アクセス制御(アクセスコントロール)とは一体何を指すのでしょうか?アクセス制御は、コンピュータやネットワークで特定のユーザーだけがアクセスできるよう、そのアクセスを制御することを意味します。
正しくアクセス制御を行い、強固なセキュリティを構築すれば、第三者からの不正アクセスを防いだり、システムの脆弱性を軽減したりすることが可能です。
本記事では、アクセス制御の目的や必要な理由、基本機能、各モデルの特徴を詳しく解説します。最後までご覧になれば、アクセス制御の概要を深く理解でき、疑問点や不安点を解消できるはずです。
目次
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アクセス制御(アクセスコントロール)とは?
アクセス制御(アクセスコントロール)とは、コンピュータやネットワークで特定のユーザーだけがアクセスできるよう、そのアクセスを適切に制御することを指します。システムやサーバーへのアクセスを制限することで、対象となるアクセス先のセキュリティが向上します。
例えば、個人のSNSアカウントにログインする際、IDやパスワードの入力が求められるのもアクセス制御の一つです。情報の漏れや不正アクセスを防ぐために、アクセス制御は極めて重要な役割を果たしています。
▼アクセス制御の具体例
- 特定のメンバーだけが利用できるビジネスチャット
- 対象者のみがアクセス可能なキャンペーンサイト
- 社内従業員限定で開ける共有ファイル
アクセス制御の目的
アクセス制御の主な目的は、情報やその機密性を維持・保護することにあります。システム内での利用者を特定し、それに応じて適切な権限を付与することで、アクセスを効果的かつ効率的に管理できます。
この制御により、悪意を持った第三者からの不正アクセスを遮断し、システムやネットワークの脆弱性を軽減することができるのです。具体的には、アクセス制御によって以下のようなトラブルを防げます。
▼アクセス制御で防止できる主なトラブル
- 未認証のユーザーによる情報の取得や改ざん
- 権限を持たないユーザーによる重要なシステム設定の変更
- 悪意のある攻撃者によるデータの破壊やシステムの乗っ取り
アクセス制御が必要な理由
アクセス制御が必要な理由は、情報の安全性を確保するためです。企業には機密情報や顧客データなど、社外に漏れてはならない情報が存在します。このような情報を守るため、アクセス制御が必要になるのです。
例えば、開発中の新製品情報や経営戦略などは、ライバル企業に絶対に知られたくない情報です。もしも顧客情報が外部に流出してしまうと、企業の信用失墜や法的トラブルの原因となり、ビジネス上の大きな損害を招く可能性があります。
それらのリスクを防止する策の一つとして、アクセス制御の利用が求められます。
アクセス制御の活用シーン
アクセス制御は、公開Webサイトや社内ネットワークなど、さまざまなシーンで活用されます。アクセス制御の利用で一般的なのは、ユーザーに公開されているWebサイトです。通販サイトや会員サイトなどにログインする際には、アクセス制御により不正アクセスが防止されています。
また、社内の情報を守るため、社内ネットワークにも優先的にアクセス制御が導入されています。社内ネットワークでは、部署や役職ごとでアクセスするデータやアプリケーションが異なるため、それらをアクセス制御によって一括管理し、セキュリティ向上とともに効率化しているのです。
▼アクセス制御の主な活用シーン
- 医療機関の社内ネットワーク
- 企業の人事・給与情報の管理
- 研究開発部門の研究データ
- 金融機関の顧客情報管理
- クラウドサービスのユーザーデータの管理
アクセス制御の基本機能
アクセス制御は認証、認可、監査という3つの基本機能から成り立っています。以下、アクセス制御の各機能を詳しく解説します。
認証
アクセス制御における認証とは、ユーザーがシステムやサービスにアクセスする際の本人確認のことです。本人確認を完了させるための手段として、IDやパスワード、指紋、顔認証などが用いられています。
このような認証手段で確認を取ることで、「この人は本当にアクセス権があるのか」を確実にしているのです。また、多要素認証では、2つ以上の手段を組み合わせて認証を行い、さらなるセキュリティの向上を目指します。
認可
アクセス制御における認可とは、認証後のユーザーにアクセス権を付与することを意味します。例えば、特定の役職や部署のみが閲覧可能な情報にアクセス権を与える際に、この認可という言葉が使用されます。
認可により情報への不正アクセスを防ぎ、情報漏洩を防止します。また、認可によって付与するアクセス権は単純にアクセスを可能にするだけでなく、「閲覧可能」「編集可能」「転送可能」など、権限の強弱を持たせることも可能です。認証と認可は異なる概念ですが、これらの言葉は基本的にセットで利用されます。
監査
監査は、ユーザーやシステムの活動履歴を記録・確認する機能です。誰が、いつ、どの情報にアクセスしたのか、というようにアクセスログを収集・管理し、不正アクセスや情報漏洩のリスクを早期に検出します。
定期的な監査報告により、セキュリティポリシーの状況を確認します。ただし、監査はあくまで「アクセスログを監視・確認する」ことが目的であり、不正アクセスを防いだりする機能は含まれていません。
アクセス制御の種類・モデル
アクセス制御のモデルは多岐にわたり、それぞれ独自の特性を持っています。本項では、主要なモデルを4つ紹介します。
- 任意アクセス制御(DAC)
- 強制アクセス制御(MAC)
- 属性ベースアクセス制御(ABAC)
- 役割ベースアクセス制御(RBAC)
以下、各モデルについて詳しく見ていきましょう。
任意アクセス制御(DAC)
任意アクセス制御(DAC)は、情報の所有者がアクセス制御を担当するモデルです。このモデルでは、所有者が他のユーザーにアクセス権を任意で付与できます。
DACの最大の利点はその柔軟性であり、ユーザーに与える制限が少ないことが特長です。しかし、自由度の高さがセキュリティのリスクをもたらす可能性もあります。そのため、DACはシンプルなシステムやネットワークでの使用に適しています。
強制アクセス制御(MAC)
強制アクセス制御(MAC)は、アクセス権限の制御を管理者が担当するモデルです。ユーザーはアクセス権を変更することができず、全ての権限管理は管理者が中心となって行います。
このMACでは、権限に「強い権限」や「弱い権限」のように、権限に強弱を設けて一元的に管理することが可能です。高度なセキュリティを有しているため、機密性の高い情報を扱うシステムやWebサイトの利用に向いています。しかし、自由度が低いことから、一般的なオフィス環境には不向きとされます。
属性ベースアクセス制御(ABAC)
属性ベースアクセス制御(ABAC)は、ユーザーやリソースの属性を基にアクセスを制御するモデルです。
▼属性ベースアクセス制御の基となる要素
- ユーザーの役職
- 所属部門
- リソースの種類
- アクセス元のIPアドレス
このモデルは、複雑なアクセス制御のルールを設定することが可能です。特定の時間にアクセスを許可するというルールも設定でき、多様な環境に応じたアクセス制御を可能にします。しかし、その複雑さゆえに、ユーザーがアクセスの不備を感じる場面もあります。
役割ベースアクセス制御(RBAC)
役割ベースアクセス制御(RBAC)は、ユーザーの役割や職務を基準にアクセスを制御するモデルです。具体的には、特定の役割を持つユーザーに、その役割に関連するリソースへのアクセス権を付与できます。
これにより、役割や人事の変動があった際の権限変更を容易に行えます。ただし、誤った判断で権限を付与すると、本来権限を持たない人でも権限付与が可能になるという難点があります。アクセス制御の運用は行いやすいですが、権限付与の判断には注意が必要です。
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画像引用元:GMOトラスト・ログイン
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まとめ
本記事では、アクセス制御の目的や必要な理由、基本機能、各モデルの特徴を詳しく解説しました。
システムやサーバーへのアクセスを適切に制限することで、対象となるアクセス先のセキュリティが向上します。アクセス制御により、悪意を持った第三者からの不正アクセスを遮断し、システムやネットワークの脆弱性を軽減することが可能です。
一言でアクセス制御と言っても、有する機能やモデルは多岐にわたります。社内に導入する際、「導入方法がわからない」「より強固なセキュリティを構築したい」という方は、「GMOトラスト・ログイン」にご相談ください。効率的なアクセス制御により、セキュアな業務環境を提供いたします。
文責:GMOインターネットグループ株式会社