「バックドアとは何のこと?具体的な対策を知りたい」という疑問や悩みはありませんか?そもそもバックドアとは、コンピュータのソフトウェアやハードウェア内に潜む、不正に侵入するための経路のことです。
悪意のある第三者によって設置される場合もあれば、開発段階で自ら設置するケースもあります。この状態を放置すると、マルウェアの設置や情報盗難など、さまざまなリスクが伴うため注意が必要です。
そこで今回は、バックドアを設置する手口、具体的なリスクとその対策方法を解説します。
目次
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バックドアとは
バックドアとは、コンピュータのソフトウェアやハードウェア内に潜む、不正に侵入するための経路のことです。これは、正規の手段を避けてシステムやデータへのアクセスを可能にする隠されたルートとして存在します。
多くの場合、バックドアは悪意のある攻撃者によって意図的に設置されるものですが、場合によっては開発中のミスや監視の不備から生じることもあります。
バックドアが生じると第三者が簡単にアクセスできるようになり、サイバー攻撃によるリスクが高まるため、「バックドアがある=危険な状態」ということを覚えておきましょう。
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バックドアにより被害が出る仕組み
バックドアがシステム内に設置されると、通常のセキュリティチェックを回避して不正アクセスが可能となります。この隠された経路により、攻撃者はいつでも自由に侵入できるため、悪意のあるプログラムに感染させたり、機密情報を盗み出したりすることが容易に行えます。
バックドアがあるとサイバー攻撃を受けるリスクが高まりますが、設置されているだけで被害が拡大するわけではありません。システムの脆弱性などにより、偶発的にバックドアが発生することもあるため、攻撃者に発見されなければ被害は拡大しないのです。
ただし、一度バックドアが使用されると、それを特定し除去することは困難です。長期間にわたりシステムの安全性が脅かされることになるため、できるだけ早めに対処することがポイントとなります。
バックドアを設置する代表的な手口
バックドアを設置する手口は多岐にわたります。本項では、主な手口として以下の3つを紹介します。
- メールやWebサイトを経由する
- Webサイトの脆弱性を突く
- 開発段階で仕込む
それぞれの手口を順番に見ていきましょう。
メールやWebサイトを経由する
メールやWebサイトは、バックドアの設置に使われる一般的な手口です。メールに添付された不審なファイルを開くことで、デバイスがマルウェアに感染し、バックドアが設置されるという仕組みです。
また、Webサイトに設置したトロイの木馬をダウンロードさせる手口もあります。このような手口を「ドライブ・バイ・ダウンロード」と言い、知らない間にバックドアが設置される可能性もあるため注意が必要です。
Webサイトの脆弱性を突く
Webサイトの脆弱性を利用する攻撃も増加しています。パッチが当たっていないWebサイトなどをターゲットにし、セキュリティ性の弱い部分を狙ってバックドアを仕込みます。
▼Webサイトの脆弱性を狙ったサイバー攻撃
- SQLインジェクション
- OSコマンドインジェクション
- クロスサイトスクリプティング
- クロスサイトリクエストフォージェリ
- ゼロデイ攻撃
セキュリティソフトなどを適用していないWebサイトなどは、脆弱性が発生し、被害を受けやすいため注意が必要です。
開発段階で仕込む
3つ目は、開発段階でバックドアを自ら仕込むケースです。プログラムの開発時、もしくはメンテナンス時にバックドアを設置し、ローンチに向けてテストを行う場合があります。
テスト終了後にバックドアを除去せずにローンチしてしまうケースもあり、その場合、攻撃者に発見されると被害が拡大してしまいます。また、すでにバックドアが設置されているソフトウェアを使い、被害を受けるパターンもあるため注意しましょう。これは、オープンソースのソフトウェアなどで起こります。
バックドアによるリスク・具体被害例
悪意のある攻撃者にバックドアを設置されると、そのままシステム内部に侵入され、サイバー攻撃を受けてしまいます。バックドアによる被害は、システムのセキュリティとプライバシーを深刻に脅かします。
▼バックドアによる主なリスク
- 情報の漏えい:顧客情報や機密データが外部に流出する
- データの改ざん:取引情報やデータベースの内容が変更される
- 攻撃の踏み台:侵入されたシステムが他の攻撃対象への中継地点として使用される
- 操作記録の盗難:ユーザーの操作履歴や入力情報が盗難される
- 通信のハッキング:通信内容を傍受され、ビジネスの情報や戦略が漏洩する
バックドアによる被害事例
バックドアによる被害事例は複数件発見されています。中でも有名な被害事例として、以下3つの内容をそれぞれ紹介します。
日本の暗号資産取引所
2023年6月26日(米国時間)、日本の暗号資産取引所がサイバー攻撃を受けたと公表されました。取引所の名称は明らかにされていませんが、「JokerSpy」と呼ばれるmacOSのバックドアがこの攻撃に使用されたと確認されています。
「JokerSpy」は、macOSを侵害するために設計されたツールです。この攻撃は、日本の主要な暗号資産サービスプロバイダーを標的にしたとされており、ビットコインやイーサリアムなどの取引に関連したものだと見られています。
Linuxディストリビューション
Linuxディストリビューション「Linux Mint」は2016年2月21日、バックドアによるハッキング被害を受けていたことを発表しました。それによると、Webサイトをハッキングされてプロジェクトの改ざん版をダウンロードされていたとのことです。
さらに20日にもデータベースが攻撃され、ユーザー情報が流出した可能性があることも判明しています。アカウントを開設しているユーザーに対しては、できるだけ早くパスワードを変更するよう呼びかけました。
パソコン遠隔操作事件
2012年、国内の複数のパソコンから掲示板へ犯罪予告の書き込みが行われました。この書き込みにより、4人の誤認逮捕が発生しています。
本当の犯人は最低でも5人にトロイの木馬を感染させ、パソコンにバックドアを設置したとのことです。その後、デバイスを遠隔操作して4人に無実の罪を着せています。
バックドアの効果的な対策方法
バックドアによる被害を防ぐためには、以下4つの対策が効果的です。対策を徹底することで、企業の機密情報やシステムの防衛に繋がります。
- トラブルに対するマニュアルを作成する
- OS・ソフトウェアを最新の状態に保つ
- 社内のセキュリティ意識を高める
- セキュリティソフトを導入する
各対策を一つずつ見ていきましょう。
トラブルに対するマニュアルを作成する
バックドアの検知や対処方法に関するマニュアルを作成し、社内の従業員に共有する対策方法が有効です。事前に潜在的なリスクや対処法を共有しておくことで、実際にトラブルが起きた場合に、迅速かつ適切に対応できるようになります。
▼マニュアルに記載すべき主な項目
- 不審な通信の確認方法
- システムの異常動作時の初動対応
- 専門家やセキュリティチームへの報告手順
具体的な手順やチェックリストを作成しておけば、従業員一人ひとりの対応が的確になり、社内全体のセキュリティ対策が高まります。マニュアルはできるだけ詳細に作成しましょう。
OS・ソフトウェアを最新の状態に保つ
OSやソフトウェアを最新の状態に保つことも大切です。定期的にソフトウェアのアップデートを行い、セキュリティパッチを適用させることで、新たな脆弱性の修正が完了します。
新たな脅威を予防できるとともに、既知の脆弱性に対するリスクが低減します。特に重要なシステムやデータを取り扱う企業の場合は、自動アップデートを適用させ、常に最新の状態を保つようにしましょう。
社内のセキュリティ意識を高める
社内のセキュリティ意識を高めることで、バックドアの存在に気付きやすくなり、迅速に対処できるようになります。社内のセキュリティ意識を高めるためには、セキュリティポリシーの教育が不可欠です。
全従業員を対象にしたセキュリティ基礎教育や基本知識の共有などを行い、「なぜサイバー攻撃による被害に遭うのか」「バックドアを対策するにはどうすればいいのか」といった内容を理解してもらいましょう。
セキュリティソフトを導入する
セキュリティソフトの導入は、企業のシステムやネットワークを保護する上で非常に重要です。これにより、リアルタイムでのシステム監視が可能となり、潜在的な脅威を早期に検知できるようになります。
セキュリティソフトを導入する際は、必ず自社の環境や業務内容に合わせたソフトウェアを選択しましょう。より強固なセキュリティ環境を構築したいなら、信頼性の高いセキュリティソフトが推奨されます。
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画像引用元:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ
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まとめ
本記事では、バックドアを設置する手口、具体的なリスクと対策方法について解説しました。
バックドアはメールやWebサイトを経由する、Webサイトの脆弱性を突くなど、複数の手口によって設置されます。もしくはWebサイトの開発段階で、自ら設置するパターンもあるでしょう。
いずれにしても、バックドアがある状態は非常に危険なので、発見したらすぐに対処することが大切です。また、悪意のある攻撃者によってバックドアを設置させないためにも、事前に対策を万全にしておきましょう。
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文責:GMOインターネットグループ株式会社