ランサムウェアとは、不正なソフトウェアを使用してデータを暗号化し、元に戻すことと引き換えに身代金を要求するサイバー攻撃のことです。
このタイプのマルウェアはさまざまな経路を通じて感染し、一度感染すると組織全体に被害が拡大する恐れがあります。
主な感染経路としては、VPN機器からの侵入、リモートデスクトップからのアクセス、メールの添付ファイルやリンクなどが挙げられます。
ランサムウェアによる被害リスクを軽減するためには、状況に合ったセキュリティ対策を講じることが大切です。
本記事では、ランサムウェアの主な感染経路、従来と最新の攻撃手法の違いについて解説します。
目次
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- ランサムウェアの主な感染経路一覧
- VPN機器からの侵入
- リモートデスクトップからのアクセス
- メールの添付ファイルやリンク
- Webサイトのブラウジング
- ソフトウェア・ファイルのダウンロード
- USBメモリやHDDの接続
- 不審なアプリケーションの実行
- ランサムウェアの攻撃手法はメールからVPN機器・ネットワークの利用に変化
- 従来のランサムウェア攻撃の特徴
- 最新のランサムウェア攻撃の特徴
- ランサムウェア感染による被害リスク
- ランサムウェア攻撃を防ぐための対策
- 脆弱性情報を収集・修正する
- 多要素認証・アクセス制限を実装する
- 社内全体での予防策の認知・共有を徹底する
- OS・ソフトウェアを最新の状態に保つ
- セキュリティ対策ソフトを導入する
- ランサムウェアの対策ならGMOサイバーセキュリティ byイエラエ
- まとめ
ランサムウェアの主な感染経路一覧
ランサムウェアの感染経路は多岐にわたり、その手法は日々進化しています。
ランサムウェアによる攻撃から身を守るためには、最新の知識を持ち、常に警戒心を持つことが重要です。
本項では、ランサムウェアの主な感染経路を解説します。
- VPN機器からの侵入
- リモートデスクトップからのアクセス
- メールの添付ファイルやリンク
- Webサイトのブラウジング
- ソフトウェア・ファイルのダウンロード
- USBメモリやHDDの接続
- 不審なアプリケーションの実行
それぞれの感染経路を詳しく見ていきましょう。
【関連記事】ランサムウェアとは?感染経路や被害例、被害防止策や感染時の対処法を徹底解説
VPN機器からの侵入
近年、セキュリティが不十分なVPN機器を経由してランサムウェアが侵入するケースが増加しています。
VPNとは、外部でも企業内と同等のネットワーク環境を構築する仕組みのことです。
VPN機器の脆弱性を突かれることで、攻撃者は容易にネットワーク内に侵入し、ランサムウェアを展開することが可能になります。
このため、VPN機器のファームウェアを常に最新の状態に保ち、適切なセキュリティ設定を行うことが必要です。
リモートデスクトップからのアクセス
リモートデスクトップからのアクセスも、ランサムウェアの感染経路の1つです。
リモートデスクトップとは、離れた場所にあるデバイスの画面を、手元のデバイスで遠隔的に操作する仕組みのことを指します。
組織が採用したリモートデスクトップにシステム不備がある場合、攻撃者はその脆弱性を狙ってサーバーに侵入してきます。
不正アクセスを防ぐためには、強固なパスワードの設定や不要なアクセスの無効化、およびアクセス制御の強化が効果的です。
メールの添付ファイルやリンク
フィッシングメールを通じてランサムウェアに感染するケースも挙げられます。
攻撃者は信頼できる組織や個人を装い、悪意のある添付ファイルやリンクを含むメールを送信します。
フィッシングメールを使った手法は従来の感染経路として広く認知されていますが、依然として送られてくるリンクやファイルには注意が必要です。
もしも不明な送信元からメールが届いた場合は、ランサムウェアを含むマルウェアの可能性を考慮し、慎重に対応を進めましょう。
Webサイトのブラウジング
悪意のあるWebサイトを訪問することで、自動的にランサムウェアがダウンロードされるリスクがあります。
この現象は、悪質なコードが埋め込まれたWebページにアクセスした際に発生します。
▼ランサムウェアの危険性があるWebサイトの特徴
- 不正なポップアップや広告が多い
- 不自然なURL構造
- 読み込み速度が異常に遅い
これらのWebサイトを利用した場合、バックグラウンドでランサムウェアがダウンロードされ、知らない間にシステム内部に侵入されるリスクがあります。
防御策としては、Webブラウザのセキュリティ設定を常に最新の状態に保ち、不審なWebサイトへのアクセスを避けることが重要です。
ソフトウェア・ファイルのダウンロード
ランサムウェアの感染経路としてよく知られているのが、不正なソフトウェアやファイルのダウンロードです。
正規ではないソースから提供されるソフトウェアやファイルは特に注意が必要で、提供者が知らないままマルウェアを含んだファイルを提供しているケースもあります。
近年では、海賊版の音楽ファイルや動画ファイルをダウンロードすることで、ランサムウェアに感染するパターンも報告されています。
感染を未然に防ぐためには、ソフトウェアをダウンロードする際には必ず提供元を確認し、信頼できるソースからのみファイルを入手することが肝要です。
USBメモリやHDDの接続
USBメモリや外付けHDDを介したデータ転送は、ランサムウェア感染の一因となり得ます。
感染したデバイスをコンピューターに接続することで、マルウェアが自動的にシステムに侵入するケースが報告されています。
このような感染を避けるためには、外部からのデバイスをPCに接続する前に、信頼できるアンチウイルスソフトでスキャンを行うことが重要です。
不審なアプリケーションの実行
不審なアプリケーションの実行はランサムウェアに感染するリスクを高めます。
特に正規のアプリケーションであるかのように偽装されたマルウェアは、ユーザーが気付かないうちにシステムに悪意のあるコードを注入します。
▼不審なアプリケーションの特徴
- 過剰なアクセス権限を要求する
- レビューや評価が異常に少ない
- 公式アプリストア外からのダウンロードを促す
- 名前やロゴが人気アプリと酷似している
このタイプの攻撃から身を守るには、未知の開発者からのアプリケーションの利用を避けるよう徹底しましょう。
ランサムウェアの攻撃手法はメールからVPN機器・ネットワークの利用に変化
初期のランサムウェア攻撃はメールを使った手法が一般的でしたが、現在はより複雑な手法に進化しています。
主にVPN機器・ネットワークを利用した手法が増えており、攻撃者はセキュリティ対策を回避する方法を見つけ出しているのです。
本項では、従来の攻撃と最新の攻撃をそれぞれ比較していきます。
従来のランサムウェア攻撃の特徴
従来のランサムウェア攻撃は、メールの添付ファイルやフィッシングリンクを通じた手法が主流でした。
この手法は、ユーザーがメールの添付ファイルを開いたり、偽のWebサイトに誘導されて情報を入力したりすることで感染が広がります。
ユーザーの不注意に依存する攻撃手法なので、比較的対策がしやすい状況だったと言えます。
また、組織内の個人をターゲットにするのも特徴で、セキュリティ対策ソフトを導入したり、従業員へのセキュリティ研修を実施したりすることで、ほとんどの感染を防ぐことが可能でした。
【従来のランサムウェア攻撃の特徴】
- メールの添付ファイルを通じた感染が一般的
- ユーザーのセキュリティ意識の低さを狙った攻撃が多い
- 比較的単純なセキュリティ対策で防げるケースがほとんど
- 感染の拡大を防ぐためには従業員の教育が効果的
最新のランサムウェア攻撃の特徴
最新のランサムウェア攻撃では、VPN機器やリモートデスクトップを標的にする手法が増えています。
これらの手法では組織のインフラを狙うことで、一度の侵入で大きな被害をもたらす可能性を高めています。
また、最近ではソフトウェアの脆弱性を利用したり、強力な総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)でパスワードを突破したりなど、攻めの攻撃手法が増えている点も特徴です。
【最新のランサムウェア攻撃の特徴】
- VPN機器やリモートアクセスツールを標的にすることが多い
- セキュリティシステムの脆弱性を悪用する手法が増加している
- 組織のインフラ自体を直接狙い、大規模な被害を引き起こすリスクがある
- 攻撃の検出と排除がより複雑で困難になっている
- 多層的なセキュリティ対策と継続的なネットワーク監視が必要
ランサムウェア感染による被害リスク
ランサムウェアに一度でも感染すると、重要ファイルの暗号化やシステム操作の妨害が発生します。
復旧には多大な時間とコストがかかり、企業の信用失墜にも繋がりかねません。
▼ランサムウェア感染による主な被害リスク
- 基幹システムの停止
- 機密情報の漏洩
- 身代金による金銭的被害
- 業務遂行能力の低下
- 顧客信頼度の損失
ランサムウェアの攻撃を受けた場合、一般的には重要なファイルの暗号化により、感染したデバイスやネットワーク上のデータにアクセスできなくなります。
また、攻撃者の指示に従ってしまった場合は甚大な金銭的被害が発生します。
これらのリスクを軽減するためには、ランサムウェア攻撃の予防と早期発見が重要です。
ランサムウェア攻撃を防ぐための対策
予防策の徹底とセキュリティ意識の向上が、ランサムウェア攻撃を防ぐ鍵となります。
本項では、ランサムウェア攻撃を防ぐための方法を5つ紹介します。
- 脆弱性情報を収集・修正する
- 多要素認証・アクセス制限を実装する
- 社内全体での予防策の認知・共有を徹底する
- OS・ソフトウェアを最新の状態に保つ
- セキュリティ対策ソフトを導入する
それぞれの対策内容を順番に見ていきましょう。感染時の対処法や駆除する手順については、以下の関連記事をご参照ください。
【関連記事】ランサムウェアの対策方法を8つ解説|感染したときの対処法も紹介
脆弱性情報を収集・修正する
システムの脆弱性を定期的にチェックし、利用可能なセキュリティパッチを速やかに適用することが重要です。
脆弱性の早期発見と対応が、ランサムウェアの感染リスクを減少させます。
セキュリティの専門機関や信頼できるベンダーからの情報を活用し、常に最新の状態に保つことが求められます。
多要素認証・アクセス制限を実装する
多要素認証の導入と厳格なアクセス制限は、不正アクセスの難易度を高めるための有効な手段です。
重要なシステムへのアクセスは限定されたユーザーにのみ許可すべきであり、これにより潜在的な脅威から保護することが可能になります。
特にリモートワークが普及する現代においては、外部からの安全なアクセスを保証するためにも、このような対策が不可欠です。
社内全体での予防策の認知・共有を徹底する
ランサムウェアのリスクと対策に関する定期的な教育と情報共有を徹底し、社内全体で対策に取り組むことが重要です。
全従業員が高いセキュリティ意識を持つことで、ランサムウェアの感染経路を塞ぐことに繋がります。
また、セキュリティポリシーの策定・共有も効果的な予防策となります。
OS・ソフトウェアを最新の状態に保つ
OSや使用するソフトウェアは常に最新バージョンを維持すべきです。
アップデートにより脆弱性を早急に修正することは、セキュリティの弱点を攻撃者に悪用されるリスクを減らすことに寄与します。
自動更新機能を有効にし、セキュリティパッチがリリースされ次第、速やかに適用するよう徹底しましょう。
この習慣は、ランサムウェアの感染予防に不可欠な対策の1つと言えます。
セキュリティ対策ソフトを導入する
信頼できるセキュリティ対策ソフトを導入し、リアルタイムでの監視と定期的なスキャンを行うことで、マルウェアの検出と除去を自動化します。
特に、ランサムウェアを含むマルウェアの対策に強いサービスを選択することが望ましいです。また、対策ソフトも定期的に更新し、最新の脅威に対応できるようにする必要があります。
対策ソフトを選ぶ際は、実際に使用したユーザーの評価を確認し、信頼性の高いベンダーを選択するようにしましょう。
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画像引用元:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ
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強固なセキュリティ環境を構築したい方は、本サービスの利用を検討してみてください。
まとめ
本記事では、ランサムウェアの主な感染経路、従来と最新の攻撃手法の違いについて解説しました。ランサムウェアの主な感染経路は以下の通りです。
- VPN機器からの侵入
- リモートデスクトップからのアクセス
- メールの添付ファイルやリンク
- Webサイトのブラウジング
- ソフトウェア・ファイルのダウンロード
- USBメモリやHDDの接続
- 不審なアプリケーションの実行
ランサムウェアの感染を防ぐためには、感染経路をあらかじめ把握した上で、状況に合った対策を講じる必要があります。
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文責:GMOインターネットグループ株式会社