「レジストリとはどんな機関のこと?」「レジストラとの違いや主な役割を知りたい」といった疑問がある方もいるでしょう。レジストリとは、ドメインのシステムを管理し、ドメイン情報を持つデータベースを運営する機関のことです。レジストリの主な役割は以下の3つです。
- ドメインの発行と管理
- データベースの運用
- DNSサーバーの運営
レジストリはインターネットの安定した運用に不可欠な業務を担当しています。レジストリに関する知識を持つことで、Webサイトの運営やドメインの取得をより効果的に進めることができるでしょう。
本記事では、レジストリの基礎概要や役割、ドメインが登録されるまでの流れについて解説します。レジストリの理解を深めたい方は、本記事の内容を最後までご覧ください。
目次
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レジストリとは
レジストリとは、ドメインのシステムを管理し、ドメイン情報を持つデータベースを運営する機関のことです。レジストリは「.com」「.net」「.jp」など、「トップレベルドメイン(TLD)」を管理しています。
TLDとは、ドメインにおける一番右の文字列のことです。それぞれのTLDごとに必ず1つのレジストリが置かれています。
レジストラとの違い
レジストリと似た言葉で「レジストラ」があります。レジストラとは、ユーザーからのドメインの登録申請受付や販売を行う機関のことです。
レジストリはTLDごとに1つしかないため、ユーザー1人1人へ対応することはできません。レジストリとユーザーの間を取り持つのがレジストラです。
具体的には、レジストラはレジストリが管理するドメインのデータベースへアクセスし、ドメインの登録・変更・削除を行う役割を担っています。レジストリがドメインの基本的なデータベースを維持・管理するのに対し、レジストラはそのデータベースを基に、エンドユーザーへの登録サービスを提供することが主な役割です。
レジストリとレジストラは連携してドメインシステムを支えており、インターネット上でのアドレス割り当てと管理に不可欠な役割を果たしています。
レジストリに関連するリセラーとICANN
レジストリがドメインを管理する上で、「リセラー」と「ICANN」とは密接な関連性があります。これら複数の機関が適切に連携していることで、ユーザーに良質なドメインサービスが提供されています。
これらの機関や企業の役割を理解することは、ドメインシステムの全体像を把握する上で非常に重要です。以下、リセラーとICANN、そしてICANN公認レジストラについて解説していきます。
リセラーとは
リセラーとは、レジストラからドメインの再販権を得て、ユーザーに対してドメイン登録業務を代行する業者のことです。リセラーは通常複数のレジストラと提携し、多種多様なドメインを顧客に販売・提供しています。
レジストリからレジストラ、リセラーへと続くこの連携は、ドメインの流通と普及において重要な役割を果たしています。ただし、レジストリとリセラーは直接的な関係性にないため、レジストリが管理しているデータベースに直接問い合わせることはできません。
ICANNとは
ICANNは、インターネットのドメインシステム全体を監督する国際的な非営利組織です。この組織はインターネットの安定性とセキュリティを維持し、グローバルな連携をサポートする役割を担っています。
ドメインを管理する組織の最上位機関であり、レジストリ、レジストラ、そしてリセラーといったドメインシステムのさまざまな機関と協働し、インターネットの健全な運用を支えています。ICANNが最上位機関であることから、レジストリはICANNの定める基準に従ってドメインの登録と管理を行わなければなりません。
ICANN公認レジストラとは
ICANN公認レジストラとは、ICANNの基準を満たし、正式に認定されたドメイン登録業者のことを指します。これらの業者はICANNと直接契約を結び、特定のドメインを登録・管理する権利を有しています。
双方のこの関係性は、ドメインシステムの整合性と効率性を保つために不可欠です。ICANN公認レジストラとなるためにはいくつかの要件を満たす必要があることから、他のレジストラに比べてICANN公認レジストラのほうが信頼性が高いと言えます。
レジストリの主な役割
レジストリは、インターネットのドメインシステムにおいて重要な役割を担っています。本項では、レジストリの主な役割として以下の3つを紹介します。
- ドメインの発行と管理
- データベースの運用
- DNSサーバーの運営
各役割の詳細を1つずつ見ていきましょう。
ドメインの発行と管理
レジストリはレジストラからの申請を受け付けて、新しいドメインの発行、登録情報の管理、更新を行います。これにより、インターネット上で各ドメインが一意に識別され、ユーザーが特定のWebサイトにアクセスする際の基盤が提供されます。
ドメインの一意性を保証することは、インターネットの機能性と安全性を確保する上で非常に重要です。また、ドメインには有効期限があり、レジストリはドメインの更新や利用停止などの管理も手掛けています。
データベースの運用
ドメインに関連する情報をデータベースに格納し、これを更新および維持します。このデータベースには、ドメインのユーザー情報や有効期限などが含まれ、ドメインとユーザー情報を紐づけてデータベース上で管理しています。
データベース上で管理されている情報の一部は「Whois情報」と言われ、そこではドメイン毎に登録者名や登録日、有効期限などを確認することができます。LinuxやMacに標準搭載されているWHOISコマンドや専門サイトを利用することで誰でも保有者を確認することが可能です。
DNSサーバーの運営
レジストリはDNSサーバーの運営にも責任を持ちます。DNSサーバーとは、「Domain Name System」の略称で、ドメインとIPアドレスを紐付けて変換するサーバーのことです。
レジストリが運営するDNSサーバーは、インターネット上でのドメインの検索とアクセスを円滑にするために不可欠な役割を果たしています。この運営により、ユーザーは迅速かつ正確に閲覧を希望するWebサイトにアクセスできるようになります。
代表的なドメインのレジストリ
インターネット上で使用される代表的なドメインには、国際的に認知されているいくつかのレジストリが存在します。これらの組織は特定のTLDを担当し、それぞれのドメインの登録と管理を行っています。
例えば、「.com」や「.net」のドメインはVeriSign Inc.によって管理されており、ドメインの信頼性と安定性を支えています。以下は、代表的なドメインとそれを管理するレジストリの一覧です。
カテゴリ | ドメインの種類 | レジストリ |
---|---|---|
一般ドメイン | .com / .net | VeriSign Inc. |
.info / .biz | Afilias, Inc. | |
.org | Public Interest Registry | |
国別ドメイン | .jp | 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) |
新ドメイン | .shop / .tokyo | GMOドメインレジストリ株式会社 |
これらのレジストリは、それぞれのドメインの登録プロセスを管理し、インターネット上でのドメインの一意性を保持します。また、インターネットの安定性とセキュリティを維持するために重要な役割を果たしています。
ドメインがレジストリに登録されるまでの流れ
ドメインがレジストリに登録されるまでのプロセスには、いくつかの重要なステップが含まれています。インターネット上での固有の識別を可能にし、ユーザーがオンラインで迅速に見つけるための重要なプロセスです。以下、ドメインがレジストリに登録されるまでの具体的な手順を解説します。
▼ドメインがレジストリに登録されるまでの流れ
- ドメインの決定:ユーザーが登録を希望するドメインを決定する
- 登録の申請:ユーザーがレジストラかリセラーを通じてドメインの登録申請を行う
- 情報の送信:レジストラがユーザーからの申請情報をレジストリに送信し、ドメインの登録を申請する
- ドメインの登録:レジストリが登録規則を満たしているかを確認し、データベースに新たなドメインを登録する
ドメインがレジストリに登録されるまでの流れは、基本的にユーザーがリセラーに申請し、そこからレジストラ、レジストリの順番で完了します。最終的にはレジストリがデータベースに追加することで、ドメインとして登録されます。
このプロセスを通じて、ユーザーはインターネット上で自身のWebサイトやサービスに独自のドメインを持つことが可能です。今やドメインは単なる識別子ということだけではなく、オンライン上でのブランドやアイデンティティの核であり、Web上での存在感を高める重要な要素となります。
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画像引用元:GMOブランドセキュリティ
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まとめ
本記事では、レジストリの基礎概要や役割、ドメインが登録されるまでの流れについて解説しました。
レジストリはICANN、レジストラ、リセラーなどと連携しており、インターネットのドメインシステムにおいて重要な役割を担っています。主な役割は、ドメインの発行と管理、データベースの運用、DNSサーバーの運営の3つです。
Webサイトの運営やドメインの取得を行う上では、レジストリの役割や重要性を理解しておくことが大切です。これからドメインを取得する予定の方は、「GMOブランドセキュリティ」の利用をご検討ください。ドメイン取得に関わる登録申請業務を代行いたします。
文責:GMOインターネットグループ株式会社