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クライアント証明書とは?仕組みや利用用途、導入のメリットを解説

「クライアント証明書って何?導入するメリットはあるの?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。

クライアント証明書とは、クライアント(利用者)の身元を証明するための電子証明書のことです。

サーバーがアクセス元のクライアントを確実に識別できるようになるため、なりすましによる不正アクセスを防げるほか、暗号化通信により、通信内容の盗聴や改ざんのリスクも軽減できます。

この記事では、クライアント証明書の仕組みや利用用途、導入によるメリットについて詳しく解説します。

目次

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  1. クライアント証明書とは
  2. サーバー証明書との違い
  3. クライアント証明書が必要な理由
  4. クライアント証明書の仕組み
  5. クライアント証明書の利用用途
  6. 二要素認証によるセキュリティの強化
  7. BYODによるセキュリティ強化
  8. 社外からのリモートアクセス
  9. クライアント証明書を導入するメリット
  10. 情報漏洩のリスクが低減する
  11. リモートアクセスの安全性が高まる
  12. ユーザーの利便性が向上する
  13. クライアント証明書の導入方法
  14. クライアント証明書の導入ならGMOグローバルサインにお任せ
  15. まとめ

クライアント証明書とは

クライアント証明書とは、クライアント(利用者)の身元を証明するための電子証明書のことです。

クライアントがサーバーにアクセスする際、クライアント証明書を使って身元を確認し、正当な利用者であるかを判断します。

PKI(公開鍵基盤)の技術を使って発行されるクライアント証明書には、クライアントの公開鍵と秘密鍵のペアが含まれています。

この仕組みにより、サーバーはクライアントの身元を確実に確認することができ、なりすましなどの不正アクセスを防ぐことができるのです。

また、クライアント証明書を使った通信は暗号化されるため、通信内容の盗聴や改ざんのリスクも軽減されます。

クライアント証明書は、セキュリティを高めるための有効な手段の1つといえるでしょう。

サーバー証明書との違い

クライアント証明書とサーバー証明書(SSL/TLS証明書)は、どちらもPKIの技術を使った電子証明書ですが、その役割は異なります。

サーバー証明書は、サーバーの身元を証明し、クライアントがアクセスしているサーバーが正当なものであることを保証するための証明書です。

サーバー証明書には「共通鍵暗号方式」と「公開鍵暗号方式」が含まれており、ブラウザとサーバー間で送受信されるデータを暗号化します。

この証明書により、ユーザー名とパスワード、クレジットカード番号などが暗号化されます。

一方、クライアント証明書はクライアントの身元を証明し、サーバーがアクセスを許可すべき正当な利用者であることを確認するための証明書です。

つまり、サーバー証明書はサーバーの正当性を証明するためのもので、クライアント証明書はアクセスする利用者の正当性を証明するためのものといえます。

サーバー証明書の詳細については以下の記事をご確認ください。

【関連記事】SSLサーバー証明書とは?導入すべき理由と選び方を徹底解説

クライアント証明書が必要な理由

近年、サイバー攻撃の手口は高度化・巧妙化しており、企業がサイバー攻撃の被害に遭うリスクが増大しています。

特になりすましやフィッシング攻撃では、攻撃者が正規のユーザーになりすまし、不正にシステムへのアクセスを試みるケースが見られます。

▼近年増大しているセキュリティリスクの一例

  • なりすましによるデータの改ざん
  • フィッシング攻撃によるログイン情報の漏洩
  • 個人情報漏洩によるブランド失墜
  • ランサムウェア攻撃による金銭的被害
  • システム停止による損失拡大

こうした脅威に対抗するためには、ユーザー認証の強化が欠かせません。

クライアント証明書を使った認証は、ユーザーの身元を確実に確認できるため、なりすまし攻撃のリスクを大幅に軽減できるのです。

また、クライアント証明書を導入することで、VPNなどを使ったリモートアクセス時のセキュリティも向上します。

リモートアクセスは、社外からの不正アクセスのリスクが高いため、強固な認証が必要とされています。

クライアント証明書を導入すれば、リモートアクセス時のユーザー認証を強化し、不正アクセスを効果的に防ぐことができるでしょう。

クライアント証明書の仕組み

クライアント証明書を導入する場合、許可されたデバイスからのみアクセスを許可する環境の構築が必要です。

使用するデバイスにクライアント証明書をインストールし、サーバー側ではそのデバイスのみアクセスできるよう設定しておきます。

ユーザーは各種サーバーにアクセスする際、インストールしたクライアント証明書を提示することで、サーバーはクライアント証明書の有効性を確認する仕組みです。

この一通りの認証システムを経て、ユーザーはサーバーに無事アクセスできます。

一方で、クライアント証明書がインストールされていないデバイスからのアクセスは、認証システムにより全てブロックされます。

これにより、悪意のある攻撃者や部外者からのアクセスを防ぎ、セキュリティ環境を強化することができるのです。

なお、万が一クライアント証明書が流出した場合でも、失効という証明書の無効化をすることで、被害を最小限に抑えられます。

クライアント証明書の利用用途

クライアント証明書は、 二要素認証やBYOD、リモートアクセスなど、さまざまな用途で活用されています。

ここでは、クライアント証明書の主な利用用途とその内容について解説します。

二要素認証によるセキュリティの強化

クライアント証明書は、二要素認証によるセキュリティ強化の実現に役立ちます。

ユーザーIDとパスワードに加え、クライアント証明書による認証を行うことで、なりすまし攻撃のリスクを大幅に軽減できるのです。

特に機密情報を扱うシステムやアプリケーションでは、二要素認証の導入が推奨されています。

クライアント証明書を用いて高度な二要素認証を実装すれば、セキュリティを強化しつつ、ユーザーの利便性も維持することができるでしょう。

なお、二要素認証および多要素認証については、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】多要素認証(MFA)とは?二要素認証・二段階認証との違いやメリットを解説

BYODによるセキュリティ強化

BYOD(Bring Your Own Device)とは、従業員が私物デバイスを社内に持ち込み、業務に活用する行為のことです。

このBYODの普及に伴い、私物デバイスを業務に使用するケースが増えています。しかし、私物デバイスは管理が難しく、情報漏洩のリスクが高まります。

そこで、クライアント証明書を有効活用すれば、私物デバイスからの安全なアクセス環境を実現できるのです。

クライアント証明書による認証を義務付けることで、許可されたデバイスのみがシステムにアクセスできるようになります。

これにより、BYODのメリットを享受しつつ、高度なセキュリティ環境を確保することが可能となります。

社外からのリモートアクセス

昨今、テレワークの導入が加速し、社外からのリモートアクセスが増加しています。リモートアクセスを安全に実現するためには、適切な認証システムの導入が不可欠です。

クライアント証明書を使った認証は、リモートアクセスのセキュリティを高める有効な手段の1つとなります。

クライアント証明書により、アクセス元のデバイスと利用者の身元を確実に確認できるため、不正アクセスのリスクを最小限に抑えられるのです。

また、VPNと組み合わせることで、より強固なセキュリティ環境を実現できます。

クライアント証明書を導入するメリット

クライアント証明書の導入は、企業のセキュリティ強化と利便性向上に大きく寄与します。

ここでは、クライアント証明書がもたらす3つのメリットについて詳しく解説します。

情報漏洩のリスクが低減する

機密情報を扱うシステムでは、情報漏洩のリスクが常につきまといます。

クライアント証明書による認証システムを導入すれば、なりすましによる不正アクセスを防ぐことができ、情報漏洩のリスクを大幅に低減できます。

また、クライアント証明書を用いた暗号化通信により、通信内容の盗聴や改ざんの危険性も軽減できるのです。

情報漏洩対策の有効な手段として、クライアント証明書の活用が推奨されています。情報漏洩の原因や対策について知りたい場合は、以下の記事をご参考ください。

【関連記事】情報漏洩が起こる原因や具体的なリスクとは?企業向けの対策も解説

リモートアクセスの安全性が高まる

前述した通り、リモートアクセスの安全性が高まる点もメリットの1つです。

テレワークの普及に伴い、リモートアクセスのセキュリティ強化は喫緊の課題となっています。

社外から業務を行う場合でも、クライアント証明書を導入しておけば、リモートアクセス時の利用者の身元確認を強化し、不正アクセスのリスクを抑えることが可能です。

さらに、クライアント証明書を用いたVPN接続により、通信内容の暗号化も実現できます。

私物デバイスを使って従業員が勝手に社内システムにアクセスするリスクを防ぐためにも、クライアント証明書は欠かせない要素といえるでしょう。

ユーザーの利便性が向上する

クライアント証明書の導入は、ユーザーの利便性向上にも大きく貢献します。

クライアント証明書を用いれば、ログイン時のパスワード入力を省略できるようになり、ユーザーの負担が軽減されます。

特に、モバイルデバイスでのパスワード入力は煩雑になりがちですが、クライアント証明書による認証ならスムーズにアクセスできるのです。

また、シングルサインオン(SSO)との連携を実施すれば、複数のシステムやアプリケーションへのアクセスもよりシームレスになるでしょう。

シングルサインオンの詳細については以下の記事をご確認ください。

【関連記事】シングルサインオン(SSO)とは?導入するメリット・デメリット

クライアント証明書の導入方法

クライアント証明書の導入には、一定の手順と準備が必要となります。

まずクライアント証明書を発行するには、認証局(Certificate Authority)に申請を行います。

認証局は電子証明書の発行・管理を担当する第三者機関であり、認証局が企業の信頼性を確認し、審査に通れば証明書が発行されるという流れです。

▼クライアント証明書の導入・設定の流れ

  1. 事前準備
  2. ライセンス申し込み
  3. 審査の実施
  4. ライセンス発行
  5. 証明書の設定

クライアント証明書の導入には、専門的な知識と作業が求められるため、導入の難易度は決して低くありません。

しかし、信頼できる発行サービスを利用することで、クライアント証明書のスムーズな導入が可能となります。

クライアント証明書の導入ならGMOグローバルサインにお任せ

クライアント証明書 マネージドPKI Lite byGMO

画像引用元:GMOグローバルサイン

GMOグローバルサインの「クライアント証明書 マネージドPKI Lite byGMO」は、シンプルな管理画面と充実したサポートにより、導入・運用の負担を大幅に軽減します。

既存のシステムとの連携も容易で、導入のための専用サーバーも不要なため、コストを抑えながらスムーズに運用を開始できるのが特徴です。

さまざまな業種・規模の企業に適しており、セキュリティ強化と利便性向上を同時に実現したい方におすすめのサービスといえるでしょう。

クライアント証明書の導入をお考えなら、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

この記事では、クライアント証明書の基本的な仕組みから利用用途、導入メリットまで幅広く解説しました。

クライアント証明書を活用することで、なりすまし攻撃や不正アクセスのリスクを大幅に軽減でき、情報漏洩の危険性も抑えられます。

また、リモートアクセスのセキュリティ強化やユーザーの利便性向上にも寄与するなど、さまざまな場面で効果を発揮します。

導入には一定の手間が伴いますが、信頼できる発行サービスを利用すれば、円滑に運用を開始できるでしょう。

セキュリティ強化と利便性向上を同時に実現したい企業様は、GMOグローバルサインが提供する「クライアント証明書 マネージドPKI Lite byGMO」の利用をご検討ください。

文責:GMOインターネットグループ株式会社