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商標権とは?具体的な効力・取得するメリットを徹底解説

「商標権とは何のこと?取得するメリットを知りたい」という疑問や悩みがある方もいるでしょう。商標権とは、特定の商品やサービスとの関連性を示すための文字、図形、記号などの商標を独占的に使用する権利のことです。

商標権があれば、同一・類似の商標利用を排除できると同時に、企業・商品のブランド価値が向上します。もし類似の商標を他社に利用された場合は、使用差止めや損害賠償の請求を行うことが可能です。

本記事では、商標権の効力や有効期間、取得するメリット、取得方法を詳しく解説します。商標権について不安点がある方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

目次

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  1. 商標権とは
  2. 商標権の効力
  3. 商標権の有効期間
  4. 商標権の「指定商品」と「指定役務」
  5. 身近に存在する商標権
  6. 商標権を取得できるもの・できないもの
  7. 取得できるもの
  8. 取得できないもの
  9. 商標権を取得するメリット
  10. 同一・類似の商標利用を排除できる
  11. 商標の使用差止めや損害賠償の請求ができる
  12. 企業・商品のブランド価値が向上する
  13. 商標権の取得方法
  14. 商標権の取得に必要な費用
  15. GMOブランドセキュリティが商標権の取得を徹底サポート!
  16. まとめ

商標権とは

商標権とは、特定の商品や役務との関連性を示すための文字、図形、記号などの商標を独占的に使用する権利のことです。この商標権は、商標を国や地域における特許庁に登録することで得られる法的な権益となります。

そもそも商標とは、商品やサービスの出所や品質を表し、他社のものと区別するためのマーク(識別標識)のことです。良質な商品やサービスの信頼性を示す目印として、また他の商品やサービスとの差別化を図る役割も果たしています。

商標権の効力

商標権は、商標の登録者に対して、その商標を独占的に使用する権利が与えられます。これにより、他の事業者や個人が同一または類似の商標を付して商品やサービスを提供することを禁じることができます。なお、商標権の効力には、「専用権」と「禁止権」の2種類があります。

▼「専用権」と「禁止権」の違い

  • 専用権:登録商標を独占的に使用する権利
  • 禁止権:登録商標等の使用を禁止する権利

例えば、企業が自社のサービスやマーク、名称を独占し、財産を守るためにこの商標権を取得します。特に模倣品や類似品による混同を防ぎたい場合に、商標権の効力が役立ちます。

【関連記事】商標権侵害とは?自社ブランドを守るために必要な知識を徹底解説

商標権の有効期間

商標権の有効期間は、登録日から10年間と定められています。これは、「商標法第19条」によって定められています。

しかし、更新手続きを行うことで商標権をさらに10年継続できます。この更新には回数制限がないため、商標の使用が続く限り更新を継続すれば、事実上、商標権を半永久的に存続させることができるのです。

ただし、更新時には新規登録時と同じように費用が発生します。

▼更新登録料

43,600円×区分数(満了後6月以内は同額の割増登録料が発生)

なお、更新登録申請料については分割納付が可能です。その場合、「22,800円×区分数」の費用が発生します。

商標権の存続期間については、特許庁の「第4節 商標制度の概要」をご確認ください。

商標権の「指定商品」と「指定役務」

商標法ではサービスのことを「役務(えきむ)」と言います。商標登録の出願を行う際には、商標を使用する商品や役務を「指定商品」、もしくは「指定役務」として指定する必要があります。

▼「指定商品」と「指定役務」の意味

  • 指定商品:指定した商品のこと(権利を取りたい商品)
  • 指定役務:指定した役務のこと(権利を取りたい役務)

この指定商品・指定役務により、商標権の効力範囲を規定します。指定商品・指定役務を記載する際には、あわせて「区分」も記載する必要があり、この「区分」とは、商品・役務を一定の基準によって種類分けしたものです。

この区分は全部で45種類あります。区分の詳細については、特許庁の「類似商品・役務審査基準」を参考にしてください。

身近に存在する商標権

身の回りにある流通している商品やサービスには、基本的に商標が付いています。普段見慣れている企業のロゴや名称にも、商標権が存在しているのです。

商品やサービスに商標権があることで、第三者が類似品を勝手に販売・使用できないようになっています。これらの商標は、商品やサービスの品質、信頼性、およびその出所を示す重要な役割を果たしています。

▼身近に存在する商標権の具体例

  • ペコちゃん人形
  • クロネコヤマトのマーク
  • メルカリのマーク
  • Googleのロゴ
  • くまモンのキャラクター
商標の種類 特徴
文字商標 カタカナ、ひらがな、漢字、ローマ字、数字など、文字のみで構成される商標
図形商標 写実的なもの、図案化したものなど、図形で構成される商標
記号商標 暖簾(のれん)記号、文字を図案化し組み合わせた記号、記号的な紋章などの商標
立体商標 キャラクターや動物の人形など、立体的形状からなる商標
結合商標 異なる意味を持つ文字と文字を組み合わせたもの、または文字、図形、記号、立体的形状の2つ以上を組み合わせた商標
動き商標 文字や図形などが時間の経過に伴って変化する商標
ホログラム商標 文字や図形などがホログラフィー、その他の方法により変化する商標
色彩のみからなる商標 単色または複数の色彩の組合せによって構成される商標
音商標 音楽、音声、自然音などから作られる商標
位置商標 図形などを商品などに付す位置が特定される商標

参照:第4節 商標制度の概要|特許庁

商標権を取得できるもの・できないもの

商標権を取得できるものとできないものは、法律によって定められた基準に則って定められています。以下、「取得できるもの」と「取得できないもの」に分けて解説します。

取得できるもの

商標として登録できるものは、独自性があり、特定の商品やサービスを識別できる要素が含まれているものです。具体的には、固有の文字、ロゴ、図形、色彩など、他のものと区別できる特徴を持つものが対象となります。

▼商標登録の条件

  1. 事業者が自己(自社)の業務に係る商品・サービスに使用するマーク(識別標識)である
  2. 自己(自社)の商品・サービスと他人の商品・サービスを区別できる

参照:第4節 商標制度の概要|特許庁

具体的には、Appleの「リンゴのマーク」やNikeの「スウッシュ」、McDonald'sの「M」などが該当します。これらの商標は、消費者が商品やサービスの出所を一目で認識できるように設計されています。

取得できないもの

商標として登録できないものには、一般的な言葉やフレーズ、特徴のない記号や図形などが含まれます。これは、これらの要素が特定の商品やサービスを識別する役割を果たすことができないためです。

▼商標登録できないケース

  1. 自己と他人の商品・役務(サービス)とを区別することができないもの
  2. 公共の機関のマークと紛らわしい等公益性に反するもの
  3. 他人の登録商標や周知・著名商標等と紛らわしいもの

参照:第4節 商標制度の概要|特許庁

例えば、「コンピュータ」や「カメラ」のような一般的な商品名、「四角」や「円」といった単純な形状などが挙げられます。これらは多くの業界や商品で共通して使用されるものであるため、特定の商標としての役割を果たしません。

商標登録できないものの詳細については、特許庁の「出願しても登録にならない商標」をご確認ください。

商標権を取得するメリット

商標権を取得することには、多くのメリットがあります。特にビジネスのブランディングや競争力の維持においては、非常に重要な役割を果たします。本項では、主なメリットとして以下の3つを解説します。

  1. 同一・類似の商標利用を排除できる
  2. 商標の使用差止めや損害賠償の請求ができる
  3. 企業・商品のブランド価値が向上する

それぞれの取得のメリットを順番に見ていきましょう。

同一・類似の商標利用を排除できる

商標権を保有することで、他の事業者が同一または類似の商標を使用することを制限できます。これは、消費者が商品やサービスの出所を間違えるリスクを低減し、企業のブランドイメージを保護する上で非常に有効です。

例えば、有名なブランドが培ってきた信頼やイメージを、他社が似たようなロゴや名称で使用することは、混同を招きやすくなります。しかし、商標権を取得していれば、他社の類似使用を排除し、法的な手段で対応することができます。

商標の使用差止めや損害賠償の請求ができる

商標権があれば、他の事業者や個人が無断で商標を使用したときに、使用の差止めや損害賠償の請求を行えます。もしも自社の商標を無断で使用されたとしても、差止めや請求ができることから、優位に立ち回ることが可能です。

相手が使用差止めの要求に従わなかった場合は、権利者として法的措置を取ることで、不正な使用を阻止し、発生した損害に対して適切な賠償を受け取れます。

企業・商品のブランド価値が向上する

商標権は、企業のブランドや商品の信頼性と独自性を高める要素として機能します。商標は消費者の心に印象を残し、特定の品質や価値を連想させる力があります。

例えば、特定の商標を持つ商品は、他の類似商品よりも高い信頼性や価値があると、消費者に思われやすい傾向にあります。そのため、商標権を正しく活用することで、企業のブランドイメージの向上や顧客の信頼獲得、そして長期的な企業価値の向上に繋がるのです。

商標権の取得方法

商標権の取得は、ある一定の手続きを経て特許庁により認められるものです。現在は特許庁の窓口に直接提出する方法だけでなく、オンラインや郵送にも対応しています。ご自身の状況に合った方法で商標権の取得を進めましょう。

▼商標権の取得手順

  1. 商標を考えて商品・役務を指定する
  2. 類似する商標がないか調べる
  3. 特許庁へ出願する
  4. 審査を受ける
  5. 登録完了

取得時の注意点としては、類似する商標がないかを入念に調査することです。類似の商標がすでに存在している場合、出願が拒絶される可能性が高まります。

類似する商標の確認は、独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)の公式サイト「商標検索」から行えます。検索項目を選択し、キーワードを入力することで、自社の商標と他社の商標が類似していないかを調べることが可能です。

【関連記事】商標登録とは?登録する主なメリットと出願・登録までの流れ

商標権の取得に必要な費用

商標権の取得には、出願料や登録料などの費用が発生します。

▼商標登録に必要な費用の詳細

  • 出願料:3,400円+(8,600円×区分数)
  • 登録料:32,900円×区分数

参照:初めてだったらここを読む~商標出願のいろは~|特許庁

出願料は基本3,400円であり、指定する商品やサービスの区分数に応じて、上乗せされる費用が異なります。一方で登録料は、商品やサービスの1区分につき32,900円が必要です。

正確な費用や詳細については、特許庁の公式サイトや専門家に相談することをおすすめします。自社の商品・役務がどの区分に該当しているのかを確認したい場合は、特許庁の「類似商品・役務審査基準〔国際分類第12-2023版対応〕」をご確認ください。

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画像引用元:GMOブランドセキュリティ

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まとめ

本記事では、商標権の効力や有効期間、取得するメリット、取得方法について解説しました。

商標権は、商標を国や地域における特許庁に登録することで得られる法的な権益となります。商標権の効力には「専用権」と「禁止権」の2種類があり、模倣品や類似品による混同を防ぎたい場合に商標権の効力が役立ちます。

取得することによるメリットは大きいですが、商標登録を行うには時間と費用がかかります。また、手続きがスムーズに進まない場合もあるでしょう。

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