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CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)とは?被害リスクや対策方法

[ 更新: ]

「CSRFとはどんなサイバー攻撃なのか知りたい」「具体的な被害リスクや対策方法を教えてほしい」という疑問を持つ方もいるでしょう。

CSRF(クロスサイト・リクエスト・フォージェリ)攻撃とは、Webアプリケーションの脆弱性を利用し、ユーザーが意図しない形で処理を実行するサイバー攻撃のことです。

CSRF攻撃を受けると、登録情報やパスワードが勝手に変更されたり、口座から不正に送金されたりなど、さまざまな被害リスクが生じます。CSRF攻撃のリスクを低減し、安全にWebサイトやWebアプリケーションを運営するためには事前対策が必要です。

本記事では、CSRF攻撃の被害リスクや被害事例、効果的な対策方法について解説します。CSRF攻撃の脅威を深く知り、企業に適した対策を講じたい方は最後までご覧ください。

目次

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  1. CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)攻撃とは
  2. CSRF攻撃の仕組み
  3. XSSとの違い
  4. CSRF攻撃による被害リスク
  5. 登録情報やパスワードが勝手に変更される
  6. 口座から不正に送金される
  7. 企業の機密情報が外部に漏洩する
  8. 悪意のある投稿や犯罪予告をされる
  9. CSRF攻撃を受けやすいWebサイトの特徴
  10. CSRF攻撃の被害事例
  11. はまちちゃん事件
  12. パソコン遠隔操作事件
  13. CSRF攻撃の効果的な対策方法
  14. Refererヘッダでリンク元を確認する
  15. ワンタイムトークンを使用する
  16. セキュリティ対策ソフトを導入する
  17. CSRF攻撃の対策ならGMOサイバーセキュリティ byイエラエにお任せ
  18. まとめ

CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)攻撃とは

CSRF(クロスサイト・リクエスト・フォージェリ)攻撃とは、Webアプリケーションの脆弱性を利用し、ユーザーが意図しない形で処理を実行するサイバー攻撃のことです。この攻撃はリクエストを偽造(フォージェリ)するため、CSRFという名称で呼ばれています。

CSRF攻撃を受けた場合、不正リクエストの送信により、意図しない悪質な情報発信や会員情報の書き換え、ID・パスワードの変更などの被害が生じる可能性があります。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)では「安全なウェブサイトの作り方 - 1.6 CSRF(クロスサイト・リクエスト・フォージェリ)」として、CSRF攻撃について注意喚起がされています。

【関連記事】サイバー攻撃とは?手口の種類や事例、最近の動向と対策を詳しく紹介

CSRF攻撃の仕組み

CSRF攻撃の仕組みは、ユーザーがログインしているセッションを悪用することにあります。この攻撃は、基本的に以下のような流れで実行されます。

▼CSRF攻撃の基本的な流れ

  1. ユーザーが正規のWebアプリケーションにログインする
  2. ユーザーが攻撃者の罠サイトを閲覧する
  3. 罠サイトに仕込まれたJavaScriptにより、正規のWebアプリケーションに対して不正なリクエストが送信される
  4. 正規のWebアプリケーションでユーザーが意図しない形で処理が実行される

この結果、パスワードの変更や金銭の送金など、企業や個人にとってリスクの大きい処理が意図せずに実行されます。

XSSとの違い

CSRFとよく比較される別の攻撃手法に、XSS(クロスサイトスクリプティング)があります。XSS攻撃は、悪意のあるスクリプトをWebサイトやWebアプリケーションに埋め込むことで、ユーザーのデータを盗んだり、不正な操作を行わせたりするサイバー攻撃です。

CSRF攻撃はWebアプリケーションのセッション管理を悪用するのに対し、XSS攻撃は出力処理の問題を悪用します。XSS攻撃では攻撃者が不正なスクリプトを埋め込み、第三者のユーザーがそれを実行することで被害に繋がります。

このようにCSRF攻撃とXSS攻撃では仕組みや手段が異なりますが、どちらもWebサイトやWebアプリケーションにとって深刻な脅威となるため、状況に適した事前対策が必要です。

【関連記事】XSS(クロスサイトスクリプティング)とは?攻撃手法と5つの対策を紹介

CSRF攻撃による被害リスク

CSRF攻撃はユーザーの意図しない操作を強制的に実行させることで、セキュリティを侵害する重大なリスクを引き起こします。本項では、CSRF攻撃による具体的な被害リスクを4つ紹介します。

  1. 登録情報やパスワードが勝手に変更される
  2. 口座から不正に送金される
  3. 企業の機密情報が外部に漏洩する
  4. 悪意のある投稿や犯罪予告をされる

以下、CSRF攻撃によって生じ得るリスクについて詳しく解説します。

登録情報やパスワードが勝手に変更される

CSRF攻撃により、アカウントの登録情報やパスワードが無断で変更されることがあります。それに伴い、攻撃者によってアカウントが乗っ取られ、個人情報の漏洩や不正アクセスの危険にさらされる可能性があります。

口座から不正に送金される

攻撃者によって銀行や決済サイトのセッションが悪用され、ユーザーの口座から不正に送金が行われるケースもあります。この種の攻撃では、金銭的な被害が直接的に発生し、自分の意思に反して高額な被害が生じることとなります。

企業の機密情報が外部に漏洩する

企業の内部システムに対するCSRF攻撃により、機密情報が外部に漏洩するリスクも存在します。具体的には、重要なビジネス情報や顧客データ、アクセス情報などが含まれます。

このような攻撃は、企業の信頼性損失や法的責任、さらにはビジネスの存続にも関わる深刻な問題を引き起こす可能性があります。

悪意のある投稿や犯罪予告をされる

SNSなどのアカウントが乗っ取られ、悪意のある投稿や犯罪予告に利用されるリスクも考えられます。悪意のある投稿により、個人への誹謗中傷や企業への名誉毀損が発生し、結果としてユーザーが加害者として責任を問われることもあります。

CSRF攻撃を受けやすいWebサイトの特徴

CSRF攻撃は特定のWebサイトの特徴を悪用することで実行されます。特に以下のような技術を利用しているWebサイトは、CSRF攻撃のターゲットとなる可能性が高くなるため注意が必要です。

▼CSRF攻撃を受けやすいWebサイトの技術

  • Cookieを用いたセッション管理
  • Basic認証
  • SSLクライアント認証

これらの技術はWebサイトにおいて広く利用されていますが、セキュリティ対策が不十分な場合、CSRF攻撃のリスクを高める可能性があります。例えば、Cookieを用いたセッション管理では、攻撃者がユーザーのセッションを乗っ取りやすくなります。

また、これらの特徴のうち、ログイン後に決済処理等の重要な処理を行うサイトの場合、被害が大きくなりやすいため細心の注意をはらいましょう。具体的には、セッション管理の安全性を高めたり、認証プロセスを強化したりなどが求められます。

【関連記事】企業が取り組むべきセキュリティ対策とは?重要性や対策内容を解説

CSRF攻撃の被害事例

CSRF攻撃による被害事例は過去にいくつか報告されています。本項では被害事例の内容、そして危険性について詳しく解説していきます。

はまちちゃん事件

2005年4月、SNSの「mixi」をターゲットとしたCSRF攻撃により、特定のURLをクリックすると勝手に「ぼくはまちちゃん!」というタイトルで⽇記がアップされてしまう現象が発生しました。日記が勝手に投稿されるだけで、幸いにも大きな実害はありませんでした。

サービスを提供しているイー・マーキュリーは、この件について「ハッキングでもなく、サーバ攻撃やウイルスでもない。ID盗難などの被害は発生していない」という回答をしており、「それ以上はコメントできない」とも述べています。実際、「はまちちゃん事件」ではIDなどの流出はありませんでしたが、CSRF攻撃の影響力を世間に知らしめるきっかけとなりました。

パソコン遠隔操作事件

2012年6⽉から9⽉にかけて、攻撃者が他人のパソコンを遠隔操作し、殺害や爆破予告など13件もの犯罪予告を行いました。これを受け、著名人を含む複数の容疑者が逮捕されました。

しかし、警察が逮捕された人物が使用していたパソコンを再度調べたところ、マルウェアが仕込まれていたことがわかり、パソコンが遠隔操作されて書き込みを行っていたことが判明。結果として、これらの逮捕は全て誤認逮捕だったのです。

その後、予告のあったサイトの脆弱性を狙ったCSRF攻撃だと判明し、長期にわたる捜査の結果、2013年2月に真犯人が逮捕されました。

CSRF攻撃の効果的な対策方法

CSRF攻撃はWebサイトのセキュリティを大きく脅かすため、効果的な対策を講じることが重要です。以下、CSRF攻撃を防ぐための対策方法を紹介します。

  1. Refererヘッダでリンク元を確認する
  2. ワンタイムトークンを使用する
  3. セキュリティ対策ソフトを導入する

これらの対策を講じれば、WebサイトやWebアプリケーションのセキュリティの向上が見込めます。

Refererヘッダでリンク元を確認する

Refererヘッダを使用することで、リクエストが正当なものかどうかを確認できます。リクエストが信頼できるソースから送信されているかをチェックすることで、不正なアクセスを効果的に防ぐことが可能です。

サーバー側でRefererヘッダを検証することにより、悪意あるリクエストを事前に識別し、迅速に対処できるようになります。不正なリンク元からのリクエストを特定してブロックすることで、CSRF攻撃のリスク軽減に繋がるのです。

しかし、ブラウザの設定などでRefererの送信を無効にしている場合、サービスを利用できなくなる可能性があります。また、チェック漏れが発生するリスクもあるため、他の対策と併用して行うことが推奨されます。

ワンタイムトークンを使用する

ワンタイムトークンの使用もCSRF攻撃に対して有効です。この方法では、各フォーム送信ごとに一意のトークンが生成され、重要な処理が実行される際にトークンの確認が行われます。

トークンが一致せず、確認が完了しなかった場合、第三者からのリクエストは拒否されます。これにより、不正な操作が実行されることを事前に防止します。

ワンタイムトークンはセッションごとに生成されるため、攻撃者がトークンを予測することは非常に困難です。ワンタイムトークンの使用は突破されにくいCSRF対策だと言えます。

セキュリティ対策ソフトを導入する

CSRF攻撃を含むセキュリティ対策ソフトの導入は、自動的に不審なアクセスを検出し、阻止することに役立ちます。これにより、外部からの攻撃に対してより強固なセキュリティ環境を構築することが可能です。

▼セキュリティ対策ソフトの主な機能

  • ウイルス検知
  • 不正アクセスの防止
  • データの暗号化
  • 脆弱性診断
  • セキュリティコンサルティングサービス

セキュリティ対策ソフトは、定期的なアップデートを通じて新たな脅威に対応し、最新のセキュリティ基準に適応できるように設計されています。導入することで、攻撃の発見と対応を迅速に行えるようになります。

CSRF攻撃の対策ならGMOサイバーセキュリティ byイエラエにお任せ

画像引用元:GMOサイバーセキュリティ byイエラエ

CSRF攻撃は、多くのWebサイトや企業にとって重要なセキュリティ課題です。この種の攻撃を効果的に防ぐためには、専門的な知識と技術が必要となります。

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さらに、セキュリティコンサルティングサービスを通じて、進化し続ける脅威に対しても常に対応することが可能です。企業のサイバーセキュリティ対策を講じたい方は、本サービスの利用を検討してみてください。

まとめ

本記事では、CSRF攻撃の被害リスクや被害事例、効果的な対策方法について解説しました。

CSRF攻撃はユーザーが意図しない形で処理が実行されるサイバー攻撃であり、個人や企業に対して深刻な被害をもたらすリスクが存在します。CSRF攻撃を防ぐためには、Refererヘッダでリンク元を確認する、ワンタイムトークンを使用するなどの対策が求められます。

また、ホワイトハッカーの技術力で包括的に対策できる「GMOサイバーセキュリティ byイエラエ」を利用するのも1つの手です。「CSRF攻撃の被害リスクを軽減したい」「最新のサイバー攻撃を対策したい」という方は、本サービスの利用を検討してみてください。

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