2024年12月17日

GMOインターネットグループ株式会社、 国立大学法人東京大学医科学研究所 「生成AIを活用した老化細胞研究」をテーマにした講演を開催

 GMOインターネットグループ株式会社および、東京大学医科学研究所(癌・細胞増殖部門癌防御シグナル分野 中西 真教授)が共同研究を実施している「生成AI活用加齢医学社会連携研究部門」では、生成AIを活用した老化細胞研究についての講演を開催しました。
 本講演は、東京大学医科学研究所の「国際健康医療推進社会連携研究部門」が主催する渋谷ウェルセンターで行う医療講演会の第1回目として開催されました。老化の原因となる慢性炎症が老化細胞によって引き起こされる仕組みや、老化細胞の解明に生成AI技術をどのように活用するのかなど、専門家が分かりやすく研究を紹介しました。

【講演会概要】

・開催日時:2024年9月18日(水)18時00分~19時00分
・開催場所:渋谷サクラステージ7F 渋谷ウェルセンター
・登壇者:
 国立大学法人東京大学医科学研究所 生成AI活用加齢医学社会連携研究部門 特任准教授 王 德瑋
 GMOインターネットグループ株式会社 グループ研究開発本部AI研究開発室 室長 片野 道雄



テーマ:「生成AIを活用した老化細胞研究」
・1章:老化とは何か?(王)
・2章:AIで老化細胞を研究(片野)
・3章:企業紹介(片野)

写真 左:片野 道雄 右:王 德瑋

【講演内容】

■老化とは何か?
老化は、「慢性炎症」が根本的な原因ではないかと考えられています。今回の講演では、特に「老化細胞」と「慢性炎症」の関連性を詳しく解説しています。老化細胞は、細胞周期が止まり、組織内にゾンビのように存在して炎症性サイトカインを分泌します。これらの細胞は加齢とともに体内に蓄積し、慢性炎症を引き起こします。そして、癌、心血管疾患、あるいはアルツハイマー病などの加齢関連疾患の発症や進行を促進します。
また、老化の進行速度は一定ではなく、2019年に発表された研究では34歳、60歳、78歳の3つの年齢で老化のピークが訪れることが報告されています。ほとんどの人は年を取ると老化の速度が速くなることから、体内に老化細胞を自発的に除去する何らかの仕組みがあり、その老化細胞除去の効果が年齢とともに落ちることで、老化速度が変化するのではないかと推測されています。

■生成AIで老化細胞を研究
講演の第2章では、生成AI技術を活用した老化細胞研究について紹介しています。生成AIがどんなものか、どのように遺伝子発現データを扱っているのかなどを説明しました。
本研究では東京大学医科学研究所(癌・細胞増殖部門癌防御シグナル分野 中西 真教授)の持つ、特別なマウスの老化細胞を色付けする技術で抽出された遺伝子発現データを、生成AIモデルのトレーニングに利用しています。
本研究で扱う遺伝子発現データは細胞1つずつの数万種類の遺伝子発現を数十万細胞分記録した大量の高次元データとなっており、生成AI技術はこのような大量の高次元データを処理する能力を持ち、老化細胞の推定や解析において大きな役割を果たしています。
老化細胞の推定や解析が進みメカニズムが解明できるようになることは、老化細胞を特異的に除去する方法の研究・開発に繋がり、人々が健康に長生きできる社会の実現に寄与します。

■企業紹介

・GMOインターネットグループ株式会社 グループ研究開発本部AI研究開発室 について
GMOインターネットグループは、2010年代から機械学習や深層学習などのAI技術を用いて課題解決に取り組んでいます。現在では、AIに関する組織として、データサイエンティスト、機械学習エンジニアを擁する「グループ研究開発本部AI研究開発室」を設置しています。
(参考:https://recruit.gmo.jp/engineer/jisedai/ai/

・GMOインターネットグループについて
GMOインターネットグループは、ドメインからセキュリティ、決済までビジネスの基盤となるサービスをご提供するインターネットインフラ事業を主軸に、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、暗号資産事業を展開する総合インターネットグループです。
また、「AIで未来を創るNo.1企業グループへ」を掲げ、グループ全パートナーを挙げて生成AIを活用することで、① 時間とコストの節約、② 既存サービスの質向上、③ AI産業への新サービス提供を進めています。さらに、2024年6月には、GMO AI&ロボティクス商事を立ち上げました。同社を通じ、AIとロボットの普及による社会課題の解決に貢献いたします。
お客様に喜ばれるサービスを迅速かつ低価格で提供するために、サービスは機器の選定から設置、構築、開発、運用までを内製化することを基本方針としています。そのため、グループ111社に在籍する約7,500名のパートナーのうち、ITのモノづくりを担う開発者(エンジニア・クリエイター)が約50.0%を占めています。
2023年10月から、東京大学医科学研究所(癌・細胞増殖部門癌防御シグナル分野 中西 真教授)と、生成AIを活用して人間の老化細胞のシグナルを解き明かすことを目的とした「生成AIを活用した人間の老化細胞の特定と、臨床応用に関する共同研究」を開始しています。
(参考:https://www.gmo.jp/news/article/8598/

(※)数字は2024年9月末時点

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