インターネットの普及に伴い、ウェブサイトの利用や運営をおこなう機会も増え、運営に必要なドメイン名の取得などの様々なサービス提供がオンライン化されています。簡単にドメインが取得できるようになった反面、ドメイン管理会社やサービスを選ぶ際に迷われる方も多くいらっしゃると思います。
本記事では、サービス提供などのためにドメイン名を取得する方や企業でシステム管理を担当されている方に向けて、ドメイン管理会社の概要や選び方についてご説明します。これからドメイン名の取得を検討されている方は、おすすめのサービスもご紹介しますので、ぜひご参考になさってください。
目次
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ドメイン管理会社とは
ドメイン管理会社とは、企業および個人がドメイン名を取得するために必要な登録や更新などの手続きを代行する会社です。ドメイン管理会社によっては手続きの代行だけでなく、運用や管理に関する様々なサービスを提供しているため、適切なドメイン名の選定や管理に関するトラブルを回避し、担当者にかかる負担も軽減することができます。
ドメイン名の手続き代行の他に、SSL証明書発行やDNS設定や管理など、付随したサービスを提供している会社もあります。インターネット上での活動を円滑に行えるよう、運用や用途に合わせて適切な管理会社を選ぶことが大切です。
特に、インターネットが普及した昨今、ドメイン名は企業のブランドイメージを形成する重要な要素と言われています。適切なドメイン管理会社を選ぶことで、企業側はドメイン名に関する専門的な知識を最小限に抑え、運用管理においても大幅な負荷軽減が可能となるため、企業がドメイン管理会社を選ぶときには、しっかりと提供している管理サービスを確認することが重要なポイントといえます。
ドメイン管理の仕組み
インターネット上には同じドメイン名は2つとして存在することはなく、これらは登録制で運用されています。そのため、ある意味で早い者勝ちという側面を持つため、人気のドメイン名や企業やブランドを表すドメイン名などは早めに取得することが望ましいでしょう。
ドメイン名をよく見ると、末尾に「.jp」や「.com」がついていますが、これはトップレベルドメイン(TLD)と呼ばれ、「.jp」のように国に属しているccTLDとよばれるものと、「.com」のように国に属さないgTLDとよばれるものがあり、どちらもレジストリと呼ばれる管理組織が運用と管理をしています。一方で、個人の方や企業から依頼を受けて、レジストリによって管理されているドメイン名の登録手続きなどを代行するのがレジストラと呼ばれるドメイン管理会社です。
そして、これらのレジストリを管理する団体がICAAN(アイキャン)と呼ばれる組織で、IPアドレスなども含めたインターネット資源をまとめて管理している国際組織となります。
【関連記事】ドメイン管理とは|その仕組みや重要性・管理方法をわかりやすく解説
ドメイン管理会社の役割
では、ドメイン管理会社の役割にはどんなものがあるのでしょうか。具体的な役割には以下のようなものがあります。
ドメイン名の登録
ドメイン管理会社は、個人や企業に代わってドメイン名の登録手続きを行います。ドメインの種類により発生する複雑な手続きも代行してくれるため、比較的簡単にドメイン名の登録を行うことができます。
ドメイン名の更新
ドメイン名の更新は、定期的に行う必要があります。ドメイン名の有効期限が切れてしまうと、そのドメイン名は使用ができなくなり、必然的にウェブサイトやメールアドレスなども使用できなくなってしまうため、更新の管理はとても重要です。ドメイン管理会社は、ドメイン名の更新手続きだけでなく、有効期限の管理を行う会社もあるため個人や企業など、運用や規模に合わせた管理会社の選定を行う必要があります。
DNSの設定
DNSは、ドメイン名をIPアドレスに変換するためのシステムです。ドメイン管理会社は、DNSの設定を行い、ドメイン名とIPアドレスの紐付けを行います。無料で提供している会社と有料で提供している会社があるため、登録費用だけでなく、DNS設定費用など付随するサービスの費用もしっかり確認しましょう。
Whois情報の管理
Whoisは、ドメイン名の所有者や管理者などの情報を公開するシステムです。ドメイン管理会社は、Whois情報の管理を行い、ドメイン名の所有者や管理者情報を利用者に代わって更新します。また、個人情報を公開したくない個人や企業に代わり、管理会社の情報をWhoisのデータベースに登録し公開するサービスを提供している場合もあります。
ドメイン名の保護
ドメイン名は、インターネット上での企業や個人のアイデンティティを表す重要な資産です。ドメイン名の盗難や不正使用を防ぐために、ドメイン管理会社がどのようなセキュリティ対策を講じているかは選定の際のポイントとなります。
ドメイン取得・管理会社の比較ポイント
実際にドメイン名を取得する場合、企業または個人に関わらず自身でドメイン管理会社を選定する必要があります。ドメイン管理会社は国内だけでもいくつもありますので、新たに選定する場合、どの会社を選べばいいか迷う方も多いはずです。
迷った場合は、主に以下の4つのポイントに注意します。
- ドメインの利用料と管理内容
- トップレベルドメインの種類
- Whois情報公開代行サービスの有無
- サーバーやメールサービスとの連携可否
以下では、これらのポイントについて、具体的にご説明します。
ドメイン管理にかかる費用と管理内容
管理会社を選定する場合にポイントとなるのは、ドメイン名を登録し管理するための費用と管理内容です。費用の内訳には、登録費用、更新などの手続きにかかる費用や管理費用があり、ドメイン名によって手続き毎の費用や更新のタイミングが異なります。また、管理会社によっては更新手続きのタイミングで費用がかかる場合と、更新手続きにかかる費用を月々に分けて支払うシステムを導入している場合もあります。
登録などの初期費用を安くする代わりに月額費用や更新費用が高額である場合もありますので、登録後にかかる費用も事前にしっかり確認が必要です。
費用が安い管理会社では、更新や情報の修正などすべての手続きや管理を自己責任で行わなければならない場合があります。多くのドメインを運用する企業では、担当者が変わることで取得したドメイン名の更新漏れが発生し使えなくなってしまうケースや、担当者の個々の判断で取得や廃棄をされるケースもあり、企業規模によっては全体把握が難しく、その管理に関する負担も大きくなります。
個人でドメイン名を運用するときと異なり、企業でのドメイン名の運用は適切に一元管理することが大きなポイントで、ドメイン管理会社の中でも企業を専門とした「コーポレートレジストラ」という管理会社を利用することでドメイン名の信頼性の向上やセキュリティ強化につながり安心で安全なドメイン運用を行うことができるというメリットがあります。ニーズに合わせた料金体系と管理内容を選ぶことがポイントです。
トップレベルドメインの種類
そもそもトップレベルドメインには、以下の代表的な種類があります。
- gTLD(Generic Top Level Domain):「.com」「.org」「.net」など、世界共通で使用される領域別のドメイン。
- 新gTLD:2000年に初めて募集がされた、従来のgTLD加えて新たに募集・審査され承認されたドメイン。ブランドを表すブランドTLD(.toyota、.sharp)も新gTLDの一種。
- ccTLD(Country Code Top Level Domain):「.jp」「.uk」「.us」などの国を表すドメイン。
トップレベルドメイン(TLD)については以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】ドメイン管理とは|その仕組みや重要性・管理方法をわかりやすく解説
ドメイン管理会社によって取り扱っているトップレベルドメイン(TLD)が異なります。どのトップレベルドメインを選択するかにより、サイトが所属している国や組織、サービスを一目で分かるように表現することができるため、どれを選択するかはサイトを運営するにあたり重要な要素と言えます。適切なトップレベルドメインが表示されているだけでも、サイトに訪れるユーザーからの信頼性もアップするため、それぞれのトップレベルドメインの意味を理解し慎重に選びましょう。使用したいドメインを扱っているドメイン管理会社か確認が必要です。
Whois情報公開代行サービスの有無
Whois情報とは、ドメイン名やIPアドレスの登録者の情報のことです。Whois情報には、ドメイン名やIPアドレスを登録した組織名、個人名、連絡先情報などが含まれ、所有者や管理者を特定することができます。
ドメイン管理会社によっては、こういったWhois情報に公開される情報を使用者に代わって登録する「Whois情報公開代行サービス」があります。Whois情報公開代行サービスでは、情報を非公開にすることでDoS攻撃や不正アクセスなどの攻撃リスクを軽減することができるので、個人情報の保護やセキュリティ対策の観点でとても重要で、適切に管理することでドメイン名を運営する企業や個人だけでなくユーザーの安心と安全を守ることになります。
サーバーやメールサービスとの連携可否
ドメインは取得しただけでは使うことができません。自社でサーバーを用意する、もしくはレンタルサーバーなどを借りてサーバーを立て、それにドメインを割り当てることで利用できるようになります。また、取得したドメインをメールサービスに利用することで、独自のメールアドレスを作ることも可能です。このため、このようなサーバーやメールサービスと連携をしているかが重要なポイントとなります。反対に、これらと連携していなければ、ドメインを取得しても利用できず、自分自身で手配をしなければいけません。
サーバーのレンタルなどを提供していないドメイン管理会社でも、サーバー会社と連携していればその窓口として対応してもらうことができます。効率的な管理や迅速な対応を行うためにも、管理会社を選定する際には、サーバーやメールサービスとの連携の可否、また連携が比較的容易に設定できるかも比較するとよいでしょう。
おすすめのドメイン取得・管理会社4サービス
日本国内においてドメインの取得および管理を行っている管理会社は数ありますが、その中でGMOインターネットグループは日本でもトップクラスのシェアを誇っており、その割合は82.3%です。そのGMOインターネットグループの管理会社、いわゆるレジストラの中でもトップクラスといえる4社についてご紹介します。
これらのサービスによっては、取り扱っているドメインの種類や価格が違い、他にもレンタルサーバーについては取り扱いがないものや、メールサービスを取り扱っていないといった違いがあります。どのようなドメインを取得したいか、またその取得したドメインの用途によって利用するサービスを選ぶとよいでしょう。
サービス名 | お名前.com | MuuMuuDomain | Value Domain | GMOブランドセキュリティ |
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.comの登録料金 | 0円~ | 1,350円~ | 750円~ | 5,500円~ |
.comの更新料金 | 1,287円~ | 1,728円~ | 1,782円~ | 3,300円~ |
取得できるトップレベルドメインの種類数 | 580種類以上 | 400種類以上 | 570種類以上 | 1,500種類以上 |
取得できるトップレベルドメインの主な種類 |
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Whois情報公開代行サービス | 有り(有料) ※一部条件により無料 |
有り(無料) | 有り(無料) | 有り(無料) |
サーバー・メールサービスとの連携 | お名前メール |
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GMOインターネットグループのサーバー・メールサービスとの連携 |
ドメインガイドライン策定サービス | 無し | 無し | 無し | 有り |
ドメイン監視サービス | 無し | 無し | 無し | 有り |
※2023年3月時点
お名前.com
出典:お名前.com
お名前.comは、新規のドメインを取得するだけでなく、中古のドメインを購入できるサービスです。併せてサーバーをレンタルすることで比較的簡単に、そして低価格でサイトの運用ができます。このことから、スタートアップ企業などの比較的小規模な企業、もしくは個人での利用におすすめです。
サービス名 | お名前.com |
---|---|
.comの登録料金 | 0円~ |
.comの更新料金 | 1,287円~ |
取得できるトップレベルドメインの種類数 | 580種類以上 |
取得できるトップレベルドメインの主な種類 |
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Whois情報公開代行サービス | 有り |
サーバー・メールサービスとの連携 | お名前メール |
ドメインガイドライン策定サービス | 無し |
ドメイン監視サービス | 無し |
※2023年3月時点
MuuMuuDomain
出典:MuuMuuDomain
ムームードメインは、ドメインの取得や管理といった基本的なサービスだけでなく、レンタルサーバーやメールサービスとも連携しています。そのため、ドメインを取得してすぐにサーバーの運用やメールアドレスの作成も行えるため、1つのサービスで全てを網羅したい企業や個人の方におすすめです。また、サポートもしっかりしているため、困ったことがあっても手厚いサポートを受けられることも魅力です。
サービス名 | MuuMuuDomain |
---|---|
.comの登録料金 | 1,350円~ |
.comの更新料金 | 1,728円~ |
取得できるトップレベルドメインの種類数 | 400種類以上 |
取得できるトップレベルドメインの主な種類 |
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Whois情報公開代行サービス | 有り |
サーバー・メールサービスとの連携 |
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ドメインガイドライン策定サービス | 無し |
ドメイン監視サービス | 無し |
※2023年3月時点
Value Domain
出典:Value Domain
Value Domainは、ドメインの取得や管理といった基本的なサービスだけでなく豊富なサーバーの種類やセキュリティ面においても堅牢なサービスを提供しています。このサービスは、初めてドメインを取得する企業や人よりも、ある程度ドメインの管理に慣れている方におすすめです。レンタルサーバーは3種類あり、セキュリティオプションも豊富なため、しっかりとしたサイト運営を行いたいときに力になってくれます。
サービス名 | Value Domain |
---|---|
.comの登録料金 | 750円~ |
.comの更新料金 | 1,782円~ |
取得できるトップレベルドメインの種類数 | 570種類以上 |
取得できるトップレベルドメインの主な種類 |
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Whois情報公開代行サービス | 有り |
サーバー・メールサービスとの連携 |
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ドメインガイドライン策定サービス | 無し |
ドメイン監視サービス | 無し |
※2023年3月時点
GMOブランドセキュリティ
GMOブランドセキュリティは企業向けのコーポレートレジストラとして、世界中のドメインを扱っていて、国内大手企業の管理実績があります。ドメインの手続き代行だけでなく、ブランドセキュリティという観点でドメインや商標の登録や更新、管理支援はもちろんのこと、ウェブ監視や侵害対策など、ブランドの保護と価値の維持・向上のためのサービスを総合的に幅広く提供しています。企業の担当者で、セキュリティや管理を強化したい方や運用の負担を軽減したい方などにおすすめです。
サービス名 | GMOブランドセキュリティ |
---|---|
.comの登録料金 | 5,500円~ |
.comの更新料金 | 3,300円~ |
取得できるトップレベルドメインの種類数 | 1500種類以上 |
取得できるトップレベルドメインの主な種類 |
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Whois情報公開代行サービス | 有り(無料) |
サーバー・メールサービスとの連携 | GMOインターネットグループのサーバー・メールサービスとの連携記載なし |
ドメインガイドライン策定サービス | 有り |
ドメイン監視サービス | 有り |
※2023年4月時点
GMOインターネットグループのドメイン管理サービスがおすすめの理由
GMOインターネットグループのドメイン管理サービスでは、世界中のあらゆるドメイン登録申請業務を2004年の創業当時から続けていることもあり、数々のノウハウをこれまでに蓄積しています。また、法人向けサービスを提供し続けてきたことで掴んだニーズ、それに沿ったサービスを提供することで、ドメイン管理やレンタルサーバー、メールサービスなど幅広い分野で信頼を得ているのが強みです。
利用の目的や運用、管理規模に合わせたGMOインターネットグループのドメイン管理サービスを利用することで、日々変化の多いインターネット上おいて柔軟にその変化に対応することが可能になり、運営する側にとってもユーザーにとっても安心・安全な環境を提供することができます。
まとめ
インターネット上でのサービス提供や情報提供が主流となった今、ドメイン名を登録・管理することは必要不可欠であると言えます。そのような流れの中で、どのようなドメイン管理会社を選択するかということは、その後の運命を左右するといっても過言ではありません。ここで紹介した情報をもって、自身が所属する企業や組織においても正しいサービスを選択することで、よりよいインターネット上のサービスを提供してもらえたらと思います。
文責:GMOインターネットグループ株式会社