「DoS攻撃とは何か?その被害や対策方法を知りたい」と考えている方は多いのではないでしょうか。
DoS攻撃とは、サーバーに大量のアクセスを送りつけることで、サービス提供を妨害するサイバー攻撃のことです。
この攻撃により、Webサイトが閲覧できなくなったり、サービスが利用できなくなったりするなど、深刻な被害が生じます。
しかし、適切な対策を講じることで、DoS攻撃のリスクを最小限に抑えることが可能です。
この記事では、DoS攻撃の種類や被害状況、効果的な防御策について詳しく解説します。
目次
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DoS攻撃とは
DoS攻撃とは、ターゲットとなるサーバーやネットワークに大量のトラフィックを送信することで、正常なサービス提供を妨害する攻撃手法のことです。
「Denial of Service」の略称であり、サービスを意図的に停止させるサイバー攻撃の一種です。
この攻撃では、サーバーへ過剰なアクセスを集中させ、本来のサービスを提供できない状態に陥らせることを目的としています。
レスポンスを遅延または停止させるリスクがあり、その結果、ユーザーはWebサイトにアクセスできなくなったり、サービスが利用できなくなったりします。
サイバー攻撃への対策としては、DoS攻撃への理解を深め、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
【関連記事】サイバー攻撃とは?種類や被害事例、対策方法についてわかりやすく解説
DoS攻撃とDDoS攻撃の違い
DoS攻撃とDDoS攻撃はどちらもサービス妨害を目的とした攻撃ですが、その特徴には違いがあります。
DoS攻撃は単一の攻撃元から大量のトラフィックを送信するのに対し、DDoS攻撃は複数の攻撃元から同時に大量のトラフィックを送信する攻撃で、その規模はDoS攻撃よりも大きくなります。
DDoS攻撃では、基本的に多数のコンピュータを乗っ取り、ボットネットを形成して攻撃を仕掛けるため、攻撃の検知や防御がより困難となるのです。
また、攻撃元が分散していることから、攻撃元の特定も難しいとされています。
【関連記事】DDoS攻撃とは?主な種類と5つの対策方法を紹介
DoS攻撃の主な種類
DoS攻撃には、大量のデータを送信してサーバーを圧倒する「フラッド型攻撃」と、サーバーやソフトウェアの脆弱性を利用する「脆弱性型攻撃」の2種類があります。
それぞれの攻撃手法には特徴があり、適切な対策が求められます。
フラッド型
フラッド型は、ターゲットとなるWebサイトやサーバーに対し、大量のデータを送信して処理しきれない状態に追い込む攻撃手法です。
サーバーの処理能力を超えるリクエストを送りつけ、サーバーのリソースを枯渇させることを主な目的としています。
代表的なフラッド型攻撃には、以下のようなものがあります。
▼フラッド型の種類
- SYNフラッド攻撃
- UDPフラッド攻撃
- コネクションフラッド攻撃
例えば、SYNフラッド攻撃では、攻撃者が「SYNパケット」と呼ばれる接続要求を大量に送信します。
その結果、大量に送られたSYNパケットを処理できず、Webサイトやサーバーの処理能力がパンクしてしまうのです。
脆弱性型
脆弱性型は、サーバーやソフトウェアの脆弱性を利用して、サービス機能を停止に追い込む攻撃手法です。
脆弱性といわれるセキュリティ上の弱点を突くことで、サーバーの処理を妨害します。
脆弱性型攻撃の代表例としては、以下のようなものがあります。
▼脆弱性型攻撃の代表例
- バッファオーバーフロー攻撃
- SQLインジェクション攻撃
- ゼロデイ攻撃
これらの攻撃では、サーバーやソフトウェアの脆弱性を突くことにより、サーバーのダウンなどの被害を引き起こします。
例えばバッファオーバーフロー攻撃は、サーバーの領域を大きく超えるデータを送り、誤作動を引き起こします。
脆弱性を放置することはDoS攻撃を含むサイバー攻撃のリスクとなるため、迅速な対応が求められます。
DoS攻撃の被害リスク
DoS攻撃による被害は、経済的損失や信用失墜に繋がります。
サービスの中断は顧客満足度の低下を招くため、企業にとって大きなダメージとなるでしょう。
「DoS攻撃は単なる嫌がらせ」と思っている方もいるかもしれませんが、場合によっては事業継続を左右するほどの深刻なリスクを招く恐れもあります。
▼DoS攻撃の主な被害リスク
- Webサイトのアクセス不能
- サービスの一時中断
- プラットフォームの接続障害
- オンラインゲームのプレイ不可能
- データの破損や消失
これらの被害リスクにより、結果的に企業の信用問題や莫大な損害請求に繋がりかねません。
また、DoS攻撃によってデータが破損したり消失したりするリスクもあり、ビジネスに多大な影響を及ぼす可能性があります。
たとえ企業にとって実被害が出なかったとしても、ユーザーからは「サイバー攻撃を受けた企業」と認識される恐れもあるでしょう。
DoS攻撃・DDoS攻撃の被害事例
過去にはDoS攻撃やDDoS攻撃により、大規模な被害が発生しています。
ここでは、DoS攻撃とDDoS攻撃の被害事例を3つ紹介します。
匿名掲示板「2ちゃんねる」をアクセス不能へ
2010年3月、匿名掲示板の「2ちゃんねる」がDDoS攻撃を受け、アクセス不能の事態に追い込まれました。
「2ちゃんねるサーバ監視所」は、サーバーのほとんどが「エラー状態」となり、サーバーがダウンしていることを公表しました。
主な原因は、大手ポータルサイト内に「2ちゃんねる」を攻撃することを目的としたコミュニティが形成されていたこと、またはネットを利用する韓国人に反日感情を持たせていたことだとされています。
ロシアの中央選挙管理委員会のシステムを攻撃
2021年9月、ロシアの中央選挙管理委員会のシステムが、下院選挙中にDDoS攻撃を受けました。
北朝鮮を含む複数の国から、オンライン投票システムへ攻撃が行われています。
マクスト・シャダエフ連邦通信・情報技術・マスコミ相によると、攻撃の大半は米国からであったとのことです。
3日間の投票期間中には合計で19件のサイバー攻撃があり、全て解決したことが後に明らかとなりました。
人気スマホゲームに対する攻撃でサービスが一時停止
2021年2月、国内の人気スマホゲームがDDoS攻撃を受け、緊急メンテナンスを余儀なくされました。
ゲームの運営会社は「何者かによってサーバーにアクセスを集中させる悪質な攻撃を受けたことが原因」と発表しています。
事件発生の翌日20時にゲームは復旧し、運営会社はサーバー数を増やすなどの対策を行いました。
DoS攻撃の効果的な対策方法
DoS攻撃への対策は、事前の準備と迅速な対応が鍵となります。複数の対策を組み合わせることで、攻撃の影響を最小限に抑えることが可能です。
ここでは、 DoS攻撃の効果的な対策方法を4つ紹介します。
同IPのアクセス制限を設ける
異常なアクセスパターンを示すIPアドレスに制限を設けることで、DoS攻撃の影響を抑制できます。
サーバーへの過負荷を防ぐためには、IP制限を厳格に適用することが大切です。
具体的には、短時間に大量のリクエストを送信するIPアドレスを特定し、一時的にアクセス制限をかけるなどの対策が考えられます。
ただし、IP制限の適用には注意が必要です。誤ってリクエスト数の多い正当なユーザーをブロックしてしまうと、サービス品質の低下を招く恐れがあるためです。
アクセスログを慎重に分析し、適切な制限を設定することが求められます。
特定の国のアクセスを遮断する
攻撃が特定の国からのものと判明した場合、その国からのアクセスの遮断を検討しましょう。
DoS攻撃やDDoS攻撃は海外サーバーを経由して行われるものが多いため、攻撃の影響範囲を限定的にとどめる対策が効果的です。
ただし、この対策はあくまで一時的な措置であり、根本的な解決にはなりません。
攻撃者が別の国からアクセスすれば、再び攻撃を受ける可能性があるためです。
また、正当なユーザーのアクセスまで遮断してしまうリスクもあるため、慎重な運用を心がけましょう。
WAFを導入する
WAF(Web Application Firewall)を導入する方法も対策の1つです。
WAFとは、Webアプリケーションの脆弱性を利用した攻撃からシステムを保護するツールのことです。
WAFを導入することで、不正なリクエストを検出し、DoS攻撃などのサイバー攻撃をブロックできます。
最新のWAFはさまざまな脅威に対応しているため、継続的な防御効果に期待できるでしょう。
自社のセキュリティ要件に合わせて、適切なWAFを選定することが重要です。
セキュリティ対策ソフトを導入する
専門のセキュリティ対策ソフトを導入すれば、サーバーの防御力を向上させることができます。
セキュリティ対策ソフトは、既知の脅威に対する監視や対策に加え、未知の脅威にも対応する検知機能を備えています。
継続的なセキュリティ更新と監視により、DoS攻撃を未然に防ぐことが可能です。
また、不正なトラフィックを可視化するログ管理機能が搭載されていることもあります。
DoS攻撃を含むサイバー攻撃の対策ならGMOサイバーセキュリティ byイエラエ
画像引用元:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ
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さらに、セキュリティコンサルティングやセキュリティ訓練、資格取得支援など、企業のセキュリティ対策を多角的にバックアップする体制が整っています。
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まとめ
この記事では、DoS攻撃の種類や被害状況、効果的な対策について解説しました。
DoS攻撃は、サーバーに過剰な負荷をかけて正常なサービス提供を妨害する悪質な攻撃です。
フラッド型攻撃や脆弱性を突く攻撃など、攻撃手法は多岐にわたります。
DoS攻撃への対策としては、同一IPアドレスからのアクセス制限、WAFの導入、セキュリティ対策ソフトの活用などが有効です。
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文責:GMOインターネットグループ株式会社