SSLサーバー証明書を導入すると、Webサイトにどんな影響をもたらすのでしょうか?「本当に証明書が必要なの?」「どの種類を選べばいいの?」などの疑問をお持ちの方もいるはずです。
SSLサーバー証明書の導入は安全性を示すシンボルとなり、Webサイトのセキュリティ対策を強化する効果があります。ただし、証明書の種類や認証機関に応じて特徴が異なるため、Webサイトの規模や性質に合わせて選ぶことが大切です。
そこで今回は、SSLサーバー証明書の特徴や種類、導入時の選び方について徹底解説します。これからSSLサーバー証明書を導入する予定の方は、ぜひ本記事の内容をご覧ください。
目次
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SSLサーバー証明書とは
SSLサーバー証明書とは、ブラウザとWebサーバー間で通信データの暗号化を行うための電子証明書のことです。この証明書により、Webサイトがデータを安全に送受信していることを保証します。
▼SSLサーバー証明書に含まれるもの
- Webサイトの所有者に関する情報
- 暗号化通信に必要な鍵
- 発行者の署名データ
SSLサーバー証明書を導入することで、Webサイトとユーザー間の通信データが暗号化され、第三者によるデータの盗聴や改ざんの対策となります。なお、SSLサーバー証明書を導入したWebサイトはURLが「https」から始まり、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されます。
【関連記事】httpとhttpsの違いとは|SSLサーバー証明書の確認方法や信頼できるサイトの見極め方
SSL/TLSとは
SSLサーバー証明書に含まれる「SSL」と、似た言葉の「TLS」について解説します。
SSL(Secure Sockets Layer)は、インターネット上でデータの通信を暗号化して送受信する仕組み(プロトコル)です。一方でTLS(Transport Layer Security)は、SSLの次世代規格として開発されたもので、SSLの課題であった脆弱性を解決しています。
いずれも通信の暗号化を行い、個人情報やクレジットカード情報などの重要なデータを保護する役割があります。両方ともセキュリティプロトコルなので、「SSL/TLS」と表記されることが一般的です。
SSLサーバー証明書による通信の暗号化
SSLサーバー証明書に含まれる「共通鍵暗号方式」と「公開鍵暗号方式」により、ブラウザとサーバー間で送受信されるデータを暗号化します。この証明書により、主に以下のようなデータが保護されます。
▼SSLサーバー証明書によって暗号化される主なデータ
- ユーザー名とパスワード
- クレジットカード番号
- 名前や住所などの個人情報
- メールアドレス
暗号化されたデータは、SSLサーバー証明書を導入したサーバーで保持する秘密鍵でしか解読できないため、悪意のある第三者からデータを盗聴されるリスクが軽減します。
SSLサーバー証明書の有効期間
SSLサーバー証明書には有効期間が定められています。以前は数年の有効期間がありましたが、2020年9月以降は最大397日(13ヶ月)に短縮されました。
約1年という短い有効期間が設けられていることで、SSLサーバー証明書を取得しているWebサイトの信頼性がより評価されます。
有効期間が切れると、期限切れを通知する警告が表示され、Webサイトの保護が失われます。サイト訪問者に不信感を与え、Webサイトの信頼性を損なってしまうため、SSLサーバー証明書は定期的な更新が必要です。
SSLサーバー証明書の種類
SSLサーバー証明書には大きく3つの種類があります。それぞれの証明書は、認証レベルや価格、適用されるドメイン数などにより区別されます。
- ドメイン認証型
- 企業認証型
- EV認証型
それぞれの種類を順番に見ていきましょう。
ドメイン認証型
ドメイン認証型は、基本的かつ低コストなSSLサーバー証明書です。主に小規模なWebサイトや個人ブログで使用されます。
この証明書は、インターネット上の住所を意味するドメインの所有権だけを確認して発行するため、他の証明書よりも手続きが容易で、素早く発行できるという利点があります。しかし、企業情報などは認証されないため、ビジネスサイトやECサイトの利用には推奨されません。
企業認証型
企業認証型は、ドメイン所有者の確認に加えて、企業情報の確認を行います。これにより、企業の実在性と合法性が証明されます。
▼企業認証型の認証項目
- ドメイン名の利用権
- 組織の法的実在性
認証手続きには時間がかかり、価格もドメイン認証型に比べて高いですが、訪問者に対して高い信頼性を提供できます。第三者データベースに登録されている法人でなければ発行できないのが特徴で、中小規模のビジネスサイトやECサイトの利用に向いています。
EV認証型
EV(Extended Validation)認証型は、最も厳しい審査基準を持つ証明書です。企業情報の認証に加えて、詳細な審査を通過した企業のみが取得できます。
▼EV認証型の認証項目
- ドメイン名の利用権
- 組織の法的・物理的実在性
- 組織の運営
- 承認者・署名者の確認
証明書の取得には時間がかかりますが、最高レベルの信頼性を確立します。その信頼性の高さから、大企業や金融機関など、セキュリティが重要視されるWebサイトで主に利用されます。
SSLサーバー証明書が必要な理由
SSLサーバー証明書の種類について紹介しましたが、「証明書は本当に必要なのか」と疑問に思う方もいるでしょう。SSLサーバー証明書が必要な理由を、以下4つの項目に分けて解説します。
- ユーザーに安心してもらえる
- セキュリティ対策を強化できる
- 検索順位に良い影響を与える
- Webサイトの高速化に繋がる
1つずつ理由を見ていきましょう。
ユーザーに安心してもらえる
SSLサーバー証明書を導入することで、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されます。この鍵マークは、Webサイトが安全であることをユーザーに示すシンボルとなります。
特にECサイトなど、個人情報やクレジットカード情報を取り扱うWebサイトでは、アドレスバーに鍵マークがないとユーザーに不安を与えてしまいます。結果として、取引の機会損失に繋がるリスクがあるため、個人情報を取り扱うWebサイトを運営する企業は、SSLサーバー証明書の導入が推奨されるのです。
なお、アドレスバーに表示される鍵マークをクリックすることで、Webサイトを運営する組織の情報を確認できます。鍵マークから詳細を開けば、SSLサーバー証明書の種類も把握することが可能です。
セキュリティ対策を強化できる
二つ目の理由は、Webサイトのセキュリティ対策を強化できるためです。送受信するデータを暗号化することで、第三者による情報の盗聴や改ざんの対策となります。また、webサイトの所有者の情報が把握できるため、なりすまし、フィッシング詐欺対策にもなります。
具体的には、SSLサーバー証明書を導入すると、ユーザーがパスワードやクレジットカード情報を入力する際、その情報は暗号化されて送信されます。悪意のある第三者が暗号化された情報を盗むことはほぼ不可能であるため、Webサイトの運営がより盤石なものになるのです。
検索順位に良い影響を与える
SSLサーバー証明書の導入は、SEO(検索エンジン最適化)にも良い影響を与えます。なぜなら、GoogleはSSLサーバー証明書を保持するWebサイトを好む傾向にあるためです。
誰もがWebを安全に利用できるよう、すべてのWebサイトの所有者にHTTPからHTTPSへの切り替えをおすすめしたいと考えているため、今後このウェイトは大きくする予定です。
Googleは2014年に、HTTPS(常時SSL)かどうかを検索順位の決定要因にすることを発表しました。つまり、同等のWebサイトでも、SSLサーバー証明書が導入されているWebサイトは、検索結果の上位に表示される可能性が高くなるのです。
Webサイトの高速化に繋がる
SSLサーバー証明書を導入することで、Webサイトの高速化に繋がるというメリットもあります。これは、常時SSL化により、「HTTP/2」という次世代のプロトコルを利用できるようになるためです。
- ▼HTTP/2とは?
- サーバーとクライアントがデータを送受信するために使用するHTTPの改良版。
HTTP/2は、従来のHTTP/1.1に比べてデータ通信の効率が大幅に改善されており、このプロトコルをWebサイトで利用するには、HTTPS(常時SSL)に対応している必要があります。
つまり、SSLサーバー証明書を導入するとHTTPS(常時SSL)に対応し、HTTP/2が利用できるようになるため、結果としてWebサイトの高速化に繋がるのです。それに伴い、ユーザーにより良いWeb体験を提供できます。
SSLサーバー証明書の選び方
SSLサーバー証明書には複数の種類があり、それぞれ特徴が異なるため、証明書の選定に苦戦する方もいるでしょう。適切なSSLサーバー証明書を選ぶためには、以下5つのポイントを押さえる必要があります。
安全性の高さ
SSLサーバー証明書を選ぶ上では、発行する認証局の実績を参考にするのがよいでしょう。
認証局の運営には第三者機関の厳格な審査があります。それをクリアしての運営となるため、運営年月、これまでの発行枚数の実績が信頼できる認証局の基準となるかと思います。
なお、「GMOグローバルサイン」では、国産で世界に発信する認証局として20年以上の運営、1600万枚以上の発行実績があります。Webサイトの安全性を保ちたい方は、ぜひ本サービスの利用をご検討ください。
証明書取得の早さ
証明書の取得時間も重要ポイントの一つです。手間や時間がかかる認証機関を選ぶと、SSLサーバー証明書の導入に遅延が生じる可能性があります。
特にWebサイトの開設やリニューアルを予定している場合、証明書の発行に時間がかかると、プロジェクトの進行が遅れる原因になります。
▼SSLサーバー証明書ごとの取得時間の目安
- ドメイン認証型:即時〜即日
- 企業認証型:2営業日〜1週間
- EV認証型:3営業日〜2週間
認証機関の営業日によっても、取得時間が異なる場合があります。必要な認証レベルに合わせて、取得までのスピードを考慮しましょう。
運用にかかるコスト
四つ目のポイントは、運用にかかるコストです。取得する認証機関や種類により、証明書の価格が大きく異なります。
例えば、認証レベルが最も高いEV認証型の場合、年間10〜20万円と他の証明書に比べて高額になる傾向があります。また、SSLサーバー証明書は一度取得して終わりではなく、毎年更新が必要になるため、導入時には更新・運用のコストも考慮しましょう。
サポートの充実度
サポート体制の充実度も忘れてはいけません。SSLサーバー証明書は長期間にわたって運用するため、迅速かつ的確に対応可能な認証機関を選ぶことが推奨されます。
▼導入時に確認すべきサポート体制
- カスタマーサポートの有無
- 証明書再発行の有無
- 追加発行の有無
- サービス保証制度の有無
- 標準付属機能の有無
- 海外ブランドの場合日本語での対応の有無
また、問題が発生した時の対応力、サポート窓口の対応時間なども確認しましょう。これらは運用の安定性や問題解決のスピードに直結します。
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画像引用元:GMOグローバルサイン
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これからSSLサーバー証明書を導入予定の方は、ぜひ本サービスの利用を検討してみてください。
まとめ
本記事では、SSLサーバー証明書の特徴や種類、導入時の選び方を解説しました。
Webサイトの安全性を確保するには、SSLサーバー証明書の導入が不可欠です。Webサイト運営において、セキュリティ対策を強化できる、検索順位に良い影響を与えるなど、さまざまなメリットが見込めます。
ただし、証明書の種類は多岐にわたるため、選択する際には一部注意が必要です。Webサイトの規模や性質に合わせてSSLサーバー証明書を選択しましょう。
なお、「GMOグローバルサイン」ではSSLサーバー証明書の導入を徹底サポートしています。カスタマーサポートも充実しているため、初めてSSLサーバー証明書を導入し、常時SSL化を行う方にもおすすめです。
文責:GMOインターネットグループ株式会社