュリティを高め、安全なコミュニケーションを実現することが可能です。

HMACによるメッセージ認証

HMACは「Keyed-Hashing for Message Authentication code」の略称で、ハッシュ化技術を利用したメッセージ認証コードの一種です。

送信者と受信者が同じ秘密鍵を共有し、メッセージのハッシュ値を計算します。

受信者は、受け取ったメッセージから同じ方法でハッシュ値を計算し、送信者から受け取ったハッシュ値と比較することで、メッセージが改ざんされていないことを確認できる仕組みです。

HMACは秘密鍵を用いることで、第三者によるなりすましを防ぐ効果もあります。

この仕組みは、APIの通信やソフトウェアの更新ファイルの検証など、幅広い分野で活用されています。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、分散型台帳技術の一種であり、ハッシュ化を利用してデータの完全性と不変性を実現しています。

ブロックチェーンでは、取引データをブロックと呼ばれる単位で記録し、各ブロックには前のブロックのハッシュ値が含まれています。

生成されたブロックが時系列に沿って繋がっており、このハッシュ化の仕組みにより、データの改ざんが非常に困難になっているのです。

もしも過去のブロックのデータを改ざんしようとすると、そのブロック以降の全てのハッシュ値を再計算する必要があります。

しかし、ブロックチェーンは多数のノードで構成される分散ネットワークであるため、こうした改ざんは事実上困難を極めます。

ハッシュ化の不可逆性と、分散ネットワークの特性を組み合わせることで、ブロックチェーンは高いセキュリティを実現できているのです。

ハッシュ化の規格

ハッシュ化に用いられるハッシュ関数は、これまでさまざまな規格が採用されてきました。

ここでは、代表的なハッシュ関数の規格について、それぞれの特徴を紹介していきます。

MD5

MD5は、任意の長さのデータを128ビットのハッシュ値に変換するハッシュ関数です。

比較的古い規格であり、現在では安全性が低いとされています。

MD5では、異なるデータから同じハッシュ値が生成される衝突が発見されており、セキュリティ上の問題が指摘されているのです。

そのため、新規の用途ではMD5の使用は推奨されていません。

SHA-1

SHA-1は1995年に発表された規格で、任意の長さのデータを160ビットのハッシュ値に変換します。

MD5よりも安全性が高いとされていましたが、現在では衝突が発見されています。SHA-1も、MD5と同様に新規の用途での使用は推奨されていません。

特にセキュリティ要件の高い用途では、より安全性の高い規格の採用が求められます。

SHA-2

SHA-2は、SHA-1の後継として開発されたハッシュ関数のファミリーです。2001年にNIST(米国標準技術研究所)によって標準化されました。

SHA-224、SHA-256、SHA-384、SHA-512などの規格があり、出力するハッシュ値の長さが異なります。

SHA-2は現在でも高い安全性を持つとされており、広く利用されています。

特にSHA-256やSHA-512は、多くのセキュリティプロトコルで採用されており、信頼性の高い規格といえるでしょう。

SHA-3

SHA-3は、SHA-2とは異なるアルゴリズムで設計されたハッシュ関数です。

2015年に公開された後継の規格ではあるものの、別のアルゴリズムをベースとしており、高い安全性を持つとされています。

SHA-2との互換性はありませんが、独自の特性を持つハッシュ関数として注目を集めています。

今後、IoTデバイスなどの組み込み機器での利用が期待されているハッシュ関数です。

パスワードをハッシュ化した際の安全性

パスワードの漏洩による不正アクセスを防ぐため、多くのシステムではパスワードをハッシュ化してセキュリティ対策を行っています。

ハッシュ化されたパスワードは、たとえ漏洩したとしても、元のパスワードを復号することが困難であるため、一定の効果が期待できます。

ただし、ハッシュ化はパスワード保護の完璧な対策ではありません。

レインボーテーブルと呼ばれる、よく使われるパスワードとそのハッシュ値の対応表を用いた攻撃や、ブルートフォース攻撃と呼ばれる総当たりの解析により、パスワードが破られる可能性があるのです。

そのため、企業においてはハッシュ化と合わせて、別の文字列を加えてハッシュ化する手法や、パスワードの定期的な変更、多要素認証の導入など、複合的なセキュリティ対策を講じることが求められます。

また、十分な長さと複雑さを持つパスワードを設定するよう、管理者に徹底させることも大切です。

ハッシュ化はパスワード保護の基本的な手法ですが、それだけでは不十分であることを理解し、多層的なセキュリティ対策を行うことが、企業における情報セキュリティの要諦といえるでしょう。

【関連記事】不正アクセスとは?代表的な手口と被害に遭わないための対策

まとめ

この記事では、ハッシュ化の基本概念や活用例、主な規格について解説しました。

ハッシュ化は、データの完全性を確認するための重要な技術であり、電子署名やメッセージ認証、ブロックチェーンなど、さまざまな分野で活用されています。

パスワード保護においてハッシュ化は欠かせませんが、それだけでは不十分であることを理解する必要があります。

ハッシュ化を適切に用いつつ、パスワードの定期変更や多要素認証の導入など、多層的なセキュリティ対策を講じることが大切です。

企業が取り組むべきセキュリティ対策については、以下の記事で詳しく解説しています。セキュリティ対策を強化したい企業様はぜひご確認ください。

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