ホワイトハッカーとは、サイバー攻撃などからユーザーやシステムを守るセキュリティ人材です。ITやインターネットの普及に伴い、ホワイトハッカーの需要も高まっています。
本記事では、ホワイトハッカーの仕事や役割・育成についての政府の取り組みを詳しくまとめました。ホワイトハッカーのことをまったく知らない方にも理解しやすいように、解説していきます。
目次
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ホワイトハッカーとは
ホワイトハッカーとは、善良なハッカーを指す言葉です。ハッカーにはさまざまな意味があり、明確な定義はありません。コンピューターやネットワークの知識が豊富で高い技術をもつ人であることが前提となっており、代表的な意味は以下のとおりです。
- コンピューター関連について技術的な課題を解決する人
- コンピューターでプログラムを組む人
- 最小の努力で最大の効果を生み出そうとする人
- 特定分野の専門家。または熱狂的な人
(参考:IPSIRON『ホワイトハッカーの教科書』(C&R研究所、2022年5月))
ハッカーというと、コンピュータープログラムなどに不正侵入し攻撃を加えるような姿を想像する人も多いでしょう。上記の内容からもわかるとおり、本来の意味では、悪意や攻撃的な部分は持ち合わせていません。しかし、定義を完全に区別することが難しかったことから、善良なハッカーを「ホワイトハッカー」と呼ぶようになりました。
ブラックハッカーとの違い
ホワイトハッカーが善良なハッカーであるのに対し、悪意を持ってコンピュータープログラムなどを攻撃する専門知識を持つ人間をブラックハッカーと呼びます。先に紹介した定義からも分かる通り、定義上善悪は関係ありません。しかし、一般的なハッカーのイメージは悪意のある人間を指すことが多い傾向にあります。
元々の善良なハッカーの意味と悪意ある意味を区別しようと、悪意あるハッカーを「クラッカー」と呼ぶような試みも出ました。結局クラッカーの名称は定着することなく、現在もハッカーというとブラックハッカーを指すケースがほとんどです。
セキュリティエンジニアとの違い
ホワイトハッカーと同等の存在にセキュリティエンジニアがあります。こちらも明確な定義はありませんが、技術的になにかの分野を極めたセキュリティエンジニアのことを、ホワイトハッカーと呼ぶことが多いです。担っている役割は多少違いますが、どちらもネット社会においては必要不可欠な存在です。
ホワイトハッカーの役割
ホワイトハッカーの役割は、多様化するサイバー攻撃から、政府や企業・組織などを守ることです。
企業ではDXや働き方改革の動きが強まり、情報資産をネットワーク上におくことが増えました。サイバー攻撃から情報漏洩などが起これば、企業の信頼を失墜させる結果となります。そのため、企業や組織としての情報セキュリティ対策は必須であり、優先順位の高い業務です。
また、生活の中でも、インターネットを介したショッピングや銀行、交通インフラなどネットワーク通信を活用したシステムを多く使用しています。
デジタル情報革命によってITによる利便性は高まりましたが同時にサイバー攻撃の対象も増え、被害は後を絶ちません。攻撃手法も巧妙になっているため、ホワイトハッカーのようなサイバー攻撃に関する深い知識を持ち対応できる役割の重要性は増しています。
ホワイトハッカーになるには
ホワイトハッカーになるために、医師や弁護士のような資格や免許は必要ありません。また、ホワイトハッカーになるのに、年齢や性別・学歴なども関係ありません。
それでは、誰もがホワイトハッカーを名乗れるのかといえば、当たり前ですがそうではありません。ホワイトハッカーである以上、なにか一つの分野において専門的な知識および技術の高さが求められます。また、力を持つものの責任として、倫理観も必要不可欠です。ホワイトハッカーになる最低条件としては、以下の4つが挙げられます。
技術 | IT・セキュリティ関連の特定分野において深い知識と経験を持っていること。 |
---|---|
法律 | 国内外のサイバー攻撃に関する法律の理解と遵守。 |
倫理 | 攻撃手法や知識を悪用しないこと。大いなる力には、大いなる責任が伴う。 |
適性(素質) | 技術が好きであること。また、技術力の追求に情熱をかけ、継続する力も必要である。 |
これら4つを持ち合わせ、まわりの専門家たちからホワイトハッカーとして認知や評価されることで、ホワイトハッカーを名乗れるようになるのです。
前述のとおり、ホワイトハッカーであると証明する資格はありません。しかし、国際的な認定資格として「Offensive Security Certified Professional(OSCP)」があります。基本的な攻撃手法やツールを学べる認定資格です。
認定資格があるからホワイトハッカーになれるわけではなく、ホワイトハッカーは自称するものでもありません。特定の分野における深い技術の習得と実績によって得られる立場です。セキュリティエンジニアとして成果を出したり、技術書や論文などの成果物を制作したりし、活動を認めてもらえるようにしていくことが大切です。
ホワイトハッカーが活躍するGMOサイバーセキュリティのサービス
画像引用元:GMOサイバーセキュリティbyイエラエ
GMOサイバーセキュリティbyイエラエでは、多数の有能なホワイトハッカーが活躍しています。多数のホワイトハッカーが在籍していることで、他のサービスよりも品質の高いセキュリティ調査や対策の提案を可能にできるのです。GMOサイバーセキュリティbyイエラエでは、ホワイトハッカーが活躍するサービスとして以下のサービスを展開しています。
- 脆弱性診断
- 侵入テスト(ペネトレーションテスト)
- インシデント対策
- セキュリティ対策強化
それぞれどのようなことを行うのか、見ていきましょう。
脆弱性診断
脆弱性診断とは、アプリやWebサイトがもつセキュリティホールなどの脆弱性を発見し、どのようなリスクを抱えているのかを明確にするセキュリティテストです。GMOサイバーセキュリティbyイエラエでは、次のサービスが該当します。
- Webアプリケーション診断 攻撃者目線で疑似攻撃を実施し脆弱性を発見するサービス。
- プラットフォーム診断(ネットワーク診断) 脆弱性の発見や不備によるセキュリティ上の問題点を診断するサービス。
優秀なホワイトハッカーが在籍しているため、ツールのみ使用した疑似攻撃だけではなく、手動での疑似攻撃による診断も可能です。また、クラウドサービスの種類を問わず診断が可能なのもホワイトハッカーが在籍しているメリットと言えます。
侵入テスト
侵入テスト(ペネトレーションテスト)とは、実際に標的に侵入してどこまで到達できるかを試験するテストのことです。脆弱性診断と混同されがちですが、実際にどのような被害が想定されるかを調査するのが侵入テストであり、診断結果に大きな違いがあります。
GMOサイバーセキュリティbyイエラエでは以下のサービスを提供しています。
- ペネトレーションテスト 事前に用意したシナリオをもとにホワイトハッカーが侵入テストを実施して脅威や想定される被害状況を洗い出すサービス。
- レッドチーム演習 事前に定義されたゴールへ、攻撃者と同じ目線で攻撃を実施して、守備側であるブルーチームの訓練を行うサービス。
脆弱性診断と同じく、侵入テストでもツール以外に手動での疑似攻撃も実施します。また、経験豊富なホワイトハッカーが疑似攻撃を行うため、侵入テストで得られた記録をもとに具体的な対策や報告書を作成できるのも特徴です。
インシデント対策
インシデント対策は、ランサムウェアなどのウイルス感染や不正アクセス、情報漏洩などのサイバーインシデントの原因を調べたり対策を立てたりすることです。攻撃を受けた後の復旧も、インシデント対策の中に含まれています。サービス内容は以下の通りです。
- デジタルフォレンジック・インシデントレスポンス支援 インシデントの発生から被害・原因の調査、復旧・対策までを行うサービス。
- CSIRT支援 最新のサイバー攻撃に関する知識を取り入れ、社内のセキュリティ担当者と伴走しながら実務レベルに定着するまで技術支援するサービス。
いずれのサービスでも、高度なIT知識が求められることはもちろんのこと、常に最新の知識を保有していなければサービスとして提供できません。GMOサイバーセキュリティbyイエラエでは、多くのホワイトハッカーが在籍しているため、これらの高度な支援を可能にしているのです。
セキュリティ対策強化
セキュリティ対策強化は、その名の通り今あるセキュリティ対策をより強固なものにするための対策を提供するサービスです。各種サービスのアフターフォローと考えてよいでしょう。
具体的には以下のサービスを提供しています。
- クラウドセキュリティ・アドバイザリー クラウド診断・開発の経験があるホワイトハッカーが、現場で活用できるアドバイスを提供するサービス。
- セキュリティコンサルティング 脆弱性診断やペネトレーションテストで活用している攻撃者の目線から、どのような対策をすればいいかのアドバイスや技術支援を行うサービス。
これらのサービスには、各種開発や診断に関わった経験と実績が必要になります。GMOサイバーセキュリティbyイエラエに所属するホワイトハッカーの中でも、このようなスキルに長けた人材が、お客さまのセキュリティ対策を強化するためにアドバイスや技術を提供します。
まとめ
ホワイトハッカーは、サイバー攻撃を防げるよう、対策・対応を行うのが仕事です。IT化が進むと同時にサイバー犯罪は複雑で巧妙になっており、深い知識をもつホワイトハッカーの需要は高まっています。
ホワイトハッカーになるためにはセキュリティに関しての深く高度な知識が必要です。もし自社のセキュリティ対策を調べたいのであれば、GMOサイバーセキュリティbyイエラエのような、優秀なホワイトハッカーがいるセキュリティ調査サービスを活用してみてください。
文責:GMOインターネットグループ株式会社