「ボットネットとは何?」「仕組みや危険性が気になる」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ボットネットとは、マルウェアに感染したコンピュータをネットワーク化したものを指します。
攻撃者の指令に従って大量のボット(感染PC)が協調的に動作することで、DDoS攻撃やアカウント乗っ取り、スパムメール送信など、さまざまなサイバー攻撃に悪用されるのです。
ボットへの感染は、日常のインターネット利用の中にも潜んでおり、個人や企業に甚大な被害をもたらす危険性があります。
この記事では、ボットネットの仕組みや危険性、感染しないための対策方法について詳しく解説します。
目次
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ボットネットとは
ボットネットとは、マルウェアに感染したコンピュータをネットワーク化したものを指します。
数百から数十万台ものボット(感染PC)が、攻撃者の指令に従って協調的に動作する点が特徴です。
ボットネットは、サイバー攻撃の強力な基盤として機能し、インターネット全体のセキュリティを脅かす存在となっています。
サイバー犯罪者にとって魅力的な攻撃インフラであり、その脅威は年々深刻さを増しているといえるでしょう。
なお、ボットに感染したPCは、ユーザーの知らないうちにサイバー攻撃の踏み台にされてしまうリスクがあります。
ボットネットの一部にならないためにも、基本的なマルウェア対策が重要となります。
ボットネットの仕組み
ボットネットは、ボットマスター(攻撃者)とボット(感染PC)から構成されます。
ボットマスターは、メッセージ送受信のための中央サーバー「C&Cサーバー」を介してボットに命令を送り、ボットネット全体で攻撃を実行させます。
攻撃者がボットネットを作成するまでの流れは以下の通りです。
▼ボットネット作成までの流れ
- 攻撃者はボット感染に使うマルウェアを作成する
- マルウェアをインターネット上に配布する
- ユーザーのPCがマルウェアに感染する
- 感染PCは自動的にC&Cサーバーに接続される
- 攻撃者はC&Cサーバーを通じて多数のボットを操り、サイバー攻撃を仕掛ける
攻撃者はボットネットを利用して、DDoS攻撃や情報窃取、スパム送信などを行います。
ボットネットは、攻撃者にとって強力な武器となり、サイバー犯罪を容易に実行できる環境を構築します。
ボットの主な感染経路
ボットの感染経路は、メールの添付ファイルや改ざんされたWebサイト、脆弱性を突いた不正アクセスなど、多岐にわたります。
例えば、有名な人物や企業になりすまし、メールの添付ファイルをダウンロードさせるといった手口が一般的です。
また、正規のソフトウェアを装ったマルウェアを配布し、ユーザーに気付かれないよう感染を広げる手法も存在します。
このように日常的なインターネット利用の中に、ボットネットの感染リスクは潜んでいます。
ボットネットの危険性
ボットネットは、インターネット全体のセキュリティを脅かす深刻な脅威です。
ボットネットを悪用したサイバー攻撃により、個人や企業に甚大な被害がもたらされる恐れがあります。
▼ボットネットによる主な被害リスク
- 金銭的被害が生じる
- 個人情報が流出する
- Webサイトが改ざんされる
- インターネットへのアクセスが妨害される
- 企業の信用が失墜する
ボットネットは、サイバー犯罪者の格好の攻撃基盤となっており、社会全体のリスクを高めています。
ボットネットを使った攻撃は規模が大きく、セキュリティリスクが甚大となる可能性があるため、日頃から徹底したセキュリティ対策が求められます。
ボットネットを悪用した主なサイバー攻撃
ボットネットは、さまざまなサイバー攻撃に利用されています。以下、代表的な攻撃手法を4つ紹介します。
DDoS攻撃
DDoS攻撃は、大量のトラフィックでサーバーやネットワークを麻痺させるサイバー攻撃です。
ボットネットを使えば、膨大な数の攻撃元を確保でき、大規模なDDoS攻撃が可能となります。
ボットマスターの指令で一斉に大量のリクエストを送信することで、標的のシステムやサーバーに負荷をかけ、Webサービスの停止に追い込みます。
ボットネットによるDDoS攻撃は、企業のWebサイトや重要インフラを脅かす深刻な脅威といえるでしょう。
なお、DDoS攻撃の詳細については以下の記事で解説しています。
【関連記事】DDoS攻撃とは?主な種類と5つの対策方法を紹介
アカウントの乗っ取り
ボットネットは、ID・パスワードのブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)にも用いられます。
ブルートフォース攻撃とは、考えられる全ての組み合わせを試してパスワードを突き止める攻撃手法のことです。
大量のボットを動員することにより、短時間でパスワードを突破し、アカウントを乗っ取ることができるのです。
乗っ取られたアカウントは、なりすまし行為や不正送金など、二次被害を引き起こす危険性があります。
ブルートフォース攻撃について詳しく知りたい場合は、以下の記事をご確認ください。
迷惑メール・スパムメールの送信
大規模なボットネットを操り、大量の迷惑メールやスパムメールを送信する場合もあります。
ボットマスターは、正規のメールサーバーを経由せず、ボットから直接メールを送ることで送信元を隠蔽します。
これにより、スパムフィルタを回避し、大量のメールを一気に配信できるのです。こうしたスパムメールは、フィッシング詐欺など他のサイバー攻撃にも悪用されます。
ユーザーアクティビティの監視
ボットネットを構築するマルウェアに、キーロガーなどのソフトウェアが仕込まれていることも珍しくありません。
キーロガーを使ってユーザーのキーストロークを記録することで、攻撃者は対象の個人情報や機密情報を盗み取ります。
パスワードやクレジットカード情報、メールの内容などが筒抜けになる恐れがあります。キーロガーの仕組みや対策については以下の記事でご確認ください。
ボットネットの一部にならないための対策方法
ボットネットの脅威から身を守るには、日頃から予防策を講じることが重要です。ここでは、ボットネットの一部にならないための対策を4つ紹介します。
OS・システムを常に最新の状態に保つ
OS・システムに存在する脆弱性を突いた攻撃が横行しているため、修正パッチを適用し、常に最新の状態に保つことが重要です。
脆弱性を放置することは、ボットネットの感染リスクを高めることに他なりません。
自動更新機能を有効にして、OSやソフトウェアのアップデートを即時適用しましょう。
不審なメールやURLを開かない
ボットへの感染は、不審なメールの添付ファイルやリンクから広がることが多い傾向にあります。
マルウェアへの感染を防ぐために、心当たりのない差出人からのメールは、安易に開かないようにしましょう。
また、有名な企業や取引先からのメールであっても、なりすましの可能性があるため、メールアドレスや内容を十分に確認することが大切です。
安全なパスワードを設定する
組織や企業で使用するアカウントのパスワードは、長めの英数字・記号を組み合わせた複雑なものを使用しましょう。
推測されにくいパスワードを用いることで、ボットによるアカウント乗っ取りのリスクを軽減できます。
また、パスワードを突破されたときのために、多要素認証を活用するのも有効な対策の1つといえるでしょう。
多要素認証の種類や設定方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
アンチウイルスソフトを導入する
アンチウイルスソフトは、ボットへの感染を防ぐ上で欠かせません。信頼できるベンダーの製品を導入し、ウイルス定義ファイルを最新に保つことが肝要です。
リアルタイム検知の機能を有効にすることで、怪しいファイルのダウンロードをブロックし、マルウェア感染を未然に防止できます。
ただし、アンチウイルスソフトは万能ではないため、日頃の注意と併せて活用することが大切です。
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画像引用元:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ
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まとめ
この記事では、ボットネットの仕組みや危険性、感染しないための対策方法について解説しました。
ボットネットは、攻撃者にとって強力なサイバー攻撃の基盤であり、DDoS攻撃やアカウント乗っ取り、情報窃取など、さまざまな脅威をもたらします。
日頃からOSやソフトウェアを最新の状態に保ち、不審なメールやURLを開かないなど、適切な予防策を講じることが重要です。
また、安全なパスワードの設定やアンチウイルスソフトの導入も欠かせません。
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文責:GMOインターネットグループ株式会社