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PSIRT(ピーサート)とは?主な役割や活動内容、構築前に必要なこと

「PSIRT(ピーサート)とは何か?主な役割や活動内容を知りたい」という疑問がある方もいるのではないでしょうか。

PSIRTとは、製品やサービスのセキュリティに特化した専門チームのことです。

PSIRTの構築により、脆弱性の早期発見と対応が可能となり、製品やサービスのセキュリティ品質が大幅に向上します。

しかし、その構築には専門知識と経験が必要なため、多くの企業にとっては難易度の高い取り組みといえるでしょう。

この記事では、PSIRTの役割や活動内容、構築前に必要なことについて解説します。

目次

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  1. PSIRT(ピーサート)とは
  2. CSIRTとの違い
  3. SOCとの違い
  4. PSIRTの構築が求められる理由
  5. PSIRTの役割と活動内容
  6. 脆弱性に関する情報収集
  7. 製品やサービスのセキュリティ強化
  8. インシデント発生時の対応
  9. ステークホルダーとの連携
  10. PSIRTを構築する前に必要なこと
  11. 運用方針を明確化する
  12. 脆弱性の管理体制を整える
  13. 従業員向けのセキュリティ教育を行う
  14. 製品開発のプロセスを見直す
  15. 信頼性の高いベンダーに支援を依頼する
  16. PSIRT構築支援ならGMOサイバーセキュリティ byイエラエ
  17. まとめ

PSIRT(ピーサート)とは

PSIRT(Product Security Incident Response Team)とは、製品やサービスのセキュリティに特化した専門チームのことです。

主に脆弱性の管理や対応、製品のセキュリティ強化、インシデント発生時の迅速な対応などを担当します。

PSIRTの役割は、製品やサービスの企画から開発、販売までを通じて、高いセキュリティ環境を確保することにあります。

たとえセキュリティ対策を万全に講じていたとしても、予期せぬトラブルによってセキュリティインシデントは起こり得るため、PSIRTによる被害の最小化が注目されているのです。

ただし、PSIRTの導入は、一般的に専門知識と経験が必要となるため、多くの企業にとっては難しい取り組みといえるでしょう。

CSIRTとの違い

PSIRTとCSIRT(Computer Security Incident Response Team)は、どちらもセキュリティインシデントに対応するチームですが、その焦点が異なります。

CSIRTの目的は、組織全体の情報システムやネットワークのセキュリティを守ることです。

主に内部システムやネットワークの監視、セキュリティポリシーの策定、インシデント対応などを担当します。

一方で、PSIRTは自社が提供する製品やサービスのセキュリティに限定しています。

つまり、CSIRTは組織全体の情報セキュリティを守っているのに対し、PSIRTは製品やサービスのセキュリティに特化しているのです。

CSIRTの役割や種類、導入時のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】CSIRTとは?主な役割や種類、導入時の重要ポイントを徹底解説

SOCとの違い

PSIRTとSOC(Security Operation Center)は、どちらもセキュリティに関わる組織ではあるものの、それぞれで役割が大きく異なります。

SOCとは、組織のセキュリティ監視や脅威の検知、初期対応を24時間体制で行う運用センター、または専門チームのことです。主に以下のような業務を担当します。

▼SOCの主な業務内容

  • アラート監視
  • 分析・調査
  • インシデント管理・定期報告
  • 監視体制維持・SIEMの機能維持管理

SOCは主に組織全体のセキュリティ監視を担当し、セキュリティインシデント発生前に対応を行うのに対し、PSIRTは製品やサービスのセキュリティに対して総合的にフォローします。

SOCの運用形態や種類、サービスの選び方については、以下の記事をご確認ください。

【関連記事】SOC(Security Operation Center)とは?主な業務内容や運用形態、構築する際のポイントを徹底解説

PSIRTの構築が求められる理由

PSIRTの構築が求められている主な理由としては、IoT機器が急速に普及したこと、そしてIoT機器を狙うサイバー攻撃が増加していることが挙げられます。

IoT機器は、インターネットを活用して高い利便性をもたらしますが、一方で悪意のある攻撃者によって利用されることもあります。

PSIRTを構築することで、脆弱性の早期発見や迅速な対応が可能となり、サービスや製品のセキュリティ品質の向上が図れるのです。

また、セキュリティインシデント発生時の被害を最小限に抑え、企業の評判を守ることにも繋がります。

PSIRTを構築しない場合のセキュリティリスクは以下の通りです。

▼PSIRTを構築しないセキュリティリスク

  • 脆弱性の見落としによる製品セキュリティの低下
  • インシデント発生時の対応遅延と被害拡大
  • セキュリティパッチの開発・配布の遅れ
  • 顧客からの信頼喪失と評判の低下
  • ステークホルダーとの連携不備

これらのリスクを回避し、製品やサービスの安全性を確保するためにも、PSIRTの構築は非常に重要といえるでしょう。

【関連記事】セキュリティインシデントとは|主な種類や最新事例・企業がとるべき対策

PSIRTの役割と活動内容

PSIRTは、製品やサービスのセキュリティを確保するために多岐にわたる役割を担っています。以下、主な役割と活動内容について紹介します。

脆弱性に関する情報収集

PSIRTの重要な役割の1つが、脆弱性に関する情報の収集と分析です。

PSIRTは、セキュリティ担当者や公的機関からの報告、オープンソースの脆弱性データベースなど、さまざまな情報源を活用します。

収集した情報を分析し、自社製品への影響を迅速に評価することで、セキュリティインシデントなどの早期対応が可能となるのです。

なお、脆弱性について詳しく知りたい方は以下の記事をご確認ください。

【関連記事】脆弱性とは?発生する原因やセキュリティリスクへの対策方法を解説

製品やサービスのセキュリティ強化

PSIRTは、製品やサービスのセキュリティを継続的に強化する役割も担っています。

具体的には、脆弱性評価やペネトレーションテストを実施し、製品やサービスの潜在的な弱点を特定します。

また、セキュリティ設計のレビューや、開発チームへのセキュリティガイドラインの提供を行うこともあるでしょう。

これらの活動により、製品のライフサイクル全体を通じてセキュリティを向上させ、顧客の信頼を獲得できます。

インシデント発生時の対応

セキュリティインシデントが発生した際、PSIRTは迅速かつ効果的な対応を行います。インシデント発生時の主な対応は以下の通りです。

▼インシデント発生時の主な対応

  • 影響範囲の特定
  • 原因分析
  • 修正パッチの開発・配布
  • 顧客や関係機関への情報開示
  • セキュリティ対策の立案

PSIRTの迅速な対応により、インシデント被害の拡大を防ぎ、企業の評判を守ることができます。

ステークホルダーとの連携

PSIRTは、社内外のさまざまなステークホルダーとの連携を図る重要な役割も果たします。

製品やサービスのセキュリティレベルを高く保つためには、ステークホルダーとのスムーズな連携が求められます。

開発チーム、法務部門、広報部門など、社内の関連部署との協力体制を構築することが不可欠です。

多角的に連携することで、効果的な情報共有と迅速な意思決定が可能となり、セキュリティ対応の質が大幅に向上します。

また、PSIRTは自社内だけでなく、サービスの利用者やサプライチェーンとの連携を担当することもあります。

PSIRTを構築する前に必要なこと

PSIRTの構築は、企業のセキュリティ体制を強化する上で重要な取り組みです。

しかし、効果的なPSIRTを構築するためには、いくつかの準備が必要となります。ここでは、その具体的な内容について見ていきましょう。

運用方針を明確化する

PSIRTの運用方針を明確に定めることは、効果的な活動の基盤となります。

組織の目標、責任範囲、権限、報告ラインなどを明文化し、関係者間で共有することが重要です。

例えば、24時間以内の初期対応、月1回のセキュリティレビュー実施など、具体的な目標を設定します。

これにより、PSIRTの役割が組織内で明確になり、スムーズな活動が可能となるでしょう。

脆弱性の管理体制を整える

PSIRTを構築する前に、脆弱性の管理体制を整えることをおすすめします。

脆弱性の発見から対応までのプロセスを明確化し、管理ツールの導入も検討することで、脆弱性情報の一元管理と迅速な対応が可能となります。

脆弱性はあらゆるシステムに潜んでいる可能性があるため、管理体制を適切に整えることが長期的に重要です。

従業員向けのセキュリティ教育を行う

PSIRTの活動を支える基盤として、全従業員のセキュリティ意識向上が不可欠です。

全社的にセキュリティレベルを上げるためにも、定期的なセキュリティ研修や、eラーニングの実施を検討しましょう。

従業員のセキュリティ意識が向上すれば、セキュリティインシデントの早期発見や、適切な初期対応が可能となります。

PSIRTに依存しない高度なセキュリティ環境を構築できるでしょう。

製品開発のプロセスを見直す

セキュリティを考慮した製品開発プロセスの確立は、PSIRTの活動を左右する重要な要素です。

設計段階からセキュリティ要件を組み込み、定期的なセキュリティレビューを実施することが求められます。

例えば、セキュアコーディングガイドラインの策定や、自動化されたセキュリティテストの導入などが、セキュリティ対策として効果的です。

これにより、脆弱性の作り込みを防ぎ、製品のセキュリティ品質を向上させることができるでしょう。

信頼性の高いベンダーに支援を依頼する

PSIRTの構築と運用には、専門的な知識と経験が必要となります。

信頼性の高いセキュリティベンダーに支援を依頼すれば、効果的なPSIRTを構築できる可能性が高まります。

ベンダーのノウハウを活用し、自社に適したPSIRTの構築と運用が可能となるでしょう。

特にPSIRT構築の知識や経験がない場合、安全にセキュリティ環境を構築するためにも、ベンダーへの支援を検討する必要があります。

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画像引用元:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ

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まとめ

この記事では、PSIRTの主な役割や活動内容、構築前に必要なことについて解説しました。

PSIRTは、製品やサービスのセキュリティ管理を行い、脆弱性の早期発見やセキュリティインシデントへの迅速な対処を可能にします。

その構築には、運用方針の明確化や脆弱性管理体制の整備、従業員教育など、さまざまな準備が必要となります。

効果的なPSIRTの構築と運用を実現したい企業様は、「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」が提供する支援サービスの利用をご検討ください。

専門家のサポートを受けることで、自社のセキュリティ体制を大幅に強化できるでしょう。

文責:GMOインターネットグループ株式会社