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CISOとは?CIOとの違いや主な役割、求められるスキルを解説

「企業にCISOは必要?求められるスキルや役割を知りたい」という疑問がある方もいるのではないでしょうか。

CISOは最高情報セキュリティ責任者を指す略称で、組織の情報セキュリティを統括する重要な役割を担います。

サイバー脅威が高度化・複雑化する中、CISOの存在は企業にとって欠かせないものとなっています。しかし、CISOを設置するだけでは十分なセキュリティ対策とはいえません。

この記事では、CISOの役割やスキル、設置のメリット、併せて必要なセキュリティ対策について解説します。

目次

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  1. CISOとは
  2. CIOとの違い
  3. CISOの重要性
  4. CISOの設置状況
  5. CISOの役割
  6. 情報セキュリティポリシーの策定
  7. 情報セキュリティ戦略の実行
  8. インシデント対応
  9. CISOに求められるスキル
  10. 情報セキュリティ全般の知識・技術
  11. 基本的なビジネススキル
  12. コミュニケーションスキル
  13. リーダーシップや意志決定力
  14. CISOを設置しないことのリスク
  15. CISOの設置とセキュリティ対策でより高度な環境へ
  16. セキュリティ対策の徹底ならGMOサイバーセキュリティ byイエラエ
  17. まとめ

CISOとは

CISOとは、「Chief Information Security Officer」の略称で、企業における最高情報セキュリティ責任者のことです。

企業の情報セキュリティ戦略を立案し、セキュリティポリシーの策定と実施を統括する役割を担っています。

CISOは情報セキュリティに関する専門知識と経験を持ち、技術面だけでなく、法律やコンプライアンスの知見も必要とされます。

また、経営層との連携や社内の各部門との調整力も求められる役割です。

サイバー攻撃や情報漏洩などのリスクから組織を守るために、重要な責務を負うポジションといえるでしょう。

CIOとの違い

CIOは「Chief Information Officer」の略称で、ネットワークインフラの設計を監督する役割を担っています。

情報システムの構築や運用、IT投資の最適化などを統括するのがCIOの責務です。

CIOは企業の情報化戦略や業務効率化を進めることを主な目的とするのに対し、CISOはIT技術を利用する上でのセキュリティ面に特化した役割を担います。

従来はCIOがセキュリティ全般の責任者を担当していましたが、サイバー攻撃やセキュリティリスクの脅威が高まっている今、CIOとは別にCISOを設置する企業が増えているのです。

ただし、別々の役割としてCIOとCISOが設置されたとしても、双方は密接に連携することが求められます。

両者が連携してセキュリティインフラを統合することで、安全性の高いシステム設計を実現できます。

CISOの重要性

CISOは企業のセキュリティを統括する重要な役割であり、セキュリティ戦略の立案と実行において中核的な存在といえます。

特に現代では、IT化やテレワーク化の影響でサイバー攻撃の脅威が年々増しています。

例えば、ランサムウェアや標的型攻撃、ゼロデイ攻撃の被害を受ける企業が増加傾向にあり、その被害規模は深刻です。

そんな状況の中、組織の情報資産を守るために欠かせない存在であるCISOの重要性が高まっています。

CISOは脆弱性の特定やリスク評価、セキュリティポリシーの策定など、多岐にわたる業務を担当します。

また、セキュリティ意識の向上に向けた社内教育も役割の1つです。CISOは技術的な対策だけでなく、人的な側面からもセキュリティの強化を図ります。

CISOの設置状況

サイバー攻撃が高度化する背景もあり、CISOを設置する企業が世界的に増加傾向にあります。

2022年7月から9月にかけて、日本、アメリカ、オーストラリアの2,877社を対象に調査を行ったレポート「NRI Secure Insight 2022」によると、アメリカやオーストラリアでは96%を超える企業がCISOを設置しています。

一方で、日本はその割合が全体の39.4%に留まっています。アメリカやオーストラリアと比べると、日本におけるCISOの設置率は大幅に低いことがわかりました。

国内企業がCISOを設置できない理由としては、セキュリティ人材の不足が挙げられます。

同調査では、国内企業におけるセキュリティ人材の充足状況について、「どちらかといえば不足している」と「不足している」を合計した回答割合は89.8%となりました。

ここ10年で大きな改善が見られていない現状を踏まえると、国内企業におけるCISOの設置状況は非常に深刻だといえるでしょう。

なお、セキュリティ人材が不足している原因やその対策については、以下の記事をご確認ください。

【関連記事】セキュリティ人材とは?人材不足の原因や育成方法を詳しく解説

CISOの役割

CISOは情報セキュリティの保護を最前線で担い、組織全体の安全を確保する責任者です。

具体的には、リスク管理やポリシー策定、インシデント対応など幅広い業務を行います。ここでは、CISOにおける役割の詳細について1つずつ解説していきます。

情報セキュリティポリシーの策定

CISOの重要な役割の1つが、組織のセキュリティポリシーの策定と実施指針の設定です。

ポリシーは組織のセキュリティ基準と行動規範の基盤となるものなので、組織の事業特性やリスク評価に基づいて、適切なポリシーを作成する必要があります。

また、ポリシーの運用状況の定期的なモニタリングと、必要に応じた改訂も欠かせません。

ポリシーの策定と運用を通じて、組織全体のセキュリティ意識の向上を図るのがCISOの仕事です。

情報セキュリティポリシーの詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご確認ください。

【関連記事】情報セキュリティポリシーとは?策定する目的・メリット、運用方法を解説

情報セキュリティ戦略の実行

戦略的なセキュリティ計画を立案し、それを組織全体へ展開するのもCISOの役割です。

技術的な実装だけでなく、ビジネスの目標とも連携させることが求められます。

例えば、業務とシステム・データの関連性やコンプライアンス対応状況を把握し、その上で優先順位の高い課題から対策を講じるなどの工夫が必要です。

自社のニーズに合ったセキュリティ戦略を実行することで、組織の競争力強化にも影響を与えます。

インシデント対応

CISOは、セキュリティインシデント発生時の迅速な対応や指揮も担当します。

トラブル後のダメージコントロールと原因分析を行うことで、被害の拡大を防ぎ、再発防止にも繋がります。

インシデント対応を正確かつ迅速に行うためには、インシデントレスポンス体制の整備や、定期的な訓練の実施が欠かせません。

また、インシデント発生時には、株主や経営層などステークホルダーへの適切な情報開示も重要な役割となります。セキュリティインシデントの詳細は以下の記事で解説しています。

【関連記事】セキュリティインシデントとは|主な種類や最新事例・企業がとるべき対策

CISOに求められるスキル

CISOには広範な情報セキュリティ知識と共に、経営者としての能力も必要とされます。

必要なスキルセットは多岐にわたりますが、いずれも組織の情報セキュリティの維持と向上に欠かせない要素ばかりです。以下、CISOに求められるスキルを4つ紹介します。

情報セキュリティ全般の知識・技術

情報セキュリティの全般的な知識と技術は、CISOの根幹をなすスキルです。

常に変化し続けるサイバー脅威の動向を把握し、適切な対策を講じる必要があります。

▼CISOに求められるセキュリティの知識・技術

  • ネットワークセキュリティ
  • データ保護
  • アクセス管理
  • サイバー攻撃
  • 脆弱性

また、セキュリティ関連の法規制やコンプライアンスについても熟知しておくことが重要です。

CISOには、継続的な学習と技術のアップデートが欠かせません。

基本的なビジネススキル

基本的なビジネススキルは、CISOにとってセキュリティの知識・技術と同様に重要な要素です。

セキュリティインシデントが発生した際には、その対応や指揮を迅速に進める必要があるため、応用力や実行力などのソフトスキルが求められます。

また、限られたリソースの中で、最大限の効果を発揮するセキュリティ投資の実現も求められることから、予算管理やリソース割り当ての能力も不可欠です。

コミュニケーションスキル

優れたコミュニケーション能力は、CISOの成功を左右する重要なスキルの1つです。

セキュリティの重要性を他の従業員に理解させ、協力を得るための説得力が不可欠です。

また、経営層やビジネス部門とのコミュニケーションを通じて、セキュリティ戦略への理解と支持を獲得すれば、より強固なセキュリティ環境を構築しやすくなります。

関係者との適切なコミュニケーションを日常的に取っておくことが重要です。

リーダーシップや意志決定力

CISOの役割を全うする上では、強力なリーダーシップと意志決定力が鍵となります。

多様な専門性を持つメンバーをまとめ、一丸となってセキュリティ目標を達成するためのリーダーシップが求められるためです。

また、緊急時の迅速かつ効果的な意志決定も重要な役割となります。CISOの強いリーダーシップと高い意思決定力が、組織のセキュリティ体制を支えるのです。

CISOを設置しないことのリスク

CISOを設置しないことは、組織のセキュリティ体制に重大なリスクをもたらします。

経営層とのセキュリティに対する認識のギャップが生じやすくなり、組織全体のセキュリティレベルの低下に繋がりかねません。

▼CISOを設置しない主なリスク

  • 全体的なセキュリティ戦略の欠如
  • インシデント発生時の対応遅延
  • コンプライアンス違反の増加
  • 技術的脅威への対応不足
  • 企業評価の低下と信頼性喪失

CISOがいない組織では、包括的なセキュリティ戦略の策定と実行が難しくなります。

また、セキュリティインシデント発生時の対応が遅れがちになり、被害が拡大するリスクが高まるでしょう。

特に規模が大きい企業にとっては、効果的なセキュリティ環境を構築するためにCISOは不可欠な存在といえます。

CISOの設置とセキュリティ対策でより高度な環境へ

CISOの設置だけでは十分なセキュリティ対策とはいえません。より高度なセキュリティ環境を構築したいなら、基本的なセキュリティ対策も併用すべきです。

CISOのリーダーシップのもと、多層的なセキュリティ対策を実装することが重要となります。

具体的なセキュリティ対策としては、以下のようなものが挙げられます。

▼CISOの設置と併用すべきセキュリティ対策

  • 従業員教育とセキュリティ意識の向上
  • ネットワークセグメンテーションとアクセス制御
  • エンドポイント保護とマルウェア対策
  • 暗号化とデータ保護
  • 脆弱性管理とパッチ適用

これらの基本的なセキュリティ対策をCISOの戦略的な取り組みと併用することで、より強固なセキュリティ環境を実現できるでしょう。

企業が行うべきセキュリティ対策の詳細については、以下の記事をご確認ください。

【関連記事】企業が取り組むべきセキュリティ対策とは?重要性や対策内容を解説

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GMOサイバーセキュリティ byイエラエ

画像引用元:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ

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【関連記事】SOCとは?主な業務内容や運用形態、構築する際のポイントを徹底解説

まとめ

この記事では、CISOの役割やスキル、設置のメリット、併せて必要なセキュリティ対策について解説しました。

CISOは組織の情報セキュリティを統括する重要な存在であり、その設置は企業のセキュリティ体制強化に欠かせません。

ただし、CISOの設置だけでは不十分で、基本的なセキュリティ対策の併用も求められます。

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