ネットワーク上のサービスを運営・利用する際は、マルウェアの脅威が常に存在します。そのため、マルウェア感染の脅威であるデータが盗まれる、システムが停止する、信頼を失うといった不安に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
しかし、マルウェアの感染は原因や状況を正確に把握し、適切に対処すれば安全に対策することができます。
この記事では、マルウェア感染が疑われるシーンや効果的な対処法、日頃から行うべき対策を詳しく解説します。端末やネットワークを常に安全な状態に保ちたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
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マルウェア感染が疑われるシーン
マルウェア感染に素早く気付くことで、被害を最小限に抑えられます。
マルウェアに感染したときの症状には、いくつか兆候があります。以下のような症状が現れた場合、マルウェア感染を疑い速やかに対処しましょう。
▼マルウェア感染が疑われる主なシーン
- PC、スマートフォンのパフォーマンスが通常より遅い
- ウイルス対策ソフトが予期せず停止する
- ファイル、フォルダが意図せず移動、削除される
- トラフィックが通常より多い
- 意図せず特定のWebサイトへの遷移が確認された
- 怪しいポップアップ広告が度々現れる
- 不審なファイルが勝手にダウンロードされた
マルウェアの種類や症状をより詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
マルウェア感染後にやるべきこと
不運にもマルウェアに感染してしまった場合、もしくは感染が疑われる場合は、慌てず冷静に対処することが大切です。以下に、推奨される対策を2つ紹介します。
- ネットワークを切断する
- セキュリティ部門の担当者に報告する
安全を迅速に確保するため、まずはこの2点の実施をご検討ください。
ネットワークを切断する
最初に行うべきは、感染が疑われる端末のインターネットの切断です。マルウェアはネットワークを介し、ほかの端末に感染する可能性があります。
不正なアクセスが行われるリスクもあるため、インターネットの切断は極めて効果的です。被害の拡大を防ぐ具体的な方法は以下の通りです。
▼ネットワークの切断方法
- 有線LAN経由で接続している場合は端末からLANケーブルを抜く
- 無線LAN経由で接続している場合は端末側のWi-Fiをオフにする
緊急の場合は、Wi-Fiルーターやモデムの電源を切ることも選択肢に入ります。すぐにネットワークを切断することで、マルウェアの被害を最小限に抑えられます。
セキュリティ部門の担当者に報告する
ネットワークを切断できないビジネスシーンでは、セキュリティ部門の担当者や上長に感染疑惑を報告しましょう。
報告しても解決しない場合は、外部業者に依頼して被害の拡大防止に努めてください。
プライベートでマルウェア感染が疑われた場合は、同居している家族やネットワークに詳しい友人に相談しましょう。
企業・家庭を問わず、同じネットワークを利用している人がいる状況であれば、ほかの利用者の端末にマルウェアが感染してもおかしくありません。
すぐに感染状況を伝達し、マルウェアの感染拡大を食い止めることが重要です。
「情報セキュリティ安心相談窓口」に連絡するという手も
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は情報セキュリティの相談先として、「情報セキュリティ安心相談窓口」を設けています。マルウェアやウイルス感染について、電話やメールで相談可能です。
マルウェアを駆除する4つの方法
マルウェアの感染が確認された場合、被害を拡大させないために早急に駆除する必要があります。具体的な方法として、以下の4つを紹介します。
- セキュリティツールでの検出と認識
- セキュリティツールでの自動削除
- 感染ファイルの駆除または隔離
- PCを初期化する
実施すべき順番で対処法を解説します。現在置かれている状況を加味し、①から順番に実施を検討してください。
①セキュリティツールでの検出と認識
マルウェア駆除の第一歩は、感染箇所の特定です。セキュリティツールを利用し、感染した端末全体をスキャンします。
フルスキャンはマルウェアの存在とその位置を特定する重要な作業で、これにより感染状況を正確に把握し、適切な対策を立てることが可能になります。
フルスキャンには時間がかかる場合もありますが、十分な時間をかけ、まずはマルウェアの検出と認識に注力しましょう。
②セキュリティツールでの自動削除
次に、セキュリティツールによるマルウェアの自動削除を行います。セキュリティツールによってはマルウェア検出後、自動的に駆除してくれます。
これにより、専門知識がなくても安全にマルウェアを取り除くことが可能です。ただし、全てのマルウェアが自動削除の対象となるわけではなく、中には手動で対応が必要な種類も存在します。
スキャン終了後、どのようなマルウェアが検出され、自動的に削除されたのかどうか確認することが重要です。
③感染ファイルの駆除または隔離
自動削除されなかったマルウェアに対しては、感染ファイルの駆除または隔離が有効策となります。これは、セキュリティツールでマルウェア感染を検出したあと、手動でどちらかを選択します。
▼「駆除」と「隔離」の処理内容の違い
- 駆除:ファイルからマルウェアの感染部分を取り除き、元の正常なファイルに戻す処理
- 隔離:マルウェアに感染したファイルを実行不可能なフォルダに移動する処理
実行不可能なフォルダ(隔離エリア)はシステムのほかの部分と切り離されており、マルウェアの拡散を防ぐ役割を果たします。
しかし、隔離しただけではマルウェアの脅威は完全に取り除かれておらず、操作や管理を誤ると感染が拡大する可能性があります。
隔離したファイルは慎重に扱い、専門知識を持つ人が安全に対処するのが望ましいです。
④PCを初期化する
セキュリティツールでマルウェアを完全に駆除できなかった場合、端末の初期化を検討する必要があります。
初期化とは、端末の設定を出荷時の状態に戻す作業のことで、これによりインストールされていたマルウェアが削除されます。
【要注意】端末の初期化は最終手段
端末を初期化すると保存されていたデータが全て失われます。あくまで最終手段として実施を検討しましょう。
個人データやビジネスデータが失われることは、大きな被害を引き起こす可能性があるため、日頃からバックアップを取っておくことが大切です。
どうしても失いたくないデータがある場合は、マルウェア対策を行う専門企業に相談しましょう。
日頃から行えるマルウェア対策
マルウェアの感染対策は、全体的なセキュリティの一環として日々の生活や業務の中で実施すべき内容です。
ここでは、日頃から企業の社員が徹底すべきマルウェア対策を紹介します。
社内でマルウェアの知識を共有する
全社的にマルウェアの感染経路を共有し、日頃から予防を徹底することが大切です。これには、社員の教育と情報共有が重要となります。
例えば、定期的にセキュリティの体験型講座やセミナーを開催し、社員全員がマルウェアの最新情報を把握できるようにするなどが有効です。
また、感染したときの正しい対処法を共有しておくことで、実際に問題が発生したときに素早く対応可能になります。
セキュリティ部門の担当者を中心に、最新のマルウェアの種類や手法をキャッチアップし、常に社内で知識を共有しておきましょう。
最新版のOS・アプリケーションを利用する
OSやアプリケーションは新しいバージョンにアップデートすることで、これまでの脆弱性が改善される傾向にあります。
したがって、常に最新のOSとアプリケーションを使用することは、マルウェア感染から身を守る効果的な対策になり得ます。
▼OSやアプリケーションのアップデート例(2023年5月時点)
- AndroidスマートフォンのOSを最新の「Android™ 13」にする
- iPhoneのOSを最新の「iOS 16.5」にする
- 各種アプリケーションに自動更新機能を採用する
定期的なアップデートで最新性を保つことで、セキュリティの穴を縮小し、マルウェアの侵入経路を断ち切ることが可能です。
ビジネス規模に応じたセキュリティツールの導入
ビジネスの規模や要件に応じて、マルウェア対策が可能なセキュリティツールを導入しましょう。中小企業でも、信頼できるセキュリティツールを適切に活用すれば、大企業並みの強固なセキュリティを実現できます。
なお、セキュリティツールを導入する際は、信頼性の高い製品・サービスが推奨されます。ニッチなセキュリティツールは安価で導入できますが、十分なマルウェア対策として機能しないことがあるためです。
サービスによってカバーできる範囲が異なるので、自社のビジネス規模と要件に合ったものを選定しましょう。
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画像引用元:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ
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まとめ
この記事では、マルウェア感染が疑われるシーン、感染時の対処法や事前対策について徹底解説しました。
マルウェア感染は脅威的で、日常やビジネスシーンのあらゆる場面に潜んでいます。感染による被害を広げないためには、日頃から効果的な対策を講じておくことが大切です。
しかし、マルウェア感染に対する専門知識がない場合、自社で有効的な対策を講じるのは極めて困難です。
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文責:GMOインターネットグループ株式会社