ファイル共有とは、複数のユーザー間でデジタルデータを共有することです。セキュリティリスクの低い共有方法としては、主に以下の3種類が挙げられます。
- クライアントOSの共有機能
- ファイルサーバーの構築
- クラウドストレージ
これらの共有方法は、企業のビジネスモデルや共有環境に応じて選ぶことが大切です。さらに強固なセキュリティ環境を実現するためには、追加で工夫を取り入れる必要があります。
本記事では、ファイル共有の仕組みや安全性の高い共有方法、セキュリティをさらに高める工夫を解説します。併せて、サービスを選ぶ際のポイントについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
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ファイル共有の仕組み
ファイル共有とは、複数のユーザー間でデジタルデータを共有することです。ネットワークを介してファイルを共有することで、ユーザーはさまざまな形式のファイルにアクセスできるようになります。
▼ファイル共有のメリット
- どこにいても対象のファイルにアクセスできる
- 相手への情報共有が迅速かつ容易
以前はUSBやDVDにコピーして手渡しする物理的な共有手段が用いられていましたが、現在ではネットワークを介したファイル共有が主流です。効率的な情報共有が可能であり、企業や個人にとって重要な共有手段となっています。
ファイル共有ソフトの危険性
ファイル共有ソフトは、ネットワークを介してファイルを共有するためのソフトウェアです。主な機能としては、共有フォルダの設定、ファイルアクセス権限の管理などが含まれます。
業務の効率化に繋がるソフトウェアの1つですが、ファイル共有ソフトには一定の危険性が伴うため注意が必要です。総務省の「ファイル共有ソフトの利用とその危険性」では、「ファイル共有ソフトは、動的にファイルを送受信する仕組みであるため、違法なファイルのやり取りに利用されたり、ウイルスの感染によって、公開するつもりのないファイルがインターネットに流れてしまったりといったトラブルが数多く発生しています」と、その危険性が記載されています。
このようなトラブルを防ぐ最も効果的な対策は、ファイル共有ソフトを使用しないことです。使用する場合はその危険性を十分に理解し、適切に管理することが求められます。
セキュリティリスクが低いファイル共有方法
ファイル共有の方法によって安全性が異なり、情報漏洩や不正アクセスを防ぐためには、信頼性に優れる方法を選択する必要があります。以下、セキュリティリスクが低いファイル共有方法を紹介します。
- クライアントOSの共有機能
- ファイルサーバーの構築
- クラウドストレージ
セキュリティリスクが低い主要な共有方法について、その特徴を詳しく見ていきましょう。
クライアントOSの共有機能
クライアントOSの共有機能は一般的に安全性が高いとされています。この共有機能は、Windowsのデバイスなどに搭載されているもので、ネットワーク内の他のデバイスと簡単に情報を共有できます。
特に、中小企業や小規模なプロジェクトチームで情報を共有する場合によく使用されます。しかし、可用性に欠けるという点には注意が必要です。
この共有機能を使用する場合、対象のデバイスを起動していないとファイルの閲覧ができないほか、デバイスのハードディスクが故障するとファイルを全て失うという難点があります。
ファイルサーバーの構築
2つ目の方法として、ファイルサーバーの構築が挙げられます。専用のファイルサーバーを構築することで、セキュリティと管理機能の両方を強化することが可能です。ファイルサーバーでは、以下のような機能を通じてより厳格なセキュリティ環境を構築できます。
▼ファイルサーバーの主な機能
- ユーザーの権限設定
- アクセスログの記録
- データの暗号化
さらに専用のサーバーを使用すれば、データの一元管理が可能となり、効率的なファイル共有が実現します。
しかし、ファイルサーバーの構築では情報漏洩のリスクを考慮しなければなりません。ファイルごとに適切なアクセス権限を付与する必要があり、設定や権限付与を誤ると、ファイル内の情報が外部に流出する危険性があるのです。
クラウドストレージ
クラウドストレージを利用してファイルを共有する方法もあります。クラウドストレージとは、インターネット経由でファイルを共有・保存するサービスのことです。
クラウドストレージを用いることで、リモートでのアクセスや複数のユーザーによるファイル共有が容易になります。多くのクラウドストレージは暗号化技術を使用してデータを保護しているため、外部からの攻撃に対して高いセキュリティ性能を発揮します。
しかし、インターネット上にファイルを保存しているため、不正アクセスの被害に遭う可能性はゼロではありません。クラウドストレージを利用する場合、サイバー攻撃のターゲットになる可能性を考慮する必要があります。
ファイル共有のセキュリティをさらに高める工夫
ファイル共有のセキュリティを高めるためには、基本的な対策だけでは不十分です。追加の工夫を施すことで、セキュリティリスクが軽減し、より安全なデータ共有を実現できます。ここでは、ファイル共有のセキュリティを強化する工夫について解説します。
複雑なパスワードを使用する
セキュリティ強化の一環として、複雑なパスワードを使用することが重要です。単純なパスワードは解読されるリスクが高く、セキュリティを脆弱にします。
大文字や小文字、数字、特殊文字を組み合わせることで、複雑で解読されにくいパスワードを作成できます。これにより、総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)に対する耐性が向上し、セキュリティの強化に繋がります。
多要素認証を取り入れる
多要素認証を取り入れることもセキュリティを強化する工夫の1つです。多要素認証とは、2つ以上の異なる要素を用いて、デバイスやツールなどのログイン認証を行う方法のことです。
▼多要素認証に用いる3種類の要素
- 知識情報
- 所持情報
- 生体情報
パスワードだけでなく、ユーザーに固有の何か(指紋認証やスマートフォンへの認証コードなど)を要求します。多要素認証を導入することにより、単一要素の認証よりも高いセキュリティレベルが確保され、不正アクセスの被害リスクが減少します。
ファイル暗号化を有効にする
ファイル暗号化を有効にすれば、ファイルへの不正アクセスや情報漏洩を防げます。暗号化されたファイルは許可されたユーザー以外読み取れないため、万が一データが漏洩しても内容を保護できます。
▼暗号化に使う方式の種類
- 共通鍵暗号方式:暗号化と復号の際に「共通の鍵」を用いる方式
- 公開鍵暗号方式:暗号化と復号の際に「異なる鍵」を用いる方式
- ハイブリッド暗号方式:共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式のよいところをとった方式
適切な暗号化方式を選択し、ファイル共有の各段階で暗号化を施すことで、データの内容が流出するリスクを下げることが可能です。
ファイル共有サービスを選ぶ際の重要ポイント
ファイル共有サービスの選択は、業務の効率化と情報セキュリティに大きな影響を及ぼします。適切なサービスを選ぶことで、ビジネスの生産性を向上させると同時に、重要なデータの漏洩を防ぎやすくなります。サービスを選ぶ際の重要ポイントは以下の通りです。
- ストレージ容量
- 対応デバイス・操作性
- 信頼性
これらのポイントを押さえることで、企業に適したファイル共有環境を構築できるでしょう。
ストレージ容量
十分なストレージ容量を持つファイル共有サービスを選ぶことが大切です。ストレージ容量が不足していると、ファイルの保存や共有に制限が生じ、業務の効率性が低下します。
ストレージ容量の選定基準には、業務の性質やデータ量を考慮するようにしましょう。また、将来的な業務の拡大に備えて、容量の追加やアップグレードが容易なサービスを選ぶことも、長期的な視点から見てポイントとなります。
対応デバイス・操作性
スマートフォンやタブレット、PCなどの異なるデバイスでの利用を想定し、どのデバイスからもアクセスしやすいサービスを選ぶことが重要です。
また、直感的な操作性は、全従業員がスムーズにファイル共有を行うためにもポイントとなる要素です。高いITリテラシーがなくても容易に操作できるサービスは、業務の生産性向上に寄与します。
信頼性
ファイル共有サービスの選定において、セキュリティやデータ管理の信頼性は非常に重要です。サービスの信頼性を確認する際は、以下のポイントに着目しましょう。
▼信頼性を確認する際の重要ポイント
- 利用者からの評価
- サービス提供者の実績
- サービスの保証内容
- セキュリティ対策の詳細
データのバックアップ体制や復旧性能も、サービスの信頼性を判断する上で重要となるポイントです。サービスを選択するときには、これらのポイントを必ず確認しましょう。
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画像引用元:GMOクラウド Private
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まとめ
本記事では、ファイル共有の仕組みや安全性の高い共有方法、サービスを選ぶ際のポイントについて解説しました。
ネットワークを介してファイルを共有すれば、場所を選ばずに対象のファイルにアクセスできるようになります。セキュリティリスクが低いとされる共有方法は、クライアントOSの共有機能、ファイルサーバーの構築、クラウドストレージの3つです。
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文責:GMOインターネットグループ株式会社