パスワードの強度を確かめる方法や強度を高める方法について、詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。
パスワードの強度とは、解読や推測の難しさを示す指標のことです。
長さや複雑さ、予測困難性が主な要素となり、強度が高いほど不正アクセスのリスクを低減できます。
この記事では、パスワードの強度を確認する方法、危険な例、強度を高める方法について解説します。
目次
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- パスワードの強度とは?
- パスワードの強度を確かめる方法
- パスワードの社内ルールを活用する
- パスワードの強度チェッカーを使用する
- 強度が低く危険なパスワードの具体例
- 推測されやすい文字列を使っている
- 氏名や誕生日など個人情報を含めている
- 辞書に掲載されている単語や固有名詞を入れている
- 単純に文字数が少ない
- 同じパスワードを使いまわしている
- 強度が低い危険なパスワードを使うリスク
- アカウントを乗っ取られる
- 機密情報や個人情報が外部に流出する
- データを改ざん・消去される
- 企業としての信用やブランドイメージが失墜する
- パスワードの強度を高める方法
- 複雑な文字列を使用する
- 文字数を長くする
- パスワードを使い回さない
- 多要素認証を採用する
- パスワード管理ツールを導入する
- パスワードの強度向上や安全管理ならGMOトラスト・ログイン
- まとめ
パスワードの強度とは?
パスワードの強度とは、パスワードの解読や推測の難易度を示す指標のことを指します。
強度が高いパスワードほど、第三者による不正アクセスのリスクを低減できるのが特徴です。
▼強力なパスワードと脆弱なパスワード
- 強力なパスワード:独自の文字列を使った解読困難なパスワード
- 脆弱なパスワード:単純な文字列で構成された容易に推測できるパスワード
パスワードの長さ、複雑さ、そして予測困難性が、その強度を決定する主な要素となっています。
強度の高いパスワードは、ユーザーのアカウントやデータを保護する上で極めて重要な役割を果たします。
パスワードの強度を確かめる方法
ここでは、パスワードの強度を確かめる2つの方法を紹介します。
高度なセキュリティ環境を維持するには、定期的なチェックとパスワードの改善が欠かせません。
パスワードの社内ルールを活用する
企業では、セキュリティ強化のために、パスワードの強度に関する社内ルールを設けているケースがあります。
社内ルールに則ったパスワードの設定と定期的な変更により、適切な強度を保つことが可能となります。
企業によって強度のルールは異なりますが、最低文字数や大文字・小文字の使用、特殊文字の組み込みなどが一般的な要件として挙げられるでしょう。
社内ルールの遵守は、組織全体のセキュリティレベル向上にも寄与します。
パスワードの強度チェッカーを使用する
オンラインで利用可能なパスワード強度チェッカーを活用すれば、客観的な評価が得られます。
多くのパスワード強度チェッカーでは、入力するだけでパスワードの複雑さや予測困難性を分析し、段階的に強度のスコアを算出してくれます。
細かく点数を算出してくれるツールもあるため、自社の目的に合わせて使用すると良いでしょう。
ただし、安全性の観点から、実際のパスワードをツールに入力するのは避け、類似のテストパスワードを使用するのが賢明です。
強度が低く危険なパスワードの具体例
以下のようなパスワードは強度が低く、セキュリティ上非常に危険です。
これらのパスワードを避け、より強度の高いものに変更することが求められます。
推測されやすい文字列を使っている
推測が容易な文字列を用いたパスワードは悪意のある第三者に不正利用されやすいため、絶対に使用してはいけません。
攻撃者による解読の可能性が高く、アカウント侵害のリスクが大きくなってしまいます。
▼推測されやすい文字列の例
- 123456
- abcd1234
- password
キーボード配列に基づく単純な文字列、例えば「qwerty」なども同様に避けるべきです。
このような簡単なパスワードは、自動化されたツールによって瞬時に突破される恐れがあります。
氏名や誕生日など個人情報を含めている
氏名や誕生日、住所など、個人情報を含むパスワードの使用は強く避けるべきです。
なぜなら、個人情報は外部から比較的容易に入手でき、パスワードの推測に悪用される可能性が高いためです。
例えば、SNSなどで公開されている情報を基に、攻撃者がパスワードを推測するケースがあります。
第三者による解読を避けるためにも、個人情報とは無関係のパスワードの利用が推奨されます。
辞書に掲載されている単語や固有名詞を入れている
辞書に載っている単語や固有名詞をパスワードに使用するのは非常に危険です。
これらのパスワードは辞書攻撃と呼ばれる手法によって、容易に解読されてしまう可能性があります。
辞書攻撃とは、一般的な単語や人物名など、特定の意味を持つ単語をパスワードの候補として解読・攻撃する手法のことです。
▼辞書に掲載されている単語や固有名詞の例
- sunshine2024
- baseball!
- Tokyo2020
辞書攻撃のリスクを回避するには、単語の組み合わせや文字の置き換えによる複雑化が効果的です。
単純に文字数が少ない
単純に文字数が少ないパスワードは、総当たり攻撃(ブルートフォース攻撃)で解読されるリスクが高くなります。
総当たり攻撃は、パスワードのパターンを総当たりで入力して解読・攻撃する手法です。
短いパスワードほど可能な組み合わせの数が少なく、解読にかかる時間も短くなります。
同じパスワードを使いまわしている
同じパスワードを複数アカウントで使いまわしている場合も注意が必要です。
1つのアカウントで情報漏洩が起こると、他のアカウントにも連鎖的に被害が及ぶ可能性があるためです。
例えば、メールアカウントとオンラインショッピングサイトで同じパスワードを使用していると、一方のパスワードが漏洩した場合に両方が危険にさらされてしまいます。
各サービスごとに異なる強力なパスワードを設定することが、セキュリティ向上には不可欠といえるでしょう。
強度が低い危険なパスワードを使うリスク
強度の低いパスワードを使用すると、セキュリティ上のさまざまな脅威にさらされるリスクがあります。
以下、脆弱なパスワードを使用する具体的なリスクについて解説します。
アカウントを乗っ取られる
悪意のある第三者にパスワードが解読されると、アカウントを不正に乗っ取られる危険性があります。
乗っ取られたアカウントは、なりすましや不正行為の温床となる恐れがあり、取り返しのつかない事態になりかねません。
例えば、SNSアカウントが乗っ取られた場合、友人や知人を騙す詐欺行為に悪用される可能性があります。
企業の重要アカウントであれば、金銭的リスクにさらされる場合もあるでしょう。
アカウントが乗っ取られる原因や手口、その対処法については以下の記事で解説しています。
機密情報や個人情報が外部に流出する
アカウントが乗っ取られた場合、高確率で機密情報や個人情報が外部に流出します。
そもそも攻撃者は悪意を持ってパスワードを解読している可能性が高く、入手した機密情報や個人情報を悪用し、企業や個人に深刻な被害をもたらす恐れがあります。
特に、個人情報を大量に扱う以下のような業種は要注意です。
▼個人情報を大量に扱う業種の例
- 金融機関:銀行・クレジットカード会社
- 通信事業者:携帯電話会社・インターネットプロバイダー
- 医療機関:病院・クリニック
企業の場合、顧客データや機密文書の流出により、多額の損害賠償や信用失墜に繋がる可能性があります。
データを改ざん・消去される
悪意のある不正アクセスにより、重要なデータが改ざんされたり消去されたりする恐れがあります。
データの改ざんや消去は業務に大きな支障をきたす可能性があるため、細心の注意が必要です。
例えば、財務データの改ざんは会計上の混乱を招き、プロジェクト資料の消去は業務の大幅な遅延を引き起こす可能性があります。
さらに、バックアップが不十分な場合は、データの復旧が困難になるケースも考えられます。
企業としての信用やブランドイメージが失墜する
パスワードの脆弱性が原因で情報漏洩が起こると、企業の信用やブランドイメージが大きく失墜する恐れがあります。
信用失墜はイメージ的な側面だけでなく、売上の減少や顧客離れ、クライアント間の契約破棄など、長期にわたって深刻な影響をもたらします。
特に個人情報を扱う企業にとって、セキュリティ事故は致命的なダメージとなりかねません。
パスワードの強度を高める方法
パスワードの強度を高めたい場合は、以下のような方法を検討しましょう。
これらの方法を組み合わせ、総合的にパスワードの強度を向上させることが推奨されます。
複雑な文字列を使用する
大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた複雑な文字列を使用することで、パスワードの強度が向上します。
複雑な文字列の例としては、以下のようなものが挙げられます。
▼複雑な文字列の例
- Tr3e!B1rd$ong
- P@ssw0rd_2729!
- C0mpl3x#S3cur1ty
可能な限り複雑で解読困難なパスワードをアカウントごとに設定しましょう。
ただし、パスワードを忘れてしまっては元も子もないため、覚えやすさと複雑さのバランスを取ることが重要です。
文字数を長くする
総当たり攻撃への耐性を高めるために、パスワードの文字数は長く設定しましょう。
一般的に10文字以上の長さが推奨されており、可能な限り長いパスワードを設定するのが望ましいといえます。
「ILovePizza!AndPasta123」のように、覚えやすくかつ長い文字列を使用するのが効果的です。
パスワードを使い回さない
サービスごとに異なるパスワードを設定し、使い回しを避けることが重要です。
これにより、1つのアカウントで情報漏洩が起こっても、他のアカウントへの影響を最小限に抑えられます。
例えば、メールアカウント用、SNS用、オンラインショッピング用など、用途別に異なるパスワードを設定します。
パスワードの管理が複雑になる場合は、後述するパスワード管理ツールの利用を検討すると良いでしょう。
多要素認証を採用する
パスワードに加え、別の認証方法を組み合わせる多要素認証を採用することで、セキュリティ強度が大幅に向上します。
多要素認証とは、2つ以上の異なる要素を用いて、デバイスやツールなどのログイン認証を行う方法のことです。
▼多要素認証に用いる3種類の要素
- 知識情報
- 所持情報
- 生体情報
SMS認証やワンタイムパスワード、指紋認証などを併用すれば、不正アクセスのリスクを大きく低減できます。
多要素認証の概要やメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
パスワード管理ツールを導入する
複雑で長いパスワードを効率的に管理したい場合は、パスワード管理ツールの活用を検討しましょう。
パスワード管理アプリとは、IDやパスワードなどの重要情報を安全かつ簡単に管理できるツールのことです。
多くの管理ツールには、ランダムなパスワードの生成機能や、暗号化されたデータベースでの保存機能が搭載されています。
ただし、管理ツールのパスワードが第三者によって解読された場合、深刻な被害に繋がりかねません。
そのため、管理ツール自体のマスターパスワードは特に強固なものを設定し、厳重に管理する必要があります。
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画像引用元:GMOトラスト・ログイン
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ID/パスワードの管理を効率化し、パスワードの使い回しをゼロにすることで、サイバー攻撃のリスクを大幅に低減できます。
多要素認証の導入も容易で、セキュリティをさらに強化することが可能です。
「パスワードの強度を上げたい」「パスワードの管理を効率化したい」という方は、本サービスの利用を検討してみてください。
まとめ
この記事では、パスワードの強度の確認方法、危険なパスワード、強度を高める方法について解説しました。
パスワードの強度を高めることで、アカウントの乗っ取りや情報漏洩などのリスクを大幅に低減できます。
具体的には、複雑な文字列の使用、十分な長さの確保、使い回しの防止、多要素認証の採用などが効果的です。
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文責:GMOインターネットグループ株式会社